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結婚指輪は売ることができる?
結婚の証として、指輪を購入することは一般的です。名前や日付が刻まれていることもあり、特別な意味を持つものです。
しかし、さまざまな理由で手放すことを考える人もいるでしょう。不要になった結婚指輪は売ることができるのでしょうか。
結婚指輪は売っても問題ない
結婚指輪を売ること自体は、法律上問題となることはありません。よくあるのは、妻が夫や元夫から贈られた指輪を売るケースや、親から贈与された指輪を売るケースです。これらの指輪は「無償贈与品」となるため、売却は自由です。
しかし、何かの条件で贈られた場合や、婚約解消などが関わる場合など、問題が絡むなら相手とのトラブルに発展することがあります。もしも未解決の事柄があるなら、売却を急がない方が賢明でしょう。
結婚指輪に刻印が入っていても売れる
もしも結婚指輪を売るなら、刻印が入っていても買取は可能です。指輪を売る方法には「そのまま指輪として売る」か「素材として売る」の2つの選択肢があります。
素材として売る場合、刻印は価格に影響しません。価格は「素材の種類・純度・重量」が決め手となります。また、指輪として売る場合でも、刻印は加工で消すことができます。
加工費用がかかるため査定額は若干下がることがありますが、買取ができないケースは少ないでしょう。
結婚指輪の買取査定で見られる要素
結婚指輪の買取金額は、素材やブランド、状態などによって異なります。一般的に、購入金額の約10分の1が相場ですが、特定の素材やブランドによってはこの限りではありません。買取額に影響を与えるポイントをご紹介します。
素材
買取価格を決定づける、重要な要素の一つが「素材」です。代表的な貴金属には金、プラチナ、シルバーがあります。これらの中でも高価な金とプラチナは、市場の需要によって相場が日々変動し、売るタイミングが価格に影響を与えます。
シルバーは比較的安定していますが、金やプラチナに比べると買取価格は低めです。また、金メッキの指輪は含有金が少なく、買取が難しい点にも注意してください。
そして、ダイヤモンドなどの宝石が使われている場合は、その価値も査定に影響を与えます。
純度や重さ
買取金額に大きく影響するのが、素材の質であり「純度や重さ」です。純度は、金やプラチナに含まれる本物の金属の割合を指し、金であればK24(純金)やK18(75%の金を含む合金)が代表的です。
K24は柔らかく加工しにくいため、ジュエリーにはK18やK14が使用されています。金の割合が多いほど価値が高く、同じ重さでもK10よりK18の方が買取額は上がります。
プラチナも同様で、Pt1000(ほぼ純プラチナ)やPt900(90%のプラチナ含有)が一般的です。当然、プラチナの割合が高いほど、買取価格も高くなります。ちなみに、日本では硬度と輝きのバランスが取れたPt900が人気です。
ブランド
結婚指輪を素材としてではなく、中古の指輪として売る場合は、「ブランドやデザイン」が大きく影響します。人気のある一流ブランドは、高値がつく可能性が高いです。
たとえば、『ティファニー(Tiffany & Co.)』『カルティエ(Cartier)』『ハリー・ウィンストン(Harry Winston)』などは、世界的に高い評価を受けているラグジュアリーブランドです。
また、流行のデザインや限定モデルも、買取価格を引き上げる理由となることがあります。
サイズ
結婚指輪を中古として売るなら「サイズ」が重要なポイントとなります。標準的なサイズの指輪は再販しやすいため、買取の価格は高くなる可能性があります。
日本人の場合、左手の薬指の標準的なサイズは、女性が8~11号、男性が13~18号です。これらのサイズであれば、需要も多く、高額で取引されることが期待できます。
鑑定書の有無
ダイヤモンドに発行される「鑑定書」は品質証明書であり、グレーディング・レポートとも呼ばれています。主に「4C」と呼ばれる基準で、ダイヤモンドは品質が評価されています。
鑑定書があれば、ダイヤモンドの正確な価値が証明され、それに見合った価格で取引されることが可能になります。
Color(カラー) | 色の等級 |
Cut(カット) | 形の等級 |
Clarity(クラリティ) | 透明度の等級 |
Carat(カラット) | 重量 |
付属品の有無
