正規品と並行輸入品の違い
正規品と並行輸入品の違いはどこなのでしょうか。どちらも品質は同じなのですが、入荷するときのルートに違いがあります。正規品は、日本の正規代理店がメーカーから商品を輸入して、国内の正規販売店で売られるもののことを示します。メーカー指定の正規代理店のみ関わっているので、ブランド品としての信頼性も高いといえます。一方、並行輸入品とは、海外で生産された商品を正規店以外の業者または個人が現地で購入し、国内に持ち込んで販売することです。
要するに、「海外からの輸入品+安い」が並行輸入品ということです。そして、メーカー希望小売価格の商品が“正規輸入品”です。つまり、海外から来る商品だからこそ、輸入ルートという要素が生まれ、そのルートに種類があるのです。そのルートの種類が正規輸入と並行輸入で、その輸入ルートにより価格やサービスなどの条件が変わります。ただし、もちろん製品としては同じものです。しかし、第三者が介入している為、場合によっては偽物が含まれることもあります。また、販売国の言語で記載された保証書や説明書が添付されるのも並行輸入品の特徴です。
正規品のメリットとデメリット
正規品のメリット、第一にそれは絶対的な安心感でしょう。正規のルートで本国のメーカーからお客様の元へと届けられます。まさに一本の道筋をたどるようにして消費者のもとにわたり一定の定価で販売されます。偽物などが紛れ込む心配もなく厳しい検品も通過している為、傷や不具合のある商品が混在する事が少ないです。ブランド独自のアフターサービスがあったり正規の証明書が名前入りで発行できます。全国各地に存在する正規店は、どの店舗でも価格・品質・サービスに差がないことを基本としています。どこの店舗で購入しても同じ条件で購入できるのは大きなメリットです。更には高級腕時計にとって重要なアフターメンテナンスもメーカーでの修理となるため、万が一の時でも安心です。様々な独自のサービスや保証を備え充実のアフターサービスも整っている事から見ても最も安心感があります。加えて商品知識の豊富なスタッフが揃っている点も見逃せないポイントです。
また、新作の情報や入荷が早い為、モデルによっては予約が可能なこともあります。デメリットは、価格が定価販売というところです。正規店での値引きはほぼありません。ブランドイメージや戦略にて価格を決めている為、値引きや価格交渉など出来ないことがほとんどになります。人気の高いモデルはお問い合わせが殺到しており、購入が難しいケースもあります。有名な例としてはロレックスのデイトナは需要が供給を大きく上回っており、正規店で手に入れるのは難しいのが現状です。長いと数年かかってしまうケースもあるそうです。
各ブランドは定期的に時計店のスタッフに向けた講習を開いており、正規販売店ではブランドについて豊富な知識量を備えたスタッフの接客を受けられます。また、日本時計輸入協会が定める「CWCウォッチコーディネーター」の認定を受けたスタッフを多く抱える販売店もあります。購入の際に適切なアドバイスや質問、相談に対応できるようになっています。
並行輸入品のメリットとデメリット
並行輸入品のメリットは、何と言っても定価よりも安く購入が出来るということです。大幅に安く購入ができることが多い為、購入者としては価格面でのメリットが非常に大きいです。日本未入荷の商品や限定物などの入荷が期待できる事も大きなポイントになります。また、正規店では定期的に商品の入れ替えを行っている為、新作が出たら旧作は一定期間の後に店頭からなくなってしまうことがほとんどです。しかし、並行輸入品は未使用の状態で残っていることも少なくありません。幅広い選択肢から時計を選ぶことが可能です。
現在ロレックスやパテックフィリップ、オーデマピゲといったブランドにおいては、スポーツモデルを中心に一部の時計が正規店で手に入りにづらい状態が続いています。しかし、並行店であればそれらの時計もプレミア価格とはなりますが、購入することが可能かもしれません。デメリットとしては、修理の際、正規品よりも高額になる場合があります。日本のメーカー修理の場合、正規品に比べて割高になる場合があります。そして、ブランドによっては並行品・海外購入品持ち込み修理を受けてくれない正規店もあるようなので確認が必要です。並行輸入品と差別化するために正規品よりも1年短い期間に保証期間を設定する店があったり、店独自の長期保証サービスを追加で提供している店もあったりするみたいです。
また、メーカーから直接商品を仕入れるわけではなく、第三者から仕入れるため、どこかの流通のタイミングでひっそりと偽物が混ざってしまう可能性がゼロとは言い切れません。ですので、信頼できる販売元で購入することが大切です。また、正規店とほとんど変わらない検品レベルを持つショップもあれば、検品などを行わず傷が多かったりする店舗もあるのが並行店選びの難しいところです。ですが、本当に良い時計を提供してくれる優良店を選べば、並行店はかなりお得な存在です。
安心して購入できる並行輸入店とは
まずは老舗など、並行輸入時計の取り扱い暦が長いお店が良いでしょう。海外の輸入元と相互的な信頼関係を築くのには長い時間がかかります。老舗の並行輸入店は信頼できる輸入元と太いパイプを世界中に持ってることが多いです。そのため、流通経路の信頼性はもちろん、ほかでは手に入りづらいような希少モデルを融通してもらえるなど、取扱い商品が充実しているというのもうれしいポイントです。
また、時計店にも実店舗とオンラインによる通信販売の両方を行っている企業もあれば、実店舗を持たず通信販売のみという企業もあります。ブランド腕時計といえば高額な買い物になるので、実店舗に行き実際に手に取ってみることができるというのは重要なことです。実店舗を持たずオンラインだけで販売しているお店も多くありますが、他の画像を無断使用してウェブサイトに掲載しているような悪質な企業も見受けられるため、注意が必要です。
並行輸入品ならではのレアモデルが手に入る?
並行輸入品では、日本にはまだ未入荷の限定モデルなどが買えることがあります。海外ブランドが日本に向いていないと判断した商品や、海外限定モデルなど、正規品として日本に卸されることはありませんが、個人や会社が海外でそのような商品を買い付けて日本に輸入し、並行輸入品として販売することがあります。並行輸入品であれば国内未発売の商品が売られていることも多くあります。正規では廃盤になってしまったものも並行輸入品ならば手に入れられるかもしれません。どうしても欲しいモデルがあったりする場合は、並行輸入品で探すのもいいかもしれません。
まとめ
正規品と並行輸入品は、海外のメーカーからどのような形で輸入されているのかの違いで商品は同じになります。海外の有名ブランドの日本代理店が正規で輸入を行い販売しているものが正規品で、海外の正規品を販売しているものを日本の業者やバイヤーなど買い付けて日本に輸入したものが並行輸入品です。そのため、どちらも間違いなくブランド時計です。並行輸入品には、さまざまなデメリットがありますが、それでも購入する人が一定数いるのは、価格の安さが大きな理由であると思います。同じ商品で、正規輸入品と並行輸入品のふたつを比較すると、並行輸入品のほうが約20%くらい低価格で購入できる場合があります。
正規店で買うか並行店で買うかは、自分が何を重視しているかによって変わります。正規店での信頼を重視するのか?価格を重視するのか?状態の良い品を安く買いたいなら、信頼できる並行店で中古品を買うのもオススメです。メーカー以外の修理業者も選べる為、メンテナンス費用も安く済みます。その並行輸入業者は、しっかりとした場所で買付けたのかという点がポイントになります。並行輸入品で上手に買い物をするとお得になることがありますが、安全かどうか判断して購入することが大切です。