トルマリンとは
多彩な色があることが特徴のトルマリンですが、鉱物としては成分によって10種類ほどに分けられます。トルマリンとは1つの石についた名称ではなく、鉱物グループを総称したネーミングです。トルマリンの語源には実はいろいろと説があります。スリランカの言語シンハラ語で「混合宝石」を意味する「トラマリニ」に由来とするとも言われております。
トルマリンにはさまざまな色があるため、過去にはルビーやエメラルドなど、他のジュエリーと混同されることも多かったようです。和名は「電気石(でんきせき)」ですが、これはトルマリンの結晶を熱すると電気を帯びる性質から名付けられました。トルマリンはパワーストーンとしても人気の高い石です。科学的には証明されていませんが、心身のエネルギーを高めてくれると言われています。色によってそのパワーは少しずつ異なるとされていますが、トルマリンは持ち主が本来持っている能力や人間的魅力を開花させ、自分らしく輝けるようサポートしてくれると信じられているのです。
鉱物として最多の配色
一つの鉱物としては、最多の色の取り合わせを誇る石でもあります。例えば、ルベライトは赤系、インディコライトは青系、ベルデライトは緑系、クロモライトはクロムを含む強い緑系…といったように、色合いや含まれる成分にちなんだネーミングが多く付けられています。中には一つで複数の色合いを楽しめる石も存在し、通称「バイカラー」と呼ばれているものもあります。赤と緑、緑とピンクの色で構成された「ウォーターメロントルマリン」もバイカラーのひとつですが、その名の通り色合いがスイカによく似ていることからこのようなネーミングになって付けられたそうです。とてもユニークな発想のネーミングですね。
石言葉は「無邪気・潔白・友情・寛大」
宝石言葉にはいろいろあり、「無邪気」「潔白」「友情」「寛大」「希望」「安楽」「忍耐」「心中の歓喜」などがあります。明るく前向きな気持ちで常にいたい状態や、将来の夢や希望に向かって進みたい時に、前向きな気持ちにさせてくれるような力を貸してくれるとも言われています。
保管について
強い紫外線や摩擦には注意。宝石の硬度を示すのがモース硬度ですが、モース硬度は7~7.5。また、宝石の衝撃に対する強さや割れにくさを示す靱性(じんせい)は、「普通」と判定されます。比較的扱いやすいジュエリーですが、急な温度変化は避けたいものです。色によっては紫外線に長時間さらすと変色する可能性もあります。
また、熱処理や染色を施した石もありますが、そのような石は紫外線の影響を受けやすく色落ちしやすいため注意が必要です。通常のお手入れは、やわらかい布でやさしく乾ぶきします。汚れが気になる時は中性洗剤を溶かしたぬるま湯を使って軽く洗いましょう。その後、真水でしっかりとすすぎ、水気をふき取ってお手入れ完了です。
トルマリンの意外な活用法
和名で電気石と呼ばれる通り、結晶の両端にプラスとマイナスの電極をもつトルマリンは、熱を加えると静電気を発生することだといわれています。この特性を利用し、かつてアムステルダムの宝石商人たちは、パイプの中に残った刻みたばこの灰を掃除していたといわれています。それ故、灰を寄せ付けるという意味のアッシェントレッカーと呼ばれていました。また、マイナスイオンを発生することから装飾品としてだけでなく、健康器具に使われたり湯船に入れたりと多様な形で親しまれている宝石でもあります。
まとめ
鉱物の中で色の取り合わせが最も豊富なことや、1カラット単位の価格がジュエリーの中でも高いトルマリンが存在することは、お分かりいただけたと思われます。ジュエリーの中には、濃さは様々なものの基本一色というものが多くありますが、配色が豊富というのは、それだけ多くの人に好まれる可能性があるということです。パワーストーンとしても人気で、身に着けることでパワーをもらえるかもしれません。好きな色を選ぶのはもちろん、願いに合わせて選ぶのもおすすめです。配色が豊富だからこそ、自分好みの色があるはずです。ぜひ自分の力になってくれそうなトルマリンを探してみてもいいかもしれません。