結婚指輪を売るなら「付属品の有無」も買取金額に影響を与えます。人気のブランドであるなら、ケースや袋などがあると、買取に有利に働くことがあります。
購入時の付属品は、できれば可能な限り保管をしてください。指輪と一緒に査定に出せば、付属品が揃っていることで、より高値で取引される可能性が高まります。
状態
もしも指輪に傷や汚れがあっても、クリーニングや修理を施せば輝きを取り戻すことができます。ただし、これにはコストがかかるため、買取金額が下がる場合があります。
傷や汚れがない「きれいな状態」で保存されている指輪の方が、より高く評価される傾向があります。そのため、指輪を売る前に可能な限りメンテナンスすることが、より満足のいく価格につながるでしょう。
【素材別】結婚・婚約指輪の買取相場
結婚指輪を売る際に影響を与える、プラチナ、金、シルバー、ダイヤモンドの相場をご紹介します。こちらは2025年1月31日の情報を基にしていますが、為替やドル建ての価格は、値動きが激しい状況が続いています。
買取するなら、検討する時点での最新相場を確認することをおすすめします。
プラチナ
プラチナの市場価格は、その需要により日々変動しています。シンプルなプラチナの指輪は、重さが約4~5グラムであり、その素材価値はおおよそですが、約20,000円前後が相場だといえるでしょう。
Pt1000 | 5,003円 / g |
Pt950 | 4,745円 / g |
Pt900 | 4,565円 / g |
Pt850 | 4,307円 / g |
金
近年、金の市場価格は上昇しています。たとえば、K18を4グラム使用している結婚指輪の場合、素材としての買取金額は約40,000円です。しかし、純度によって価格が大きく異なるため、確認が必要です。
K24 | 14,679円 / g |
K22 | 13,332円 / g |
K20 | 12,182円 / g |
K18 | 11,198円 / g |
シルバー
銀はプラチナや金と比較して、1グラムあたりの買取金額はかなり低くなりますが、太陽光発電用ソーラーパネルや歯科治療、さらには殺菌剤としての需要があります。
これらの需要が増えることで、銀の相場が今後変動する可能性もあるため、今後の市場動向には注目しておきたいところです。
Sv1000 | 157円 / g |
Sv925 | 141円 / g |
ダイヤモンド
結婚指輪には一般的に0.3~0.5カラット、場合によっては1カラットのダイヤモンドが使われることが多いです。ダイヤモンドの価値はカラット数だけでなく、カットや透明度といった要素にも影響されます。
したがって、ダイヤモンドの買取価格は、他の素材のように単純に1グラムあたりの相場では判断できません。
品質によっては、予想以上の高額査定がつくこともありますが、基本的に大きいほど買取価格が高くなる傾向にあると考えて良いでしょう。
0.3カラット | 約40,000~250,000円 |
0.5カラット | 約130,000~410,000円 |
1.0カラット | 約560,000~1,930,000円 |
【ブランド別】結婚・婚約指輪の買取相場
結婚指輪の人気ブランドには、「ティファニー」「カルティエ」「ブルガリ」「4℃」「NIWAKA 俄」などがあります。これらのブランドは、高値で買取されやすい傾向があります。
そこで、世界的なハイブランドから国内の専門店まで、ブランド別の買取相場をご紹介します。なお、買取価格は時期や状態によって変動するため、参考価格としてご覧ください。
I-PRIMO(アイプリモ)
国内最大規模の店舗を展開する「アイプリモ」は、神話や星座をモチーフにしたユニークなデザインで人気を集めています。
注目すべきは、リーズナブルな価格設定と、200種類以上のラインナップから選べるセレクトオーダーでしょう。
<アイプリモの価格相場>
マリッジリング | 約15,000円前後 |
ダイヤリング | 約50,000~90,000円 |
Cartier(カルティエ)
フランスのラグジュアリーブランド「カルティエ」は、多くの女性が憧れる存在です。
カルティエの指輪は、シンプルなデザインと、地金のボリューム感が魅力です。『バレリーナ』や『LOVEリング』など、人気のデザインは買取時にも価値が高まりやすいです。
リングの素材やダイヤモンドの有無で価格が大きく変動し、豪華なダイヤ付きは300,000円台の可能性もあります。
<カルティエの価格相場>
ラブリング | 約20,000~80,000円 |
