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金の先物取引について

919_先物 取引 証拠 金

金の先物取引とは、業者間の取引で発生する金の売買差額を利用して利益を得る取引です。個人投資家は、ほとんどの場合、実際に物を受け取ったり渡したりせず、約束した権利を決済して放棄し、取引を終了します。約束した時の価格と、決済した時の価格の差額が、損益の源泉です。買う約束をして取引をはじめ、約束をした時の価格よりも、高い価格で決済をすれば、利益が得られます。
また、売る約束をして取引をはじめ、約束をした時の価格よりも、安い価格で決済をすれば、利益が得られます(実際は取引手数料を考慮する必要があります。相場が思惑と反対に動いた時、損失が発生します)。取引参加者は取引を開始する際、口座開設をした業者に証拠金(しょうこきん)を差し入れます。2020年7月時点で金の証拠金は1枚(取引の最低単位)あたりおよそ23万円です。
例えば、金価格が6,200円の時に、最低単位の1枚、証拠金の23万円を差し入れて買う約束をして取引に参加したとすると、実質的に、金の価格(単価)に取引単位(1枚=1,000グラム)を乗じた620万円(総代金)分の取引を行っていることになります。とはいえ、買うあるいは売る約束をした時点では、総代金の受払いは行われません。また、ほとんどの個人投資家が行っているように、納会日が到来する前に決済をすることを前提にすれば、証拠金のみで取引に参加することができるわけです。つまり、ざっくり、上記の例で言えば、23万円で、そのおよそ26倍の620万円分の取引ができるのです。
このため、価格が思惑通りに動いた場合は利益が大きくなります。しかし、思惑に反して動いた場合は損失が大きくなります。証拠金以上の損失が発生する場合があるため。資金に余裕を持たせ、大きなリスクを許容できる状態で取引しなければなりません。

金の先物取引が向いているのはどういう人だろう?

金の先物取引は上述のように、ハイリスクハイリターンと言えます。したがって

・FXや、株価指数先物など、少額の資金で大きなお金を動かす取引の経験がある人
・ダイナミックな値動きの投資に挑戦したい人
・リスクを取ってでも、大きな利益を狙いたい人
・資金に余裕がある人

このような人におすすめです。上級者向けと言えるので、資金や経験に不足を感じる場合は避けた方が無難でしょう。

金はなぜ価値が高いのか

金は現代のような社会が形成される前、遙か大昔から人類にとって、富の象徴とされてきました。金は世の中に溢れているようでいて、実はとても希少性の高い限りある資源なのです。有史以来、現在までに採掘された金の総量は18万トン強と言われており、これは年間2000万トン以上採掘される銅などと比べるとどれだけ少ないかが良くわかると思います。これは、よく使われる有名な例ですが、今まで人類が採掘した金はオリンピックで使われるような競技用のプール約3.8杯分ほどしかないのです。そして地中の埋蔵量はあと、僅かプール1杯分しかないのです。プール1杯分の金と聞くと、目も眩むような感じがしてしまいますが、この長い歴史の中でそれだけしか存在していないという事実に驚かれる方も多いのではないでしょうか。

金はインフレや不景気にも強く、有事の金とも呼ばれます

金は「モノ」と「通貨」の性質を併せ持っていることに特徴があります。「モノ」という面では、金は希少性が高く、酸化せず腐食しないという特質を持つため「価値が目減りしない安全資産」としての強みがあります。このため、景気後退への懸念が高まると他の金融資産から金への逃避的な動きが強まり、金価格は上昇する傾向にあります。また、物価が上がるインフレのときに強い資産としても注目され、インフレ時には金価格が上昇する傾向が見られます。「通貨」という面では、金は昔から「通貨そのもの」として利用されてきた歴史があります。他の法定通貨と違い、金利がつかないのが弱点になりますが、世界の中央銀行が低金利政策を続ける中では金の相対的な魅力が高まります。

また、金にはそのもの自体に価値があるため、他の法定通貨と違い、たとえ国が破綻したとしても価値がゼロになってしまうことはありません。そのため、戦争やテロといった「有事」により地政学的リスクが高まる局面や、リーマン・ショックのような経済危機の際には、投資資金が他の法定通貨から金にシフトすることから、「有事の金」とも呼ばれています。

まとめ

金の先物取引はハイリスクハイリターン。資金面での余裕や、十分な取引経験を持った方におすすめです。ダイナミックな取引をしたい方にはまさにうってつけです。メリットとリスクをしっかり理解した上で、行うことをお勧め致します。

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