宝石・ジュエリー 2022年10月12日

深い青色が魅力的なタンザナイト

#宝石

ブルーゾイサイトとも呼ばれるタンザナイトは、半透明の光沢を持つ石で、タンザニアのキリマンジャロ山に唯一の鉱床があります。その深い青色はサファイヤに勝るとも劣らずの美しさで、パワーストーンとしては自己実現と精神性のシンボル。希少性と人気から最も高価な宝石の 1 つです。

ブルーゾイサイト
ジュエリーとしての価値
パワーストーンとしてのタンザナイト
ヒーリングストーンとしてのタンザナイト
タンザナイトお手入れ方法
まとめ

ブルーゾイサイト

この石は1954年に発見されました。周囲のサバンナを荒廃させた山火事の後、ケニアとタンザニアを拠点とする半遊牧民族である、マサイ族が地面に青く輝く石を発見しました。後にブルーゾイサイトと呼ばれることになる、身元不明のこの青い石は、米国の世界的宝石研究機関であるGemological Institute of America（GIA）に送られました。一連のテストの後、その石は今まで知られていなかった新たな種類のゾイサイトであることが判明しました。

ゾイサイト自体は1805年に地質学者 Sigmund Zois（ジグムント・ゾイス）によって発見されており、すでに知られた存在でした。もともと茶色～黄褐色のゾイサイトは、500℃以上に加熱すると濃い青色に変わります。ブルーゾイサイトは、非常に特殊な組成と高いバナジウム含有量が特徴です。石が加熱されたときに色の変化を引き起こすのは、このバナジウムによるものです。山火事の灼熱により変色したことでこの石は奇跡的に発見されたと言えるでしょう。ブルーゾイサイトは唯一、キリマンジャロ山でのみ自然に見られます。火山活動が活発なこの地域は、周囲の岩石を高温にさらすため変色させる要因となっているのです。

ブルーゾイサイト発見から数年後、世界的なジュエラーであるティファニーが、この魅惑の青色に着目します。しかし、ゾイサイトzoisiteという言葉は英語のsuicide（自殺）に似ているため、いい印象ではありませんでした。そのためこの石の生まれ故郷であるタンザニアに因んで「タンザナイト」と名付けられます。

ジュエリーとしての価値

1968年にティファニーが大々的にタンザナイトを売り出して以来、ジュエリーシーンで大変人気があり、ファインジュエリーでの需要が非常に高いです。また、タンザナイトの唯一の鉱床は、25m²しかありません。今のペースのまま採掘を続けると、20年後には枯渇してしまうと言われています。ダイヤモンドと同様に、タンザナイトはインクルージョン（内包物）などの不純物が少ないほど、より高価になります。そしてその青の色味が強いほど価格が高くなります。

これまでに発見された中で最大のタンザナイト宝石は「キリマンジャロの女王」と呼ばれています。245カラットという大きさで、現在はAppleの初代CEOマイケル・スコットのプライベートコレクションの一部です。

パワーストーンとしてのタンザナイト

12月の誕生石であるタンザナイトは、パワーストーンとしても様々な性質を持っています。感情面や精神面で作用し、想像力、芸術性、記憶力を高め、ユーモアとコミュニケーション能力を刺激する素晴らしい石です。そのスピリチュアルな特性からシックスセンスにも働くと言われ、直感やインスピレーションを豊かにしてくれます。こういった効能から、学び、訓練し、成長したいというハングリー精神を育み、会話をより円滑にしてくれます。

こういった効能から、自己実現の石としても認識されています。それは私たちの長所を引き出し、内気な人や自信のない人に勇気を与えます。タンザナイトは、人の心と意識を高揚させ、平和のために働きかけると言われています。

タンザナイトのキャッツアイ（光の加減で猫の目のような光の筋を移すもの）は、暗中模索の中で灯台としての役割を担い、解決できない問題において突破口を開いてくれると言われています。ゆえにタンザナイトは困難な時期に心強い存在となってくれるでしょう。