クリソコラってどんな鉱物?意味と効果は?
クリソコラの和名は「珪孔雀石(けいくじゃくせき)」と言います。この石は、多彩なカラーが融合され、調和されたパーフェクトなストーンと呼ばれています。見るからに不思議な色合い。その色はまさしく母なる地球をイメージさせてくれるということで、ヒーリングストーンとしても有名です。クリソコラ(クリソコーラ)は美しい青緑色に縞模様を見せる鉱物で、ターコイズに似ているといわれることも多い石です。
ターコイズ同様に歴史が古く、古代ローマやギリシャではインタリオやカメオなどを施したジュエリーに加工されていたといわれています。硬度が低くもろいという特徴を持つため、カットなどの加工はとても困難とされている宝石です。
・名前の意味
クリソコラという名前は、紀元前315年にギリシャの哲学者テオフラトスによって名付けられたといわれています。古代ギリシャ語で金という意味の「chrysos」とつなぐという意味の「kolla」を繋げたものです。クリソコラの鉱石からは銅が取れますが、溶かした金に加えることで濃い色の合金が出来るといいます。それを「金が濃厚になった」と思い込んだことから、古代ギリシャではクリソコラ鉱石の銅は「金を増やす」と信じられていたといわれています。
・色
クリソコラは一般的に明るめの緑色や青みがかった緑色をしています。前述したように、表面にはマラカイトに似た縞模様や斑点など、独特の模様を見せるものもあります。さまざまな色合いや模様をもち種類は豊富ですが、「澄んだ青色」であるほど上質と評価されるそうです。
・産地
チリ、ロシア、メキシコ、チェコ、ペルー、イスラエル、イギリス、米国、ザンビア、インドネシアなどから産出されています。日本でも産出されることがあるそうです。
・クリソコラの効果
クリソコラは、ギリシャ語で (chrysos=金)+(kolla=つなぐ)と名付けられ、古くより金運へ繋ぐ石と伝えられてきました。クリソコラの繋げるという効果は、そのまま人間関係を円滑にしてくれると言われ、持ち主に心の安定や自信を与えてくれます。その効果から、金運だけにとどまらず、「仕事運」、「家庭運」、「恋愛運」、「結婚運」など様々な効果があると言われています。クリソコラは「必要な運気を上げてくれる石」として、持ち主を最大限サポートしてくれるわけですね。
また、優しい自然の力のあるクリソコラは自身の生活スタイル、ホルモンバランスなどの乱れを調和する効果もあると言われています。
・日頃の生活習慣を見直したい方
・体調管理をしっかりしたい方
・仕事がうまく行かない
・家庭、恋愛がもう一つ上手くいかない
と日々悩んでいる方にとって、クリソコラはまさに最高なパートナーとなってくれるでしょう。ただ、クリソコラは他の石との組み合わせによっては、その効果が倍増したり、逆に半減することもあると言われています。
クリソコラの原石について
クリソコラの原石は、皮殻状やブドウ状の集合体や鍾乳状で生成するといわれています。低温で生成するため結晶は非常に小さく、結晶自体が見られることも少ないといいます。原石は銅鉱床の酸化帯で産出されますが、褐鉄鋼(天然の錆)、赤銅鉱、マラカイトやアズライトなどと共に塊状で産するといわれています。原石は大まかに分けると、①小さな結晶が集合したもの②超微粒子が分散しているコロイド(膠質)の2タイプに分類されます。両者を比較すると、②の方が多く産出されているそうです。
・クリソコラとマラカイトはどんな関係?
クリソコラは、和名では「珪孔雀石」と呼ばれています。鉱物に精通している方ならピンとくるかもしれませんが、「孔雀石」とは、マラカイトの和名です。「珪」が付くか付かないかだけのクリソコラとマラカイトにはどのような関係があるのでしょうか?それは、クリソコラとマラカイトが共に銅の鉱物であるということからきているようです。
マラカイトは「炭酸塩鉱物」、そしてクリソコラは「珪酸塩鉱物」と、鉱物の組成が「炭酸」と「珪酸」で違うのですが、マラカイトに似た色と模様のあるクリソコラも採れることから、「珪酸塩の孔雀石」ということで「珪孔雀石」と名付けられたのではないかといわれています。また、この二つの鉱物は共生することも多く、中には混ざりあってできたものもあるそうです。
クリソコラの種類
【エイラットストーン】
紅海に面するイスラエルのリゾート地エイラットで産出されるクリソコラは、土地の名前を由来とする「エイラット・ストーン」と呼ばれています。この地で採れるクリソコラには、トルコ石やマラカイトが混入していることが特徴的です。澄んだ美しい青色をしていることから、”エイラットの海の色”という意味も込めて、こう呼ばれるようになったといいます。エイラットという場所は歴史上、ソロモン王の時代からクリソコラを産出していたといわれています。そのため、現地の人々には「ソロモン・ストーン」と呼ばれて親しまれているそうです。イスラエルの国石に選定され、しかも産出量が少ないことから、希少価値が上昇しているといわれている種類です。
【ジェムシリカ】
岩石が形成された後、岩石にある細かい割れ目に沿って、鉱化ガスや熱水溶液が入り込むことがあります。その時に、クオーツやカルセドニー、オパールなどの鉱物が入り込む「鉱染」という作用により、透明度が高くなったクリソコラのことを「シリシファイド・クリソコラ」(珪化されたクリソコラ)と呼んでいます。
さらにその中で宝石としての価値が高いと評価されたものを特別に「ジェムシリカ」と呼ぶそうです。珪酸溶液が自然に浸透したジェムシリカは、もはや普通の弱~いクリソコラではありません。硬度がグンと高まり、メノウのような硬さをもってパワーアップするのです!透明度や硬度が高く、色も美しいものは宝石としての価値が上がることから、希少価値も高い種類です。しかしジェムシリカは通称名であって宝石名ではありません。
宝石名としては、状態によって変わり、クリソコラクォーツ、クリソコラカルセドニー、クリソコラアゲートと呼び分けられたりするそうです。
クリソコラの偽物について
クリソコラは、判別の難しい偽物が作られているようです。例えば、クリソコラの小片に合成樹脂を圧着したものや、結晶の粉末を練って固めたものが流通していると聞いたことがあります。本物か偽物かを区別するのは簡単ではありませんが、色や模様が均一過ぎたり、不自然なものには注意が必要です。
・クリソコラの選び方・偽物との見分け方
品質が良いものだと、不純物が少ないものほど希少価値が高くなります。色合いがターコイズと似ていることから、間違えて購入してしまうこともあるので注意してください。また、割れや欠けが生じたクリソコラを粉末状にして練り直し、樹脂で固めて再形成した偽物が存在します。クリソコラは自然の作用で表面にざらつきや傷のようなものがあるものがほとんどで、偽物は表面がツルッとしている点から見極めましょう。
その他に、本物の天然石は触るとひんやりしているなど特徴があります品質の良いものを選ぶのであれば、鑑別書が付いたものを選ぶと安心です。鑑別書の中には販売店が独自で作成した信用に欠けるものもあるので、きちんと専門機関で発行されたものかがポイントです。
まとめ
クリソコラ(クリソコーラ)はもろいため、強化するために樹脂を浸透させるなどの人工処理を施すのが一般的です。本来もろい宝石だからこそ、クオーツなどが浸透して、天然でも美しい色と硬さを持つ「ジェムシリカ」の希少価値が高くなるのですね。紀元前から人々に愛されて来た、長い歴史を持つクリソコラ。小さな宇宙を閉じ込めたような独特の青色は、お守りとしていつも大切に持っていたくなる、そんな宝石です。