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金相場が過去最高額、大台の10,000円/1gを超えました
2023年の3月、約1年ぶりに日本の金取引相場が更新された事は記憶に新しいですが、その後も金相場高騰の流れは止まらず、ついに2023年8月29日に10,000円の大台を超える10,001円/1gとなりました。
金相場高騰の要因
2020年から続くパンデミックや地政学リスク
この金高騰の始まりは2020年から猛威を振るっている新型コロナウィルス(COVID‑19)による影響からはじまり、パンデミックが落ち着いてきてからも、ロシアウクライナ間の戦争や、米中関係の関係悪化など、地政学リスクの懸念が多い状況が続いています。
そんな世界情勢から現物資産かつ、世界共通の価値をもつ金はリスクヘッジの手段として大変優れており、預金や株券から金へと需要が移っているため、価格が高騰していると考えられます。
連鎖倒産の懸念
ダウ・ジョーンズ社が発行する国際的な影響力を持つ日刊経済新聞、ウォール・ストリート・ジャーナルで「SVBと同様の経営破綻が起こる可能性がある銀行は186行にも及ぶ」と報じられ、実際に米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)が進めてきた急速な利上げによって保有する有価証券の価格が下落し、巨額の含み損が生じたことで破綻に追い込まれる金融機関が相次いでいます。
3月にはSVBに続いてシグネチャー銀行(ニューヨーク州)も破綻に追い込まれており、5月1日にはSVBよりも大手銀行となるファーストリパブリック銀行も経営破綻したと報じられています。
このような状況から、消費者の金融不安が加速し、今後も連鎖倒産が続いていくのではないかともいわれています。その影響を受け、現物投資でリスクヘッジをしようとする動きが加速しており、金相場が上昇していると考えられます。
円安の影響
世界中で金利を上げる動きをしている中、日本だけはなぜか異次元の金融緩和を続けています。そのため、金利の低い円を売り、金利の高い通貨に乗りかえるのは、至極当然かと思います。
つい先日の円ドルの為替レートが去年、日本銀行が為替介入を行った金額に近づいており、今後も金利差の影響で、円安の流れは止まらないと考えられます。金の円相場は為替レートの影響を大きく受けるため、金相場が高騰していると考えられます。
今後の動向
アメリカの動き
このような主要銀行で相次いだ経営破綻を受けて、思い出してしまうのはやはり2008年に起きたリーマンショックでしょう。今回は、そのような混乱を避けるために、預金の保護や扱いについて、周知が徹底されています。そのため、楽観視することはできませんが、次第に混乱が収まる可能性も大いにあります。
地政学リスクについて
短期間で終わると思われていたロシア・ウクライナ間の戦争が長期化しており、いつ終戦するのかが不透明な現状に加え、北アフリカの国であるスーダンでも内紛が起こるなど、地球全体の治安が悪化していっているように感じます。特にロシア・ウクライナ間の戦争は予想以上に長期間の戦争になり泥沼化しています。
一方で、ロシアの民間軍事組織である「ワグネル」が武装蜂起をし、モスクワに進軍するという事態も起きており、ロシア側の内部にも亀裂が入っているのが露見しました。今後、どうなるかはっきりとしたことは言えませんが、早期終結することも考えられます。
日本銀行による為替介入
現在の急激な円安を受けて、財務省は「口先介入」などを行い、市場を牽制していますが、あまり効果はないようです。今後、去年2度行った、実際の為替介入に踏み切った場合、円安の流れは一度止まると考えられます。そのため、介入のタイミング次第で金相場に大きな影響を与えると考えられます。
今が売り時
2023年8月29日現在、ニューヨークの金先物取引のリアルタイムチャートを確認すると短時間で大きな変動が起きています。そのため、相場自体が安定しておらず、今後の予測がかなり難しい状況です。各国の投資家達がどのように動くのか、また、懸念されている金融危機に対して米政府がどのような動きをするかによって、金相場の更なる高騰や反発による暴落まで十分に考えられます。
また、世界的な金相場の他に日本の為替レートによっても相場が暴落する事は十分に考えられます。今言えることは、現状時点で過去最高値を記録していることは事実のため、少なくとも今は売り時といえます。
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