ラニエールリング | 約20,000~150,000円 |
トリニティリング | 約20,000~150,000円 |
Tiffany & Co(ティファニー)
ニューヨーク発の「ティファニー」は、結婚指輪としても大人気のハイブランドです。意外にも、手が届きやすい価格帯からラインナップが揃っています。
指輪の買取相場は、定価の1〜3割が目安となりますが、ダイヤモンドが使われていれば、期待以上の価値がつくこともあるでしょう。
<ティファニーの価格相場>
エルサ・ペレッティ バンドリング | 約20,000~70,000円 |
セッティングリング | 約50,000~150,000円 |
ハーモニーリング | 約30,000~300,000円 |
NIWAKA 俄(ニワカ)
「ニワカ」は、京都発のジュエリーブランドで、日本独自の美的感覚を大切にしています。風景や想いを反映させたデザインが魅力で、『初桜 UIZAKURA』や『ことほぎ KOTOHOGI』といったブライダルリングが人気を集めています。
これらの指輪は、ウェーブラインやストレートラインが特徴で、地金の素材やダイヤモンドの使い方によって買取金額は異なります。相場としては、10,000~30,000円程度が一般的な目安です。
<ニワカの価格相場>
Pt950×ダイヤモンド | 約39,000円 |
無限 MUGEN(K18WG) | 約49,000円 |
Harry Winston(ハリー・ウィンストン)
高級宝石商「ハリー・ウィンストン」は、ニューヨークで誕生したブランドです。世界五大ジュエラーで最も格が高く、「キング・オブ・ダイヤモンド」と称されるほど、ダイヤモンドの品質で世界的に高く評価されています。
海外のセレブがウェディングリングとして選ぶことが多く、その人気の高さから、他のブランドより高値で取引されやすい傾向があります。
<ハリー・ウィンストンの価格相場>
ラウンドマリッジリング | 約30,000~60,000円 |
HWダイヤリング | 約250,000~1,100,000円 |
マイクロパヴェダイヤリング | 約250,000~1,200,000円 |
BVLGARI(ブルガリ)
イタリア発のジュエリーブランド「ブルガリ」は、その大胆で個性的なデザインが特徴的です。
1999年に登場した『ビー・ゼロワン』コレクションは、ローマのコロッセオをイメージしたらせん状のデザインで、ブルガリを象徴するアイコンとなっています。
買取相場は定価の1〜2割が目安で、素材や宝石の数によって幅があります。また、結婚指輪として人気の『マリー・ミー』コレクションは、ダイヤモンド入りだけでなく、シンプルなプラチナリングも注目されています。
<ブルガリの価格相場>
ビー・ゼロワン | 約30,000~200,000円 |
マリー・ミー | 10,000円~60,000円 |
4℃(ヨンドシー)
日本で50年以上愛されてきた「4℃」は、結婚指輪としても人気のブランドです。素材にこだわり、手に入れやすい価格帯で、若い世代を中心に幅広い年齢層に支持されています。
4℃の人気デザインには、ウェーブラインが特徴的な『ナチュラルグレース』や『アクアリリー』などがあり、ダイヤモンド入りの女性用デザインは、買取相場が約20,000円前後となります。
<ヨンドシーの価格相場>
マリッジリング | 約20,000円 |
ダイヤリング | 約7,000~35,000円 |
Van Cleef & Arpels(ヴァン クリーフ&アーペル)
パリの「ヴァンクリーフ&アーペル」は、創業者が結婚したことをきっかけに生まれたハイブランドです。
花や蝶をモチーフにしたエレガントでフェミニンなデザインが特徴で、愛をテーマにした結婚指輪は世界中で注目を集めています。
シンプルで洗練されたデザインの『アンフィニ マリッジリング』や『タンドルモン マリッジリング』などが人気です。買取金額は約10,000~200,000円、相場は定価の約2割となります。
<ヴァン クリーフ&アーペルの価格相場>
タンドルモン | 約18,000~35,000円 |
ロマンスリング | 約150,000~250,000円 |
エステルエタニティリング | 約250,000~400,000円 |
処分したい結婚・婚約指輪を売る方法
結婚指輪・婚約指輪を手放したいと考えたとき、どこで売るか迷うことも多いでしょう。そこで、実際に指輪を売却する方法や、買取を依頼できる場所についてご紹介します。
