産地は?
キャッツアイの産地は、主にブラジルやスリランカです。色は、イエロー系ですが、少し深みがある「はちみつ色」がいいと言われています。
特に希少価値の高いキャッツアイ
キャッツアイにも、様々な種類の宝石があります。宝石というと、やはり価値が高いものが気になりますよね。そこで、希少価値があると言われているキャッツアイについて紹介します。
●クリソベリルキャッツアイ
クリソベリルキャッツアイは、皆がよく知るキャッツアイです。よく知られているものの、とても希少価値が高い宝石と言われています。ブラウンやイエロー系の石で、和名では「金緑石」と呼ばれています。クリソベリルキャッツアイの中でも、光の筋が綺麗に入っているものは特に希少価値が高いとして認められています。また、色が「ハニーカラー」のものや「アップルグリーン」のものも高価な取引がされることで有名です。
●アレキサンドライトキャッツアイ
アレキサンドライトは、蛍光灯の下では青く見え、太陽の光の下では赤く見える不思議な石です。アレキサンドライトは非常に高価な宝石と言われています。そのアレキサンドライトにキャッツアイ効果が見られるものは、かなりの希少価値とされており、非常に高値で取引されます。アレキサンドライトキャッツアイは、最も高価なキャッツアイの1つです。
●エメラルドキャッツアイ
エメラルドだけでも高価な宝石と言われています。しかし、キャッツアイが含まれるエメラルドは、さらに希少価値があるとされ稀な宝石と認識されています。
●アクアマリンキャッツアイ
アジアやアフリカなどが産地になるアクアマリンにも、キャッツアイ効果が見られるものがあります。「サンタマリアアクアマリン」が特に価値が高いとされていますが、キャッツアイが入ったものも希少価値があると言われています。
●トルマリンキャッツアイ
トルマリンには、グリーンやピンクなど様々な色があります。中には、バイカラーのものもあり、「バイカラーキャッツアイ」と呼ばれます。トルマリンのバイカラーキャッツアイはとても珍しいので、貴重と言われています。
●シリマナイトキャッツアイ
シリマナイトは、ゴールド系の石です。珍しい石と言われており、識別も加工も難しいと言われています。そのため、綺麗に加工されたものには、それなりの価値が付けられるでしょう。シリマナイトにキャッツアイが入るものは、より珍しいと言われています。また、シリマナイトキャッツアイは、「ファイブロライトキャッツアイ」と呼ばれることもあるので覚えておきましょう。
●アパタイトキャッツアイ
深めのブルーが綺麗な宝石です。ブラジルなどで採れる石ですが、最近はブルーアパタイトが希少になってきていると言われています。ブルーアパタイトにキャッツアイが入っていると、より高価な値段で取引されることでしょう。
●レッドベリルキャッツアイ
レッドというくらいなので赤い色の宝石ですが、その色はルビーやガーネットのような発色ではありません。どちらかというと、ピンクが強めの赤です。
レッドベリルは、アメリカのユタ州やその周辺でしか採れません。そのため、ただでさえ希少価値があるのに、キャッツアイが入っているとなるとさらに高価な宝石になるでしょう。
キャッツアイの効果
希少価値が高いキャッツアイは、持っているだけで様々な効果を発揮しそうですね。お守りとして、自分自身を守ってくれるような気持ちにもなります。キャッツアイには、どんな効果があるのか詳しく紹介していきます。
●魔除けの効果
キャッツアイには、強いエネルギーがあるとして魔除け効果が期待されています。最近良いことがない人はキャッツアイを持って悪いものを跳ねのけましょう。キャッツアイには、悪いものを跳ねのけた後に幸運を引き寄せる効果もあります。
●縁切りの効果
悪い縁というのは、切らないと良い縁が近づいてきません。キャッツアイには、腐れ縁などの縁を切る効果があります。新しい出会いを求めている人や、深い縁があるせいで物事が上手くいかない人にキャッツアイは強くおすすめされる宝石です。
●ポジティブになる
