目次
マラカイトとは?
マラカイトの由来
この石は歴史の中で、「美」という面での使用と「実」という面での使用で別々の次元で進んできました。
紀元前3000年頃から、エジプトではマラカイトを顔料や化粧用に使っていました。
クレオパトラはマラカイトを粉にして油に溶き、アイシャドーとして使ったと多くの本に書かれています。
かつてヨーロッパでは、この石で様々な護符を作っていました。その1つの使い方として、ゆりかごにそのマラカイトの護符を結びつけて子供を危険から守るという事が行なわれていました。
マラカイトの同心状の円紋を目にたとえ、その目で邪悪なものを威嚇し追い払おうとしたのです。マラカイトの鮮明なグリーンと模様は特別な魅力で、宝石としても使われた歴史も古い、石です。
独特の色がマラカイトの名前の由来の葵科のゼニアオイ(Mallow),の葉のくすんだ色から、ギリシャ語の「マラキーmalache」を語源とした「マラキーの石」と名付けられました。
マラカイトの特徴
何といってもマラカイトの特徴はグリーンの濃淡で作られるしま模様です。
濃い色と淡い色で作られるグリーンの帯のような模様はとても特徴的であることから、比較的他の宝石と見分けがつきやすいといわれています。
原石をカットする方向によって、しま模様となったりいくつかの円が混在する同心円状 となったりするのがマラカイトの魅力。
グリーンの色合いも個体によって異なりとても個性的です。
またマラカイトには他の鉱物と混ざりやすい性質があり、宝石品質として評価されるものの多くは、特別な化合物を含むものも多いです。中でもアズライト/藍銅鉱(らんどうこう)、キュプライト/赤銅鉱(せきどうこう)、クリソコラ/珪孔雀石(けいくじゃくせき)などが混ざったものはまた違った美しさをもち、高く評価されています。
ちなみに、マラカイトと アズライトは成分的にとてもよく似ています。
アズライトはとても不安定な鉱物で、空気中に含まれる水分を吸収していつしかマラカイトに変化してしまうこともあるそうです。
反対にマラカイトがアズライトに変化してしまうことはないといわれています。
マラカイトはすごい力を持っている?
マラカイトの持つパワー
高いヒーリング効果にすぐれ、ストレスや緊張を融和し、痛みや苦痛を取り除いてくれます。
疲労やスタミナ不足、不眠などが統くときにもおすすめです。
また洞察力を高めたり、邪気を跳ね返すパワーがあり、相手の心を見抜いたり、石の持ち主に危険を感知させることで、災いを遠ざけたりもします。
精神と肉体に強い浄化作用を与え、真に必要な人やものと関わりを持つように促します。日常のお守りに最適で、アクセサリーとして身につけておくとよいでしょう。
また強カな浄化作用により精神を落ち着かせ、ストレスや緊張をほぐすといった働きがあります。これらの特性から、マラカイトは子供に持たせるのに適した石のひとつであるといわれています。子供の無事や、勉強や友人関係などで抱えがちな間題から子供の精神を保護するのに役立つでしょう。
マラカイトの石言葉
「再会」「恋の成就」「癒し」「魔除け」
マラカイトは深い緑色と独特の渦巻き模様が特徴の石です。目玉のような渦巻き模様を持つ、マジカルな雰囲気の結晶のマラカイトは、孔雀の羽の模様に似ていることから、和名では「孔雀石」と呼ばれています。孔雀が平和と繁栄、不滅の魂の象徽とされているように、マラカイトも持ち主の身を守り、繁栄と長寿をもたらすといわれてきました。古代エジプトでは、マラカイトを粉にしてアイシャドーとして利用したそうです。虫除けと魔除けの効果があり、クレオパチラも好んでつけていたといわれます。外部からくる否定的な力を跳ね除け、内部から生まれる否定的な考えを取り去る石です。子どもを危険から守り、健やかに育てる護符としても知られています。
天然石としての効果
ストレスや緊張にとても高いヒーリング効果を発揮し、体力の回復をサポートしながら安眠をもたらす効果があるといわれています。また、邪気をはね返すパワーが強く、危険を感知させることで災いをもたらすものを遠ざけ、持ち主にとって本当に必要な人との関わりをもつようサポートしてくれるでしょう。スタミナ不足で疲れやすいと感じる人は、アクセサリーとして身につけるとよいでしょう。古来より、魔よけのお守りとして親しまれ、危険が迫ると砕けて知らせるともいわれるマラカイトは、邪気をはね返すパワーが強烈です。動物の鋭い眼のような縞模様は、強力な魔よけのパワーがあるとされ、ヨーロッパでは、古くから赤ちゃんや子どものお守りとして身につけさせる習慣がありました。邪悪な気持ちをもつ人や、マイナスの影響をもたらす存在を遠ざける力をもつといわれています。行く手を阻む人や物事を寄せつけず、ビジネスの成功や恋愛の成就をもたらしてくれるでしょう。また、マラカイトは、洞察力を高め、先見の明をもたらし、安全な方向へと導くとされているようです。
