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パラジウムとは?用途・特徴やプラチナ・金との違いを徹底解説

パラジウムとは?用途・特徴やプラチナ・金との違いを徹底解説

白銀色の輝きからプラチナと混同されやすいパラジウムですが、近年、優れた性質と希少性から注目が高まっています。しかし、金やプラチナの影に埋もれているため、具体的にどのような金属なのか分からない方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなパラジウムの特徴と用途について解説します。

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パラジウムとは?

パラジウムという金属が何なのか、イメージできますでしょうか。プラチナや銀のような色合いが浮かぶと思いますが、実際にどのようなものなのか、概要を見ていきましょう。

パラジウムの特徴

パラジウム(Palladium)は希少性の高いレアメタルの1つです。白金族元素に属する原子番号46の元素で、元素記号はPdと表します。1803年にイギリスの化学・物理学者であるウイリアム・ウォラストン (W. H. Wollaston) によって発見されました。

融解する温度が鉄とほぼ同じで加工しやすく、ジュエリーや工業用品などさまざまな分野で重宝されています。また、体積のおよそ900倍から1,000倍ほどの水素を吸収する性質があり、パラジウムを利用した水素吸蔵の実用化に向けた研究が行われています。

パラジウムの由来

1803年に発見されたパラジウムですが、その名前は同年に発見された「小惑星パラス」が由来です。この小惑星の命名は、ギリシャ神話に登場する海の神トリトンの娘パラス・アテナから名づけられています。

由来を遡ると神秘的な背景があり、希少性が高い分、「パラジウム」という名前はとても似つかわしいです。

パラジウムの産出量や産出国

パラジウムが採掘される場所は、銀やプラチナなどと比べて非常に限定的です。

主な産出国はロシアと南アフリカの2か国で、全体の8割以上を占めています。しかし、世界全体の年間産出量は200トン程度といわれており、金の年間産出量がおよそ3,000トン前後であるため、埋蔵量がいかに少ないかがよく分かります。

産出国にも偏りがあり、かつ2025年4月現在も続いているロシアとウクライナの戦争によるリスクから、希少価値が高いといえるでしょう。

パラジウムのアレルギー反応

パラジウムの取り扱いには注意が必要です。金属アレルギーを引き起こしやすく、その感作率は37.9%といわれています。この数値は金属の中でも最も高く、医療での利用を禁止する国が出ているほどです。発がん性の疑いも報告されており、免疫不全を引き起こすなどリスクも高いです。

パラジウムをジュエリーとして身に着けている方は、金属アレルギーによるかゆみや湿疹に注意しましょう。

パラジウムの製錬方法

製錬とは、熱エネルギーを利用して鉱石や原料から目的の金属を取り出す過程のことです。

パラジウムは、一般的に白金族(はっきんぞく)鉱石や銅鉱石などに含まれています。銅を精錬する過程のなかで、白金族が濃縮された水溶液を生成し、パラジウムを抽出しています。

パラジウムの用途

パラジウムはジュエリーの素材というイメージが強いですが、実は私たちの生活の中で幅広く活用されています。どのような分野に使用されているのでしょうか。

化学反応の触媒

パラジウムは自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素などの有害物質の浄化を手助けしています。いわゆる「三元触媒」を製造する金属のひとつとして使用されており、パラジウムは炭化水素を水に、一酸化炭素を二酸化炭素へと還元しているのです。プラチナにも同様の触媒効果がありますが、コスト面からパラジウムが使用されるようです。

世界的にも排気ガスの規制が年々厳しくなっているため、自動車産業においてパラジウムの需要はますます高まるでしょう。

歯科治療

虫歯治療で詰めたり被せるもので最も多く使用されるのが、銀歯です。実はこの中には、パラジウムが20%含まれています。

日本では銀歯の合金としてパラジウムの使用が認められていますが、金属アレルギーの観点から、現在はパラジウム以外の使用が推奨されています。ドイツなどの歯科医療の推進国では、パラジウムの使用を禁止しています。

ジュエリー

ジュエリー素材の一部にも、パラジウムが使用されています。

例えば、結婚指輪はプラチナを素材とすることが多いですが、指輪の内側には「Pt950」などと刻印されています。この場合、5%は別の素材が含まれているという意味になるのですが、その正体はパラジウムです。パラジウムはプラチナよりも硬度が高く、プラチナの割金として用いられることがあります。

ほかにもホワイトゴールドやシルバーアクセサリーの素材、さらには100%パラジウムの結婚指輪が製造されています。

水素検知センサー

地球温暖化への対策として注目を浴びている「水素」ですが、エネルギーをうまく活用するために、水素を吸収するパラジウムにも目が向けられています。

水素はクリーンなエネルギーとして期待される反面、爆発しやすいという欠点があります。安全な使用のためには、水素漏れによる大事故は防止しなければなりません。その対策として、パラジウムの性質を利用した水素検知センサーが開発されているのです。

地球環境の解決にも、パラジウムは貢献しています。

電気・電子工業用部品

パラジウムは、電気・電子工業用品の部品に使用されています。腐食や錆びへの耐食性が強く、電気伝導性の高さやはんだ付けのしやすさが評価されており、金・銀・プラチナとの合金による電極や接点部材、検知センサーやコンデンサーの材料となっています。

そのような部品たちは洗濯機やパソコン、スマートフォンなどの製造に役立てられており、パラジウムは意外と身近な製品に使用されているのです。

パラジウムと金・プラチナの違い

パラジウムは耐久性や耐食性など優れた部分がありますが、金やプラチナとどのような違いがあるのでしょうか。異なる部分を探ってみましょう。

プラチナとの違い

パラジウムはプラチナと同じ白銀色であり、耐食性など元素的にも共通点が多くあります。しかし、物質そのものの重さなど異なる部分があるのは確かです。以下の表にまとめてみました。

パラジウム プラチナ
比重 約12.0 約21.4
硬度 高い 低い
価値 低い 高い

パラジウムはプラチナよりも価値が低いですが、産出国であるロシアや南アフリカの地政学リスクや工業製品などの需要の高まりから、近年はプラチナとほぼ同額の価格になることがあります。希少性の高さも価格上昇を後押ししています。

金との違い

プラジウムと金は、硬度や用途などにさまざまな違いがあります。以下の表から確認してみましょう。

パラジウム 金(純金)
比重 約12.0 約19.32
硬度 高い 低い
主な使用用途 宝飾品・工業 宝飾品・資産運用
価格変動 変動が大きい 安定している傾向

どちらも宝飾品として使われる点は共通していますが、パラジウムは軽くて硬い性質のため、どちらかといえば工業製品の部品に使われることが多いです。金は純度によって変わりますが、純金は重くて柔らかい性質のため、資産運用としてインゴットやゴールドバーが製造されています。価格変動においても、世界で共通の価値があるため、パラジウムよりも安定的です。

まとめ

パラジウムはプラチナに近い性質をもっていますが、硬度が高く、水素を吸収する貴金属です。この特徴を生かしてジュエリー製品や工業用品の部品での使用、または地球温暖化への解決に向けた素材としても重宝されており、ひっそりと私たちの生活に貢献しています。今後もさまざまな分野で活躍することでしょう。

ただし、金属アレルギーを引き起こしやすいという欠点があるため、ジュエリーや銀歯の使用には十分注意してください。

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