キャッツアイを持っていると、気持ちが明るくなるとか、前向きになれるという人もたくさんいます。悪い縁を切る効果があるため、気づいたら気持ちがポジティブになれるのでしょう。暗い気持ちになりがちな人や、新しい自分に生まれ変わりたいと思っている人は、キャッツアイを持ってみるといいかもしれません。
●直観力がつく
キャッツアイには、何かを見抜く力があるようにも感じますよね。実は、持っていると直観力を高めてくれる効果があります。昔から、猫には何かしらのパワーがあると言われています。キャッツアイ効果がある石にも、猫が持つパワーが含まれているのでしょうか。直観力がつくと、様々なことへの的確な判断ができるようになるのでいいですよね。
●冷静になれる
冷静になれる効果もキャッツアイにはあります。心を落ち着けたいと思ったとき、キャッツアイを取り出して眺めてみてください。キャッツアイの綺麗な光の筋を見ていると、色んなことを冷静に考えられる力をつけることができるでしょう。
キャッツアイの意味
猫の目のような縦ラインが現れる不思議な宝石であるキャッツアイ。日本国内では女性用のジュエリーとして楽しまれることが一般的ですが、アメリカでは大振りのキャッツアイを男性用リングとして使用することも多いようです。ここでは、世界中で愛されているキャッツアイについて、その意味や歴史、特徴、選び方のポイントをご紹介しましょう。
●キャッツアイの意味と歴史
文字通り、猫の目に似ているからキャッツアイと呼ばれるこの石は、1世紀末頃のローマではすでに知られた宝石で、非常に長い歴史を持っています。
キャッツアイの主な産地であるスリランカの言い伝えによると、キャッツアイは「悪魔から身を守る」とされ、東洋においては眉間に当てることで「先見の明が得られる」と信じられていました。その不思議な見た目と輝きが何かしらのパワーを持つと信じられていたようです。ジュエリーとしてのキャッツアイは、19世紀の終わりにイギリス王室のコノート公爵が婚約指輪に選んだことで注目を集めたと言われています。それまでは、コレクターの間で楽しまれるくらいでしたが、この出来事を境に一般の人たちにも人気が出て、価格も急上昇していきました。
●キャッツアイの特徴
光の縦ライン、猫目効果を意味する「シャトヤンシー」は、フランス語のシャット(猫)からきています。実は、キャッツアイ以外にもシャトヤンシーが現れる宝石は多く、例えばジルコンやエメラルド、トルマリンなど、その数は約50種にものぼります。こうした宝石は「トルマリンキャッツアイ」といったように、宝石名の後に「キャッツアイ」という名前をつけることで他の宝石と区別されています。ただし、「キャッツアイ」という名称は、通常は「クリソベリルキャッツアイ」のことを指します。混同しないように覚えておきましょう。
中央にある光のラインが、光源に合わせてまるで猫の目のように左右に動くのがキャッツアイの特徴で、光源に近い部分はハチミツ色に、遠い部分はミルク色に変化します。ミルク&ハニーが理想と言われていますが、実際に市場に出回っている石はハチミツ色というよりもレモン色や緑がかった黄色であることが多いようです。
●キャッツアイの選び方
キャッツアイを選ぶ最も重要なポイントは、中央に現れる光の縦ラインが美しいことです。縦ラインは、インクリュージョン(鉱物の中に含まれる液体や結晶のこと)に光が反射して見えるものなので、正確にカットされていないと、宝石の中央からずれたり波打って見えたりします。そのため、キャッツアイを選ぶときにはカットの正確さはきちんと見極めたいところです。
また、シャトヤンシーのバランスと石全体の色の美しさを兼ね備えた、高品質なキャッツアイはなかなか目にすることができないと言われています。色を重視するか、シャトヤンシーを重視するのかをあらかじめ決めておくことも、キャッツアイを選ぶときの重要なポイントとなるでしょう。キャッツアイは見た目が非常に印象的な石ですので、小ぶりのサイズであっても十分にアクセントになります。
キャッツアイのスゴさ
●ダイヤモンド以外の全ての石はキャッツアイ?