マラカイトの伝説
マラカイトは女神ビーナスを信じた古代ギリシャの人々に大切にされ、偉大な力を持つと考えられていました。 ローマでは、稲妻などの天災から守ってくれる女神ユーノーに捧げられました。この古代の伝統を受け継いで、今日でもイタリアでは邪悪な目から身を守るためにマラカイトを身につける人がいます。 古代エジプトでも人気があり、伝説によるとカバの女神トエリス(ハトホルとも関係があります)は、たくさんのビーズがついたネックレスをしており、その中にマラカイトもあったということです。 伝説によると、マラカイトは、身につけている人に迫りくる危機を知らせ、危険が近づくと粉々に砕けると信じられていました。そこで、旅人を守るジェムストーンとされました。 現代のクリスタル療法では、マラカイトには守り、力、平和、希望、愛、そして仕事での成功といった力があるということです。
マラカイトは錆と同じ成分
古くから宝石として愛られていたと言い伝えられるマラカイトですが、宝飾品として以外にも色んな形で使用されていた過去があります。
たとえばアイシャドーとして使われていたという記録も残っており、「アイ・ストーン」という別名もあるようですが、一説によると、含まれている不純物から肌に付くとかぶれやすい性質があるため、実際のところはどうだったのか分からないという話もあるようです。
日本でも岩絵の具として「岩緑青(いわろくしょう)」と呼ばれ、日本画の貴重な画材として使われていたそうです。そしてそれを採る原石のことは「石緑(せきりょく)」と呼ばれていたとされています。
一方で、古くから銅を採るために使われてきたという歴史もあります。これは紀元前4000年頃マラカイトを火にくべると オレンジピンクの光を放つ金属が流れ出てくることが発見されたことがきっかけで始まり、そこから鉱物から金属を取り出す 冶金(やきん)の技術の発展につながったといわれています。
マラカイトの価値
マラカイトは銅が酸化してできる二次鉱物*1です。酸素が豊富にある銅鉱床の上部で層状、葡萄(ぶどう)状、皮膜状などに形成します。断面は緑色の濃淡があり縞模様に見えます。この縞模様が孔雀の羽根に似ていることから「孔雀石」といいます。
マラカイトは身近にある銅像や銅製品の表面にできる「青錆び(あおさび)」と基本的に同じものです。しかし、マラカイトには縞模様があるため青錆びとは大きく違います。
マラカイトは銅鉱物の表面が炭酸ガスを豊富に含んだ水に晒されて微小な結晶が生じて形成します。微小な結晶が霜柱状、繊維状に伸びて縞模様の層を形成します。この縞模様こそがマラカイトの最大の魅力です。この縞模様は複雑なためふたつとして同じものはありません。美しい縞模様のものは少なく、木の年輪のような同心円状のものは特に美しいとされヨーロッパで人気があります。
美しい縞模様はマラカイトの価値を決める上で重要です。しかし、縞模様は研磨しなければ現れません。そのため縞模様に注目するとともに表面の研磨処理に注意しなければいけません。研磨処理が悪いものは表面が粗く光沢がありません。研磨処理が良いものは表面が滑らかで光沢があります。最終的に綺麗なマラカイトを選ぶ基準は「濃淡が明瞭な縞模様」と「光沢がある表面」のものと言えます。
マラカイトのお手入れ方法
マラカイトのお手入れで一番気を付けてもらいたいのは、その取扱いです。マラカイトは硬度が3.5-4と大変軟らかいため、乱暴に扱うと簡単に割れてしまいます。
よく宝石のクリーニングで超音波洗浄が使われますが、マラカイトに使うと割れてしまうので使えません。
基本的には柔らかい布で、表面の汚れを優しく拭き取ることが一番です。また保管する場合にも、他のアクセサリーと擦れたりぶつかったりすることで傷がついてしまいますから、柔らかい布に包むか箱に入れて他のアクセサリーとは別に保管しておきましょう。
またその他にも、マラカイトは水や紫外線に弱い特徴があります。保管するときには陽の当たる場所ではなく、陰になる場所に。そして汚れた時に水洗いしてしまうと、表面の美しい光沢が損なわれてしまうので、洗うこともおすすめできません。
まとめ
古代から人々を魅了し続けてきたマラカイト。今回はマラカイトの特徴や効果について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
素敵な孔雀石とも言われるマラカイトは、その独特の質感や色合いがとても魅力的です。パワーストーンとしての効果も高いので、ぜひ一度手に取ってみてください。