ペリドットとは

ペリドット：８月の誕生石

色：緑から黄緑

属性：オリビン

硬度 ：6.50-7.00

屈折率： 1.65-1.70

比重： 3.28-3.48

ペリドットは、“イブニングエメラルド”の異名を持つオリーブグリーンの輝きが印象的な石です。地中深くのマントル付近や溶岩、隕石中などから発見されることもあり、とても神秘的な天然石として広く知られています。また、多くの場合小さな粒に砕けた状態で発見されるため、大きな結晶というのは非常に稀な存在となります。他の天然石と比べても一般に流通しているもののサイズは小さいのですが、輝きは他の石に引けを取らない美しさとなっているでしょう。8月の誕生石としても人気の高い天然石となっています。

ペリドットの色と産地

ペリドットの産地はおもにミャンマー、アメリカのアリゾナ州、ノルウェーです。色は、純粋な緑から黄色がかった緑、緑がかった黄色に渡ります。最高グレードの色は、黄色や茶色を帯びていない緑です。このような色は10ct以上の石に見られる傾向があります。低品質のペリドットは、茶色がかっています。純粋な緑色の石は珍しく、多くはどちらかといえば黄色がかった緑です。より質の高い石は強い色です。また産地のなかでもミャンマー・ノルウェーは、緑の色が濃く透明度が高いため宝石として高く取引されるペリドットを産出しています。しかし元々ペリドットはエジプトで多く産出され、クレオパトラに愛されるなどエジプト人と深い関係にありました。エジプト人はペリドットを「太陽の石」と呼び、厄災から身を守ってくれるものだと信じていたのです。

ペリドットの産地ごとの特徴

① ミャンマー産

モゴックの近くで産出されるペリドットは、ほかの地域と比較して色と輝きが良質と言われています。また、モゴックはルビーの産地としても知られています。透明度が高く、オリーブ系統の色味が強い美しいグリーンが多く採掘され、カットで仕上げれば、輝きが増してさらに魅力的なペリドットとなります。一粒で5ct以上のものは少ないペリドットですが、こちらでは10ctを超える大粒のものも産出されています。

② アリゾナ州

産出量の豊富さでも知られるアリゾナ産ですが、茶色や黒の色味が強いものが多いという特徴があります。しかし、中には良質のものも採掘されるので、一概に低品質であるとは言えません。また、5ct以下の小さな粒のものがまとまって採掘されるというのも特徴で、リングなどの手頃なアクセサリーに使われることが多いようです。

③ ノルウェー産

ノルウェー産はどちらかというとグリーンが濃いのが特徴です。色自体は淡めであっても全体的に色が均一で美しく澄んだ石が産出されます。良質と言われるミャンマー産のペリドットが見劣りしてしまうことがあるほどの高い透明度です。ミャンマー産と同じく大きめのものが採掘される場合が多いので、よく宝飾品として利用されています。

石言葉・8月の誕生石の種類

8月の誕生石ペリドットの石言葉には、希望、夫婦の愛、幸福、などがあります。また、人の心を平静にして色欲を抑えるパワーがあると言われます。そのため浮気のない一途な愛の象徴として、夫婦円満をもたらす力とされているそうです。幸せな家庭には欠かせない宝石、それがペリドットです。さらには嫉妬や恨みも跳ねのける、ポジティブな効果を持っているのが特徴的。「運命の絆」「平和」「安心」などの意味も込められています。

8月の誕生石には他に、サードニクスとも呼ばれるサードオニキス（紅縞瑪瑙）があります。信頼と友愛を築く宝石といわれおり、パートナーだけでなく親子の絆を強めることでも有名で、愛の象徴でもあります。また、思いやりの石とも呼ばれていて、心を穏やかな気持ちにして健康にも良い効果を与えてくれます。

ぺリドットの選び方

茶色味が少なくオリーブグリーンであればグレードの高い石となります。また、色だけではなく傷の有無でも価値は下がります。ペリドットの品質を見分けるためには、微妙な色味の違いなどをチェックする必要がありますので、自分で判断するのは少し難しいかもしれません。そんなときは経験豊富な専門の鑑定士に依頼すると良いでしょう。しかしこれも個人の好みの問題で、宝石を選ぶ際に最も大事なのは、自分が好きな色を選ぶということです。ペリドットは産出量が多く、他の宝石に比べて手頃な価格で手に入るのも魅力の一つです。大粒のものを選んでみてはいかがでしょうか。

ジュエリーとしてのペリドット

実は、19世紀以降にペリドットの人気は次第に低下していきました。ペリドットは古代から愛用されていましたが、そのほかの多くの宝石が出回るようになったからだと言われています。しかし、近ごろはその美しさが見直され再び人気を博しています。心が癒されるオリーブグリーンの輝きは自然とポジティブな気持ちにしてくれ、ペリドットをジュエリーとして身に着けると勇気と希望が湧いてくるようです。また朗らかな気持ちで人と接することができるため、良好な人間関係をサポートします。誕生石としてはもちろん、気持ちを穏やかにしたりパワーを貰うためにペリドットを普段から身に付けたい方には、指輪やネックレス、ピアスなどがオススメです！

パワーストーンとしてブレスレットでもよく使われますが、もっと気軽に身に付けたい場合は、ペンダントがリーズナブルで人気があります。ペリドットの明るいグリーンはカジュアルスタイルにもマッチングするので、さりげなくおしゃれを楽しむことができますよ。

ペリドットのお手入れと保管方法

ペリドットの美しさを保つためには適切なお手入れと保管方法の知識が必要です。モース硬度が6.5～7であるペリドットは多くの宝石よりも柔らかく、雑に扱うことができません。また、特定の酸によってダメージを受け、酸性の発汗に長期間晒されるだけでも損傷を受けることがあります。そのためクリーニングは慎重に行ってください。熱衝撃にも弱いので、スチームクリーナーや超音波クリーナーは決して使用しないでください。温水で低刺激の石鹸と柔らかいブラシを使うのが最も安全な方法です。ペリドットよりも硬度が高い宝石によって傷付くことがあるため、十分に注意を払って保管してください。

まとめ

イブニングエメラルド”の異名を持つペリドット。オリーブグリーンで美しく輝く宝石です。産地のなかでもミャンマー・ノルウェーは、緑の色が濃く透明度が高いため宝石として高く取引されるペリドットを産出しています。19世紀以降にペリドットの人気は次第に低下していきましたが、近ごろはその美しさが見直され再び人気を博しています。他の宝石に比べ手頃に手に入るのも魅力の一つ。

夫婦円満をもたらす力、嫉妬や恨みも跳ねのける、ポジティブな効果を持っているのも特徴的です。その為ジュエリーとして身に着けると勇気と希望が湧いてくるようです。また朗らかな気持ちで人と接することができるため、良好な人間関係をサポートします。しかし多くの宝石よりも柔らかく、熱や衝撃・酸性の発汗に長期間晒されることで損傷を受けますので使用および手入れ・保管には十分注意を払う必要があります。