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アントワープはダイヤモンド研磨の聖地

アントワープはダイヤモンド研磨の聖地

宝石と言われて、一番に思い浮かべるのはダイヤモンドではないでしょうか?様々な種類がある中でなぜダイヤモンドが一番認知されているかは、やはり結婚指輪が理由と思われます。美しい研磨で光り輝くダイヤモンド。実はダイヤモンドの輝きは研磨に寄るところが大部分です。そしてダイヤモンドの研磨について語ると欠かせないのはアントワープです。欠かせないと言われているのにアントワープとは?となる方も多いでしょう。今回はそのアントワープについてです。

そもそもダイヤモンドって?

ダイヤモンドは地球上で最も硬いと言われています。その硬さから「固い絆を結ぶ」という意味が込められています。そしてダイヤモンドの宝石言葉は「純潔・清浄無垢・純愛・永遠の絆」です。これらの由縁があって婚約指輪や結婚指輪にダイヤモンドが用いられています。そしてダイヤモンドは永遠に美しく輝いていることから「輝くような美と金運に恵まれ、愛に満ちた家庭を築ける」とも言われています。

そんな身近なダイヤモンドですが、実はあの美しい輝きは4Cの一つ「Cat=カット」つまり研磨によるものなのです。もちろん4Cの他の「Color=カラー」、「Clarity=クラリティ」、「Carat=カラット」の内カラーとクラリティも輝きに関わってきますが、大部分はカットによって左右されます。ではそのカットがなぜ輝きに影響するのか?それは人の視覚にも関わってきます。

ダイヤモンドの輝きは光の反射によるもの

ダイヤモンドに関わらず他の宝石もそうですが、光り輝く美しさは宝石が自ら光っている訳ではありません。ではなぜあんなに美しく輝くのか?それは光を反射させ輝いているように見えているのです。人は何か物を見る時、瞳孔から目に入った光が虹彩で調節され、ピントを調節する水晶体で屈折、透明なゲル状の硝子体を通過して、網膜の黄斑に焦点を結びます。

そして、その光が視神経を通じて信号として脳に伝達され、像として認識されます。簡単に言うと目に入る光が多ければ明るく見えて、光が少なければ暗く見えるのです。ではダイヤモンドでそのことを当てはめると、光がダイヤモンドを反射して人の目に入ってくる時に、そのダイヤモンドを見ている目に光が反射が多ければ明るく、輝くように見えます。

逆に反射が少なければ輝きは少なく見えますね。この反射に関わってくるのが4Cなのです。そして4Cの内1つだけ人工的な部分があります。それが「Cat=カット」つまり研磨なのです。他の3つは自然が作り上げてきた部分によるもので、色が透明ではなく黄色味を帯びていても、透明度が低くても、小さいものでも人の力で輝かせることが出来るのです。なのでダイヤモンドの輝きには研磨が重要です。そしてその研磨に大きく関わってくるのがアントワープなのです。

アントワープとはベルギーの都市で研磨の聖地

アントワープはベルギー北部フランダース地方最大の都市です。なぜベルギーの都市がダイヤモンド研磨の聖地と呼ばれているのか?それは、1400年代のヨーロッパの歴史に関係してきます。当時のヨーロッパはフランスとイギリスの百年戦争の時代。大国同士が争って紛争が絶えないころ周辺諸国も当然覇権争いに巻き込まれたり自ら戦火に飛び込んだりと様々な動きがあったようです。アントワープを含む現在のベルギー一帯を支配していたのはブルゴーニュ公国でした。

経済的に成功して大きな力を持ったアントワープは、毛織物や香辛料等様々な交易品を周辺の商人が商いを行い賑わいを見せていました。その中に当時権力の象徴とされていたダイヤモンドもありました。当時は今と違いダイヤモンドを研磨したり切断する技術はありませんでした。しかし13世紀、14世紀頃にはダイヤモンドの研磨技術はどんどん進化していくのです。そして15世紀にベルギーの職人ベルケムが「ダイヤモンドをダイヤモンドで磨く」という研磨技術を考案したのです。それ以降ベルギーの職人の間では、ダイヤモンドの研磨方法が秘伝の技として受け継がれていきます。そういった経緯で今でもベルギーのアントワープはダイヤモンド研磨の聖地と呼ばれています。

アントワープついてはベルギーのダイヤモンドは高品質

現在、アントワープには世界中からダイヤモンドの原石が集まってくるのです。そのダイヤモンドの原石の量は、世界中のダイヤモンドの85%にものぼるといわれています。アントワープのダイヤモンド取引市場は「ダイヤモンド街」と呼ばれ、この界隈には多くの宝石店やダイヤモンド関連会社のほか、ダイヤモンドの博物館などもあり、多くの人で賑わっています。世界各国から集まった良質なダイヤモンドの原石を職人の高い技術で磨くことによって、ベルギーのダイヤモンドは「宝石の王様」と称されるほどの高品質。ベルギーダイヤモンドはこのような歴史を経て、世界中から愛される至高の宝石となったのです。

まとめ

いかがでしょうか。ダイヤモンドの研磨の重要性、そして研磨に大きく関わってきたベルギーのアントワープについてお話ししました。昨今はなかなか海外に赴く事は難しいですが、ベルギーに行く際はぜひその目でアントワープの街にあるダイヤモンドをご覧ください。素敵な輝きに出会えることでしょう。

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