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フレデリックコンスタントとは?
スイスの機械式時計ブランド 「フレデリック・コンスタント(FREDERIQUE CONSTANT)」
フレデリックコンスタントは創業者であるピーター・スタース氏と妻アレッタ氏によって、1988年にスイス・ジュネーブ郊外のトアネに生まれた高級時計ブランドです。ブランド名は、ピーター・スタース氏の曽祖父母の名前からとのこと。ブランドロゴも、スタース家の家紋からインスパイアされています。
まだ創業してから30年強と若いブランドではありますが、デザインから開発組立、品質管理に至るまでを全てを自社工場で行うマニュファクチュールブランドとして知られており、また、1988年の創業当初から、「手の届くラグジュアリー」をコンセプトとしてきたフレデリックコンスタントとして創業者のピーター・スタースと妻アレッタのような情熱を持ち夢見る人々へ、手の届きやすい価格で提供しているのです。
なぜフレデリックコンスタントはシチズン参加に入ったのか?
現在のスイス時計界はグループ化が進んでおり、オメガ・ブレゲなどを傘下に収めるスウォッチグループ、カルティエ・IWCを傘下などに収めるリシュモングループ、タグホイヤー・ブルガリなどを傘下に収めるLVMHといった巨大資本グループが日々凌ぎを削っています。
フレデリックコンスタントが属しているのは日本の企業であるシチズン傘下。実はフレデリックコンスタントは複数のグループから参入の要請を受けていました。1つはヨーロッパ系、もう1つはアメリカ系、そしてシチズン。フレデリックコンスタントがシチズンを選んだ理由。それはシチズンの主力がクォーツ時計で、フレデリックコンスタントは機械式が主力だったからです。
もしフレデリックコンスタントが他のグループの傘下に入ってしまっていたら、おそらく商品展開の優先度は低くなり、これまでのように自由な時計開発は行えなくなっていたことでしょう。低価格帯のスイスメイド機械式時計の展開を目指したシチズングループの傘下に加われば充実した補完関係が築けます。自社の機械式時計を優先的に展開するため、フレデリックコンスタントはシチズングループに加わることに決めたのです。
特徴的なムーブメント
細心の注意を払ったムーブメントは、ケース裏側のシースルーガラスを通して、プレートやローターを飾るコート・ド・ジュネーブ仕上げや慎重に磨き上げられたブリッジなどを鑑賞することができます。
また、機械式時計の心臓であるムーブメントの動きが見えるスケルトン仕上げを、モダンに進化させたのがフレデリックコンスタント。ダイヤルに小窓を作ってムーブメントの動きを見せるチラ魅せスタイル『ハートビート』は、時計業界に大きな驚きを与えました。
フレデリックコンスタントが支持されている理由
●手の届くラグジュアリーとしての一貫した理念
一貫して「手の届くラグジュアリー(アクセシブル・ラグジュアリー)」を理念としてきました。フレデリックコンスタントは一般的なサラリーマンでも手にすることができる「リーズナブルな価格帯」にこだわっており、手が届かないブランドとなることを良しとしません。スイス伝統工法に則りつつも、簡略化できる工程は簡略化し、また機械化に頼れる部分は頼る。そうして上質な製品を提供し続けてきました。こういった背景から、お値段以上の満足感をユーザーに与えてくれるとあって、フレデリックコンスタントは高い評価を得ているのです。
●革新を止めない姿勢とオシレーター開発
繰り返しになりますが、フレデリックコンスタントの真髄は高度な時計製造技術です。優れた生産ラインのもと、ハイメゾンではなかなか真似できない価格帯の機械式時計を提供し続けてきた、屈指の名門と言っていいでしょう。
2021年4月、伝統的機械式時計の構造に対してイノベーションを起こす新機構を新たに発表しました。それが、オシレーター「モノリシック構造」です。このモノリシック オシレーターはフレデリックコンスタントの上品なコレクション「スリムライン」で楽しめることとなりました。
●多彩なバリエーション
フレデリックコンスタントの基本コンセプトは「手の届くラグジュアリー」ですが、その中でも多彩な選択肢が用意されています。自社製ムーブメントを搭載したハイエンドの「マニュファクチュール」から基幹コレクションの「スリムライン」,そして近年のトレンドになっているスポーツライン「ハイライフ」と様々。その中でも素材やデザイン,機構にバリエーションがあるため、好みやライフスタイル,ご予算からご自身に合ったものをチョイスする楽しみがあるでしょう。
フレデリックコンスタントの人気モデル
●クラシッククォーツFC-225ST5B5
シルバーの文字盤にイエローゴールドの針とインデックスを組み合わせたモデルです。文字盤には「クル・ド・パリ」と呼ばれるデザインのギョーシェ彫りを施しています。日付と曜日を表示する場所は3時の位置です。イエローゴールドメッキを施したステンレススチール製のケースとダークブラウンのレザーストラップが落ち着いた印象を与えます。
●クラシックインデックスFC-303WN5B3B
ホワイトの文字盤にゴールドの針とインデックスを組み合わせたモデルです。ローマ数字の飛びインデックスを採用しているので、時間がわかりやすくなっています。日付表示窓は3時の位置です。ステンレススチールとゴールドを合わせたブレスレットが高貴なイメージを演出しています。
●スリムラインFC-220B4SD36
ブラックの文字盤にシルバーの針を組み合わせたモデルです。インデックスは12時の位置だけローマ数字で、それ以外はダイヤモンドになっています。日付表示窓は6時の位置です。ベゼルにもダイヤモンドを敷き詰めているので、ステンレススチール製のケースがダイヤモンドを引き立てます。ストラップはブラックのサテンです。黒とダイヤモンドの組み合わせが高貴なイメージを与えています。
●スリムラインオートマチックFC-306S4S6B3
秒針のない2針タイプに日付表示機能を組み合わせたモデルです。シルバーの文字盤にシルバーの針とインデックスを組み合わせています。ケースは、ステンレススチール製です。シースルーバック構造になっているので、裏側からムーブメントの動きが見えます。
●レディースオートマチックダブルハートビートダイヤモンドFC-310SQPV2PD6
FC-310SQPV2PDは、6ホワイトの文字盤にシルバーの針を組み合わせたモデルです。文字盤やベゼルにダイヤモンドを使用しています。文字盤の一部がハート型にくり抜かれているのが特徴的です。裏側はシースルーバック構造になっているので、表側・裏側両方からムーブメントの動きを楽しめます。
●ランナバウトクロノグラフFC-393RM5B4
ランナバウトは、1920年代に活躍した木製のランナバウトボートにインスピレーションを得たシリーズです。フレデリックコンスタントは、2009年からランナバウトボートの保護を目的にした団体の「リーバー・ヒストリカル・ソサエティ」と協力体制をとっています。FC-393RM5B4は、ホワイトの文字盤にローズゴールドの針とインデックスを組み合わせたモデルです。中央部分は「クル・ド・パリ」と呼ばれるギョーシェ彫りが彫ってあります。12時の位置は30分積算計で、6時の位置は12時間積算計です。日付は3時の位置に表示します。
まとめ
高級時計としては低価格帯でありながらも本格的な機械式時計の魅力を堪能することができるフレデリックコンスタント。シチズングループの一員として現在日本で急速にその知名度を高めています。高品質な時計を多くの人が楽しめるよう、価格にもこだわりがあります。女性向けデザインも人気があり、ハートビートの元祖として幅広い人たちに愛用されています。