「アレキサンドライト」の意味と歴史
ロシアで1830年に発見されたアレキサンドライトは、赤から緑に変色するという極めて珍しい性質を持つ石であったことから、すぐに皇室に献上されました。その日が皇太子の誕生日だったことから、彼の名前(アレキサンドル2世)にちなんで「アレキサンドライト」と名付けられました。一説によると、アレキサンドライトが発見されたのがアレキサンドル二世の誕生日である1830年4月23日だったともいいます。
また、アレキサンドライトはカラーチェンジによって緑と赤を発色することから、ロシア帝国の国旗をイメージするものとして称賛されました。1890年頃になると、ロシアのアレキサンドライトの採掘は枯渇してしまいます。1987年にはブラジルで発見され世界中で需要が急上昇しますが、こちらも現在は枯渇しています。
その後、南アフリカやスリランカ、ビルマ、アメリカ合衆国などで原石が見つかっています。スリランカの結晶はロシアやブラジルのものより大きいものが多く、美しい発色をするため豪華なネックレスに使用されています。アレキサンドライトは鉱物クリソベリルに属する宝石で、カラーチェンジするものをアレキサンドライト、キャッツアイ効果を見せるものをキャッツアイと呼んでいます。モース硬度が8.5と硬く、強いガラス光沢を見せる美しい宝石です。最初はエメラルド鉱山で見つかったことからエメラルドと間違えられましたが、変色効果や硬さの違いからエメラルドとは別の宝石であると区別されました。原石が最初に発見されたロシアでは、アレキサンドライトを用いた豪華なネックレスが製作されました。
ロシア皇帝御用達ジュエラーのカール・ファベルジェをはじめ、ティファニー社がヨーロッパの王族や米国の富豪などのために素晴らしいアレキサンドライトのネックレスを製作しています。
センセーショナルを巻き起こした「アレキサンドライト」
発見された正確な日付はさておき、新しい宝石「アレキサンドライト」はセンセーションを巻き起こしました。だれもがアレキサンドライトを欲しがったのです。ところが鉱山労働者はもちろん面白くありません。
アレキサンドライトのわずかな鉱脈を追ってペグマタイトを手で切り開いたり、露天掘りをしたり、小さなトンネルを掘ったりと、非常に原始的な方法で採掘しなくてはならなかったからです。長い冬のあいだ、刺すような寒さと目を開けていられないほどの吹雪の中で働くことを想像してみてください。そして、夏になっても決して楽ではありません。ブヨや蚊、アブの大群に襲われるに違いありません。
「アレキサンドライト」イメージ
アレキサンドライトの魅力は、なんといっても神秘的なカラーチェンジを見せることです。太陽光の下では青紫色を発色しますが、蛍光灯などの下では深い赤色へと全く違う色に変化します。産地や結晶によっては色合いやトーンがわずかに異なるため、淡いブルーや濃いブルーなど好みに合った色合いのアレキサンドライトを選ぶことも可能です。アレキサンドライトはモース硬度が8.5と高いため、耐久性にも優れています。ダイヤモンドやルビー・サファイアに続く高級な宝石とされるため、ラグジュアリー感の高いネックレスとして着用することができます。
アレキサンドライトは、発見当初から長い間ロシアでしか採掘されておらず、ロシア皇帝の宝石として高貴なイメージが抱かれてきました。現在も産出量が限られており、美しいカラーチェンジ効果を見せるものは少ないことから、希少価値の高い宝石として大切に扱われています。妖艶なブルーとカラーチェンジした後のワインレッドは、高級感あふれるネックレスとして女性のデコルテを美しく演出します。昼間の装いには洗練したクールな印象のブルー、夜の蛍光灯の下では華やかで情熱的なワインレッドと、ふたつの違った表情を楽しむことができます。
ネックレスは人目につきやすいジュエリーですので、カラーチェンジ効果のはっきりしたものほどネックレスの素晴らしさが際立ちます。アレキサンドライトは落ち着いた色合いをしているので、デイリー使いのネックレスとしても活躍します。パーティーなどの華やかな席で装う場合には、ダイヤモンドで取り囲んだ豪華なデザインを選ぶと良いでしょう。神秘的なアレキサンドライトのネックレスは、女性へのプレゼントとして高い人気があります。6月の誕生石に選定されているので、誕生日の贈り物としてもおすすめです。
「アレキサンドライト」原産国
・ロシア
・インド
・ブラジル
・マダガスカル
・タンザニア
・モザンビーク
市場から見た「アレキサンドライト」の評価基準
アレキサンドライトの査定・評価は、最大の特徴であるカラーチェンジ効果に大きく左右されます。特にグリーンからブルー、そしてレッド~パープルの2色をあわせもつ石は評価が高くなります。そして肉眼で見たときの石そのものの色の鮮やかさ、色変化を強調するカットのクオリティ、透明度の高さも大きなポイントです。とはいえ、明確なカラーストーンの評価基準は確立されておらず、したがって購入先によって全く価格が異なるのが現状です。さらに買取店での査定価格もお店によって全く異なってくることが予想されます。
管理方法については、アレキサンドライトはモース硬度8を備えており、また割れにくく衝撃に強い性質を持った宝石です。また多くの宝石がカラーや透明度を改善させるための加熱処理など人口処理が加えられることが一般的ですが、アレキサンドライトに限っては一切ありません。そのため熱や光、一般的な化学薬品に対して耐久性があり、日常的に使用するジュエリーに最適です。定期的にぬるま湯と中性洗剤で石の裏面をクリーニングするようにすることで輝きを保つことができます。
最後に
神秘的なカラーチェンジが魅力的なアレキサンドライトのネックレスは、シックな装いから華やかなドレスまで、どんなシーンでも美しい輝きを引き立ててくれます。アレキサンドライトはモース硬度が高く強い光沢を見せるため、長期の使用にも耐えるネックレスとして人気があります。「買取大吉」ではアレキサンドライトをはじめとするジュエリーの買取を強化しております。もしご不要のアレキサンドライトがある場合は是非一度無料査定にご来店ください。