金とプラチナの違い
まず、金とプラチナは何が違うのか見ていきます。
【金】
金(ゴールド)とは元素記号Au、原子番号79の金属です。Auはラテン語の「光るもの」aurumに、英名のゴールド(Gold)はサンスクリット語の「輝く」にちなんだと言われています。
金の特性はなんといってもその輝きです。また、金は最も薄く伸ばせる金属で、1グラムで約3000メートルもの長さの金糸や、さらに極薄にした金箔を加工することも可能です。このこともリングやネックレスなど多彩なデザインを形成するのに大変適していると言われています。
【プラチナ】
プラチナは白い色と輝きをもつ貴金属です。同じ白でも、シルバーと比べると重みのある、落ち着いた白い色が特徴です。プラチナは和名では「白金(はっきん)」と呼ばれます。プラチナはレアメタルと呼ばれる希少金属のひとつです。金と比べても採掘量が年間20分の1程度で、希少性の高い貴金属です。採掘されたプラチナの約3割が自動車の排ガスを浄化する触媒に使用され、宝飾品も3割程度。投資用はわずか数パーセント程度とされ、大半のプラチナが自動車産業か宝飾品に使われています。
プラチナの相場
「金の相場が高騰している」とテレビのニュースや新聞などで目にしたことがあると思います。今から20年前の2002年4月ごろの金相場は1,300円だったのに対し、2022年4月では8,700円と20年で約6倍以上の金額になっています。金の相場があがっていると明確に分かる金額になっています。
では、プラチナはどうでしょうか。プラチナを売却されるお客様から良く言われる言葉は、「昔は高かった」です。プラチナは希少性が高く、金と比べて採掘量が少ないです。そのため、昔は金よりも高かったそうです。プラチナは経済状況により相場が大きく変動します。金と同じく2002年4月の相場は2,400円でした。2022年4月相場だと4,300円と単純に比べると上がっているように感じます。しかし、プラチナの相場で一番高かった時は2008年です。当時は7,500円を超えており、現在の相場より2倍近く高いことが分かります。高い時に購入されている方からしたら、現在の相場では安いと感じるのも分かりますね。
プラチナの相場が大きく変動した時の世界的な状況を見ていきます。
オイルバブル
2004年から世界中の原油や石油などの資源においてバブルが発生しました。これは原油先物取引において大量に流れ込んだ投機が原因で起こったバブルです。アメリカ、中国の住宅や不動産バブルとこのオイルバブルが合わさり、さらにプラチナの高騰は加速します。この高騰は止まることなく上昇し続け、7,589円まで到達します。
世界経済危機
世界金融危機とは、2007年9月から顕在化したサブプライム住宅ローン危機を発端としたリーマン・ショックと、それに連なる一連の国際的な金融危機を指します。このことが引き金となり、世界的な経済衰退を迎えることになります。
自動車(ディーゼル車)向け需要の減少
金は需要の9割が宝飾品と投資用であるのに対し、プラチナは需要の約7割が工業用であり、なかでも自動車向けがその6割を占めています。具体的には、主にディーゼル車の排ガス触媒として使用されています。新型コロナ拡大に伴って、世界的に自動車の生産が大幅に落ち込んだことで、プラチナ需要も減少し、価格の急落に繋がったとされています。このことからプラチナは世界の経済状況により、大きく相場が変動することが分かります。
投資に向いているのは?
結論から言うと金の方が投資に向いていると言えます。現在では世界共通で「有事の安全資産」と言われ、現物資産である金は無価値にならないことから、テロや戦争、災害等、世界的なリスク回避局面で買われる傾向があります。
まとめ
金とプラチナの投資はどっちが良いのか見ていきました。リスクはあるかもしれませんが、タイミングさえ間違えなければプラチナで投資するのもおもしろいかもしれませんね。