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ファッションブランド、レディメイド(READYMADE)とは?

ファッションブランド、レディメイド(READYMADE)とは?

「レディメイド(READYMADE)」は日本を越え、世界で注目されるファッションブランドです。デザイナーの細川雄太氏はアメリカの気鋭セレクトショップに見出され、有名ブランドとのコラボレーションも多く実現するなど、世界から熱い視線で注目されています。また、ファッションにとどまらず、アートにおける表現にも進出し、ますます目が離せない存在となっています。

ブランド「レディメイド」のデザイナー

レディメイド(READYMADE)のデザイナー細川雄太氏は、大阪モード学院でファッションを学びます。在学中に同級生3人と「s'exprimer(セクスプリメ)」というブランドを立ち上げます。細川氏はセクスプリメの活動に平行して、個人的に古着を分解して別のアイテムを再構築するという創作をしていました。

そうした彼の再構築の手法は、アップサイクルと呼ばれ、2013年にアップサイクルブランド「READYMADE(レディメイド)」として個人のブランドをスタートします。ブランドが動き出すきっかけは、セレクトショップ「MAXFIELD(マックスフィールド)」でレディメイドのバッグの取り扱いが決まったことです。

アメリカでの人気

MAXFIELDは、細川氏が個人的に好きなロサンゼルスのセレクトショップで、「MAXFIELDに認めてもらえなければブランドを諦めよう」という強い意気込みでそのお店の扉を叩いたと言います。

このときに細川氏がデザインしたバッグは軍物の古着を再構築したもので、MAXFIELDの後押しもありじわじわと人気となり、ニューヨークのHirshleifers(ハーシュライファーズ)というショップでも取り扱われるようになりました。このお店のインスタグラムがきっかけとなり、オフホワイトのデザイナーでルイ・ヴィトンのアースティック・ディレクターとしても知られるヴァージル・アブローが注目し、2014年オフホワイトとのコラボレーションを行います。

こうしてどんどん注目度があがり、スーパーモデルのベラ・ハディッドやラッパーJay-Zなどのセレブリティが使用し、人気を広めていきます。セレブリティとのレディメイドの関係で特に象徴的なのが、ヒップホップアーティストTravis Scott(トラヴィス・スコット)とのコラボレーションです。

トラヴィスはレディメイドのアイテムを特別意識することもなく愛用しており、「盗難に遭い失ってしまったアイテムを作ってほしい」という連絡が細川氏のもとに来たことによって二人は出会います。この出会いはトラヴィス・スコットとレディメイドのコラボレーションに発展し、3PACK T-SHIRTSというその名の通り三枚組のTシャツが販売されました。

こうした良き連鎖が広がっていく中、Poggyこと小木基史に出会い、ラスベガスで同氏がキュレーションを手掛けるPOGGY'S WORLDに参加します。POGGY'S WORLDでは、モッズコートを発表するも数秒で完売してしまうという伝説が生まれました。Poggy氏は日本の有名セレクトショップ「ユナイテッドアローズ」のカリスマスタッフで、日本の人々がレディメイドを知る火付け役になったとも言えます。

憧れのクロムハーツとのコラボレーション

また、Poggy氏と親交のあるロマ・コーエンがレディメイドに目を留めます。ロマ氏はマイアミにあるセレクトショップ「ALCHEMIST(アルケミスト)」のディレクターです。あるときロマ氏が持っていたレディメイドのアイテムを、クロムハーツのデザイナーであるリチャード・スタークと彼の娘に見せると、彼らはとても魅了されます。

そうして、2015年、マイアミで行われる世界的アートフェアである「アートバーゼル」での、レディメイドとクロムハーツとのコラボレーションが実現します。クロムハーツは細川氏の思い入れのあるブランドであり、自分の作品を最初に持ち込んだMAXFIELDを知るきっかけの一つはクロムハーツだったそうです。さらにこの時はヴァージル・アヴローも加わり、超豪華トリプルコラボのバッグが製作されました。

©SAINT M××××××(セントマイケル)

2020年、細川氏はカリ・ソーンヒル・デウィットと共同で、新たなブランド「©SAINT M××××××(セントマイケル)」を立ち上げます。カリ・デウィットはLAで活躍するビジュアルアーティストで、細川氏の得意とするミリタリー要素を”アップサイクル”したデザインと、カリ・デウィットのグラフィカルなデザインが融合したスタイルが特徴です。ヴィンテージ感を醸しつつも丁寧な造りと経年劣化しにくいアプローチを行い、ヴィンテージ感とリュクスを見事にミックスしています。

アートシーンでも

2021年にはアートの世界でも大きな注目を浴びます。細川氏は、世界的なアーティスト村上隆のカイカイキキギャラリーにて初個展「-YES-」を開催しました。この展示では、細川氏のプロダクトに使用されているグラフィックを中心に、服のデザインではなく、アート作品としてのグラフィック作品や、3Dデータによる立体作品を展示します。

この展示にあたり細川氏は「一見パロディに見える作品でも、先入観を持たずにポジティブな視点で見てほしい。ポジティブな視点で見ることで見え方が変わるかもしれない」と語りました。村上氏も「細川さんの展覧会をとても誇りに思い、なるべく多くの皆様にお届けしたいと思います。我々のアトリエで制作された作品は、アート作品としての細部へのこだわりに満ちており、細川氏のチャレンジ精神をアート作品として非常に高い完成度でお届けできることを大変うれしく思います。」と評価しました。注目度の高いこのギャラリーでの展示は、ファッショニスタもアートラヴァーも楽しめる内容となりました。

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