リサイクルショップで売る
雑貨を中心に扱っている店舗が多いリサイクルショップですが、貴金属の買取を行っているところもあります。結婚指輪も買取対象となりますが、貴金属に詳しい鑑定士がいない場合もあります。
さらに、刻印が入った指輪は買取を断られる可能性が考えられます。手軽に利用できるため、すぐに売りたいなら便利ですが、少しでも高額な買取を希望するなら、リサイクルショップは避けたほうが良いかもしれません。
フリマアプリやネットオークションで売る
インターネットを利用した、フリマアプリやオークションサイトでも、結婚指輪は取引されています。自分で価格を設定できるため、リサイクルショップよりも高く売れる可能性があります。
しかし、高値をつけすぎると売れ残ることもあり、個人間の取引にはトラブルのリスクも伴います。結婚指輪を安心して売りたいなら、貴金属専門の買取店を利用する方が、より安全で確実な取引ができるでしょう。
買取専門店で売る
ブランド品や貴金属の買取に特化した専門店であれば、指輪の素材に加え、ブランド価値を考慮した高額査定が期待できます。
豊富な買取実績を持つ業者なら、指輪の本来の価値も正確に評価してもらえるでしょう。また、丁寧な接客が徹底されているため、貴金属の売却が初めてでも安心して取引ができる環境が整っています。
結婚・婚約指輪を高価買取してもらうコツ
購入時に高額を支払っている結婚指輪は、できるだけ高く売りたいと考えるのは当然でしょう。そこで、結婚指輪・婚約指輪を、高額で買取ってもらうためのコツをご紹介します。
付属品・鑑定書も一緒に買取に出す
結婚指輪・婚約指輪を売るなら、購入時についていた箱や保証書、鑑定書などの付属品も忘れずに査定に出しましょう。特にブランド品の指輪は、付属品の有無が買取価格に大きく影響します。
箱や証明書が揃っていることで、正規品としての信頼性が高まり、高額査定につながることもあります。指輪を売る前に、付属品がすべて揃っているかを確認し、より良い条件で査定を受けられるよう準備することが大切です。
メンテナンスをしておく
どんなに高価な指輪でも、汚れが目立つと査定額が下がる可能性があります。査定前には必ずお手入れをし、できるだけ綺麗な状態に整えておきましょう。
ただし、指輪の素材によって適したお手入れ方法は異なります。誤った方法で磨くと傷がつく恐れがあるため、事前に素材に合ったケア方法を確認し、慎重にメンテナンスをすることが大切です。
複数の買取業者で見積もりを取る
ダイヤモンドが装飾された結婚指輪・婚約指輪を売る際は、鑑定書も一緒に提出するのがおすすめです。鑑定書がなくても査定は可能ですが、ダイヤモンドは品質によって買取価格が大きく変わります。
正確な価値を評価してもらうためにも、鑑定書があると安心です。カラットやカット、クラリティなどの詳細な情報が記載されているため、より適正な査定につながるでしょう。
相場を把握しておく
貴金属やブランドの相場を、事前に確認しておくことが大切です。買取価格は、需要によって日々変動します。プラチナや金の市場価格が上昇しているタイミングは、より高く売れる可能性が高いでしょう。
最新の価格は、インターネットや新聞などで確認できます。売却を検討しているなら、チェックしておくと安心です。
できるだけ早めに売る
ダイヤモンドや金などの素材自体は、時間が経っても価値が大きく下がることはありません。しかし、指輪のデザインには流行があり、人気の移り変わりもあります。
そのため、トレンド感のあるデザインは人気が高いタイミングで売ることで、より高値がつく可能性が高まります。もしも売却を考えているなら、デザインが古くなる前に査定を受けることをおすすめします。
他のアイテムと一緒に買取に出す
結婚指輪を売るなら、婚約指輪も一緒に査定へ出すことで、より高価買取につながる可能性があるからです。さらに、バッグや靴、アクセサリーなど、不要なアイテムがあればまとめて売るのもおすすめです。
買取専門店によっては、持ち込む点数が多いほど査定額がアップすることがあります。断捨離にもなるため、この機会に売れるものをチェックしてみるのも良いでしょう。
まとめ
結婚・婚約指輪は、素材としても中古のジュエリーとしても売却が可能です。
現在、プラチナや金の需要が高まっている上に、品質やブランド品であるのか、そして付属品の有無によって、さらなる高価買取が期待できます。もしも売却するなら、実績豊富な買取専門店で査定を受けることをおすすめします。