有史以来採掘された金の総量
これまで人類が採掘してきた金の総量は約18万トンといわれています(体積にして約9,300㎥)。これをオリンピックなどで用いられる、公式競技用プールに敷き詰めていくと、約3.7杯分に相当します。
多いと思うか少ないと思うかはそれぞれですが、身近な金属である鉄の場合、採算の取れる埋蔵量でも1,700億トンといわれているため、金の希少さがわかると思います。
現在、地球上に残っている金の埋蔵量は約5万トンといわれており、このままだと枯渇するのも時間の問題といわれています。
年間の金の採掘量
金は希少な金属ではありますが、比較的広い範囲に分布しているため、世界中で採掘されています。日本でも年間6トン程を菱刈鉱山(※)で産出しています。現在、全世界での金の採掘量は年間で約3,000トンといわれており、2021年のデータでは主要な産出国として、産出量1位は中国の約370トン、2位はオーストラリアの約330トン、3位はロシアで約300トンとなっています。
※菱刈鉱山は鹿児島県にある日本で唯一稼働している商業鉱山です。ここでは通常の金鉱石と比較して、数倍の金を含有した上質な金鉱石を採掘できます。ひとつの金鉱山で年間約6トンの金を産出し、世界でもトップクラスの産出量を誇っています。
埋蔵量は増え続けている?
金の埋蔵量は残り5万トンと上述しました。実はこの5万トン以外にも金の資源は地球に存在しています。5万トンという埋蔵量はあくまで、現在の技術で経済的に掘り出すことが可能な量を指しています。
つまり、現状の技術では採掘できない金や採掘に対して採算が合わない金については、埋蔵量ではなく、資源量となってしまいます。そのため、埋蔵量自体は技術の進歩とともに増えていきます。しかし、技術の進歩による増加量よりも現状の採掘量の方が多くなっているため、資源枯渇の問題は解決していません。
未来の金鉱床
現在の金採掘は主に地中にある金鉱石を採掘し、それらを製錬するのが基本となっています。しかし、掘りやすい地上付近にある金鉱脈はすでに採り尽くされており、採算のとれる金鉱脈はどんどんと減っています。しかし、近年になり、このような従来の方法ではない、新たな金採掘の方法が注目されはじめています。
都市鉱山
金は酸や塩基に対して耐性が非常に高く、不変性の高い物質です。そのため、一度使ったものを再利用する際にも品質を下げる事なく利用する事が出来ます。この金の不変性を利用し、地球上に限りある「鉱物資源」を再利用するという試みが現在世界中で注目されています。その試みのひとつが都市鉱山です。
都市鉱山という名前から都市部にある鉱山のような印象を受けますが、都市鉱山は天然鉱山ではありません。都市部のような人がたくさんいる街では、家電製品や工業製品のゴミがたくさん出ます。
廃棄されるスマホやカメラのような家電製品や工業製品には端子などに金をはじめとした貴金属やレアメタルが使用されており、それらを鉱物資源と見立てて都市鉱山と呼んでいます。2020東京オリンピックで選手に授与されたメダルは、すべてこの都市鉱山から集められたリサイクル金属で製作されました。
現在の日本の都市鉱山に存在する金の総量は6,800トン程度といわれており、世界有数の規模を誇っています。現在、世界に残っている金の埋蔵量が5万トン程度と考えると、実に15%程度の金が都市鉱山に眠っています。この他にも銀は6万トンで、これは世界の埋蔵量の22%、レアメタルであるイリジウムは世界の16%、錫は11%、タンタルは10%と、日本の都市鉱山には全世界埋蔵量の一割を超える金属が多数存在します。
海水中の金を抽出する
実は、海水中には極微量ではありますが、金が含まれています。もしも地球上の全ての海水中に含まれている金を抽出できた場合、その重量はなんと50億トンにものぼるといわれています。
有史以来、人類が手に入れてきた金の総量が18万トン、現在の総埋蔵量が残り5万トンということを考えると、どれだけすごい量があるのかがわかるかと思います。そんな海水からの金抽出ですが、海水から抽出するというのは、技術的にもコスト面でも不可能に近いといわれています。しかし、海水中の貴金属が堆積している箇所から採掘する事は将来、技術的に可能とされています。そこで注目されているのは海底熱水鉱床です。
海底熱水鉱床は、地下深部に浸透した海水に地殻から様々な元素が溶け、マグマ等により熱せらた際に熱水として海底から噴出し、周辺の海水によって急速に冷却されることで、金や銀などの貴金属やレアメタルを含む各種金属が沈殿して形成されたものです。金鉱山などでとれる通常の金鉱石に比べ、重量あたりに含まれる金の含有量がかなり多く、レアメタルなどの希少金属も同時に採取できることから、今後の金属資源として大いに期待されています。
まとめ
今回は金の埋蔵量についてご紹介しました。金は限られた資源であり、大切に扱っていかなければ枯渇するのは時間の問題といえます。金をリサイクルする手段としては都市鉱山だけではありません。その中でも金製のアクセサリーはリサイクル、リユースが盛んに行われており、需要も高いものとなっています。
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