金はどうやって誕生した?
結論から申し上げますと、金がどのように誕生したかについて、正確にはわかっていません。その上で、可能性が高いといわれている説をご紹介します。
宇宙からの飛来説
もっとも有力な説といわれているのは、星の爆発(超新星爆発)によって形成されたものが飛来したという説です。
星は強大なパワーを持っており、中で大きな原子の核を高熱で溶かして融合し、より大きな原子を作ります。二つの原子が組み合わさってより大きな原子となり、まったく異なる元素となります。これを繰り返す事により、大きな原子を生み出していきます。
このような現象を経て生まれた元素が銅や亜鉛、果てには金などの重金属です。金は多くの重金属と同じく、恒星の核融合の過程で徐々に軽い元素から重い元素が作られていく際に生まれたとされています。それらの元素が新星爆発などで宇宙に飛散し、生み出された隕石(金を含む)が、地球に降り注いだと考えられています。
地球はまだ熱く、溶けた鉄は金や白金と共に地球の核の中に融合したと考えられています。金は地球が生まれる前や生まれて間もない頃にもたらされた貴重な金属と言えます。
地球内部のマントルで作られた説
地中奥深くのマントルでできた金は火山の噴火とともにマグマとして地球に噴き出ます。そのマグマが冷えて火成岩になり、火成岩に含まれた金が採掘されるという説です。研究者たちは、アルゼンチンのパタゴニアで、特に70キロメートルの深さで、南米大陸の下で見つかった岩石に金が含まれていた事から、この説が囁かれはじめました。
しかし、地下深くで生成されているダイヤモンドなどの生成の過程はわかっているのに、金の生成過程は全くわかっていない事を考えると、根拠の弱い説といえます。
金は人工的につくる事が可能?
鉄くずを金に変える、こんな夢のような話はアニメやゲームでは錬金術としてお馴染みですよね。じつは現実でも卑金属から金を生み出すという事のみであれば成功しているのをご存じでしょうか?
具体的な方法としては、水銀に中性子線を放射し、原子崩壊を引き起こすことによってできるらしいですが、核融合を用いた方法になるので途方もない金額がかかります。具体的には時価100円の金を作るのに1億円以上のコストがかかるようで、金をつくるという目的のために行うには採算がまったく取れません。また、できた金も放射性を帯びていたり、時間が経つと安定している別の金属になってしまうなどの問題点も多くあり、実用化までいかないようです。
金の性質について
金といえば、古くから装飾目的で用いられ、現在でもジュエリーなどでは欠かせない金属です。一方で、金はその輝き以外にも優れた性質を複数もっており、装飾目的以外でも需要の高い金属です。ここでは、そんな金の優れた性質についてご紹介します。
優れた展性や延性
金は展延性に優れた物質です。展延性とは、その物質に圧縮する力を加えた際の変形する能力を指す展性と引っ張る力を加えた際の変形する能力を指す延性を組み合わせた言葉です。展性は鍛造や圧延で薄いシート状に成形できる能力で表されることが多く、金の場合は1gの金で約1平方メートルまで拡げることが可能で、厚さは0.1ミクロン(一万分の1ミリメートル)にもなります。
また、延性では金線にすると1gで約3,000メートルまで延ばすことが可能です。このように展性と延性を両方とも高い水準で行える金属は少なく、金の優れた特性のひとつといえるでしょう。
優れた電気伝導率や熱伝導率
金は優れた電気伝導率や熱伝導率を誇っており、電子機器の部品としても重宝されています。みなさんが使用しているスマートフォンやパソコンなど生活に必要不可欠な電子機器のほとんどに金がメッキとして極少量ではありますが使われています。近年では、このメッキの金を再利用しようとする動きが活発になっており、都市鉱山として注目を集めています。
優れた耐腐食性
金は物質的に元素自体の安定性が非常に高く、非常に強い腐食性をもつ特殊な酸(濃塩酸と濃硝酸を混合した王水など)を除いて、酸化還元反応を起こすことはありません。つまり水分や酸素、酸や塩基などで変質することがなく、日常生活で腐食する可能性がありません。そのため、金は酸化しないという認識がされるほどに優れた耐腐食性をもっています。
まとめ
今回は金の誕生にまつわる説や金の性質についてご紹介しました。このような希少かつ優れた特性のある金は現代でも高値で取引されています。「買取大吉」でも金の買取を行っており、特に力を入れて買取している品目になります。
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