石の真ん中に猫の目のようにくっきり浮かぶセンターライン。このラインをキャッツアイ、専門用語で「シャトヤンシー」効果と呼びますが、実はこれは針状の内包物がある宝石を丸くカボッションカットすれば、全てに出る現象です。有名な宝石では「トルマリンキャッツアイ」「エメラルドキャッツアイ」がありますが、実はキャッツアイが出る宝石はなんと50種類以上。正直ダイヤモンド以外の宝石は全てキャッツアイが出る?と思うほど種類が豊富なのです。しかし、その中で私たちが一般的に『キャッツアイ』と呼んでいるのはクリソベリルという鉱物。
そう、「クリソベリルキャッツアイ」こそがいわゆる”キャッツアイ”と呼ばれ親しまれている宝石です。よくネットなどで見かける「ピンクキャッツアイ」などはガラスでできた人工石のこともありますので注意してくださいね。他にも「シリマナイトキャッツアイ」や「ネフライトキャッツアイ」といった鉱物でできたキャッツアイもありますが、クリソベリルキャッツアイに比べて宝石としての価値は非常に低くなります。覚えておくといいでしょう。そして、クリソベリルといえば、5大宝石の中で最もレアな宝石、アレキサンドライトも有名です。
●キャッツアイの王様「アレキサンドライトキャッツアイ」
1830年、ロシアで発見された宝石がアレキサンドライト。12歳の少年皇太子アレクサンドルの誕生日に献上されたことから、この名前が付けられたと言われています。昼の太陽光の下では青く、夜の人工照明の下では赤い色に変化するのが特徴です。
元々クリソベリルキャッツアイはハニーイエローとアップルグリーンのカラーのものが極上のキャッツアイと言われています。その中で、赤と青に変化する「アレキサンドライトキャッツアイ」は大変希少です。コレクターに根強い人気があるのも頷けますよね。
キャッツアイをカボッションにカットするとき、石の厚みが厚いほどシャトヤンシー効果がはっきり現れます。しかしもともとアレキサンドライトは大粒の石が産出されにくく、3カラット以上の大きさは滅多にお目にかかれません。その上くっきりと猫目が出るアレキサンドライトキャッツアイなんてほとんど皆無。もしあれば1級品のダイヤモンドよりも高価な値段がつくでしょう。まさにキャッツアイの王様です。
●なぜ日本でキャッツアイブームが起きたのか?
現在の日本人の中で、大統領夫人となった人物はたった一人だけ。そう、あのデヴィ夫人です。彼女が初代インドネシア大統領、スカルノ氏と結婚したときは日本中が驚きました。
そのシンデレラストーリーの立役者が当時「昭和のフィクサー」と呼ばれた児玉誉士夫と、後に首相になった人物、池田勇人でした。特にデヴィ夫人は池田氏とは家族ぐるみのおつきあい。
デヴィ夫人は宝石は「女の勲章」と発言するほどの宝石好き。特にダイヤモンドとエメラルドは大好きです。そして池田氏は戦後、皇室の財産管理人として指名され、金塊、プラチナ・ダイヤモンドなどの財産の処遇を担当しています。二人は「宝石=財産」という価値を十分に知っていたのでしょう。
日本ではあまり馴染みのなかったこのキャッツアイを、当時の総理大臣が1千万円という値段を出して購入したのですから国民の間で大ブームが起こっても不思議ではないでしょう。同じ時期に大粒の宝石を身につけたデヴィ夫人の写真がマスコミで連日報道。日本中の女性の目が「宝石」に釘付けになったのも頷けますよね。
まとめ
キャッツアイは、「シャトヤンシー効果」というものがあり、この効果があるだけでまるで全く違う宝石に見える効果があります。キャッツアイは、希少価値が高い宝石です。もし、キャッツアイをお持ちならば、大切に取り扱ってくださいね。そして、キャッツアイが持つ効果を信じて、お守りとしても持つことをおすすめします。戦後の日本で初めて宝石ブームを巻き起こしたのは、このクリソベリルキャッツアイだったのかも知れません。キャッツアイは、19世紀末イギリスのヴィクトリア女王の3男、コノート公爵が婚約指輪に選んだことでも有名です。
また、主な産地であるスリランカでは、キャッツアイは「悪魔から身を守る」石として尊重されています。