時計の種類とそれぞれの寿命

高級なハイブランドの腕時計を購入する際は、「どれくらいの期間、使い続けることが出来るのだろうか？」等、悩むこともあるかと思います。実際非常に重要なことだと思います。購入価格に見合う、優越感や、機能性、デザイン性はもちろんのこと、やはり一番気にかかるのは「寿命」ではないでしょうか？価値に見合う経済性を兼ね備えているのか？高級時計は購入の際、なかなかの決心が必要な価格帯の物が数多く存在します。ですので、この記事にて少しでも腕時計に詳しくなっていただき、購入や売却の際の一助になればと思います。

●電池式：クォーツ腕時計：寿命約10年

クォーツ時計は、ケース内部に電池と電子回路を組み合わせ、時計を稼働させているという仕組身となっております。定期的な電池交換が必要となりますが、その都度メンテンナンス等も可能な為、日常使いとしての利便性は高く、数多くのハイブランドも取り入れております。しかしながら「寿命」という点で考えると、決して長く使えるという種類の時計ではありません。長くとも10年程度で寿命を迎えると言われております。

これは、クォーツ時計を稼働させる為の電子回路の部品が、最長でも約10年で寿命を迎えてしまうと言われており、そうなってしまうと電池交換をしても再び稼働することはありません。

上記のようなことを、参考にすると「一生もの」の腕時計を購入するときには、クォーツ時計は候補から外れてしまうと考えてしまうでしょう。ですが、各社ハイブランド、ロレックス・、オメガ、タグ・ホイヤー、ブライトリング、グランドセイコー等の名だたるメーカーのクォーツ時計、特にロレックスの「オイスタークォーツ」は電池交換さえしっかりと行えば、何十年と使え、一生ものと呼ぶにふさわしい働きを見せてくれます。

また、自動巻きや手巻き時計が定期的に行なうオーバーホールもクォーツ時計にも行なうことはもちろん可能です。オーバーホールを行なう事により、寿命を飛躍的に伸ばすことが可能となります。新品の時計を買い直すよりもコスト面でも優れ、思い入れのある腕時計を永くご愛用して頂くことが出来るでしょう。また、日頃より、着用し外すときに皮脂や水気を切れに拭き上げたり、時計の最大の天敵でもある、磁気には近づけないように意識する。

このように専門的な知識がなくても、まずは誰でも気を付けていればできる事から始め、少しでも長くお気に入りの腕時計をご愛用頂ける様に、簡易的なメンテナンスを行ってみてはいかがでしょうか？

そうすることにより、メーカー発表の耐用年数よりも長く稼働してくれることも十分に考えられるでしょう。別の角度から考えると、購入時の価格は各社とも機械式腕時計に比べ、クォーツ腕時計は購入価格を抑えることが出来ます。腕時計を定期的に変えて楽しみたいと言う方には、購入し売却しを繰り返す方もいる事でしょう。そういった場合は、やはりハイブランドのクォーツ時計は中古流通価格も高値が付くことも多くあるので、コストパフォーマンスと言う面で見ても優れている種類の腕時計と言えるかもしれません。

●永く愛用が可能な、機械式腕時計

クォーツ腕時計よりも、歴史のある機械式腕時計（自動巻き・手巻き）

こちらの種類は、時計内部にあるゼンマイを巻きあげ、時計内部の動力を確保し時計本体を稼働させるという仕組みを持っています。各種様々なパーツが数多く組み込まれておりますが、オーバーホールを定期的に行なえば寿命を格段に伸ばす事は可能です。

クォーツ時計と比べれば、格段に寿命は長いのですが、やはり寿命は有ります。製造されてから、50年ほど過ぎれば、いくら定期的にオーバーホールを行なっていたとしても、内部のパーツ一つ一つの消耗が進み交換が必要なパーツの数も多くなり、やがて交換が難しいと言われる時計の基盤ともいえる部分が摩耗により故障し、そこで寿命を迎えてしまうでしょう。

●太陽光（ソーラー）の力で稼働する、ソーラー腕時計

こちらの種類の腕時計は太陽光を蓄え、バッテリーを充填し稼働させるという仕組みです。よく昔、出始めの頃巷で言われていたのは「太陽光があれば半永久的に稼働します」という触れ込み、これもやはり、現実的な触れ込みではありません。バッテリーで稼働するのは間違いないのですが、バッテリーで稼働させるのはクォーツ時計同様、電子回路となります。

その寿命そのものがやはり10年程度となりますので、ソーラー腕時計の寿命も10年程度となります。電池交換などをせずとも稼働するというメリットはあるかと思います。搭載モデルは今では多く存在しますが、G-SHOCK等のタフソーラーは非常に有名なモデルで、今でも人気の高い腕時計とも言えるでしょう。

重要なのはメンテナンス

大切な思い入れのある腕時計や、決死の思いで購入した高級腕時計を少しでも、長くご愛用したいという気持ちは誰にでも少なからずはあるはずです。上記で述べた、各種類の腕時計の寿命はあくまで目安となっております。

ここで重要なのは、やはり定期的なしっかりとした正確なメンテナンスなのです。腕時計の中でも寿命の長い、機械式腕時計もメンテナンスを怠りますと、10年程度で動かなくなってしまうと言う事も実際に起こりうることと認識して頂きたいのです。

それはなぜか？機械式腕時計と言うのは、クォーツ時計などと比べ、内部の造りが非常に精巧なもので、数多くのパーツが組み合わさってその一つ一つが時計を稼働させるための重要な役割を担っています。

定期的なオーバーホールを怠ることにより、これらのパーツを稼働させるために必要な潤滑油が枯渇し、パーツの摩耗・消耗が進み、さらにそのまま放っておくと完全に動かなくなってしまうということになります。故障パーツの交換程度で済むうちはまだ、リカバリーは可能ですが、動かなくなってからではもう遅いのです。

先にも述べましたように、寿命を延ばすために必要なことは

・ご自身でも行なえる簡易メンテナンスをマメに行なう。

・数年に一度は、プロの技師の方にチェックしてもらい、オーバーホールを実施する。

上記の内容は、機械式時計にはもちろん、クォーツ時計やソーラー時計にももちろん当てはまります。億劫がらずに、ご自身の大切な腕時計を1年でも長く使用できるように、今日からでも、メンテナンスを意識してみてはいかがでしょうか？

アンティーク時計入手時の注意点

ここまで、時計の寿命について様々なことに触れてきました。各種腕時計の目安的な耐用年数や、寿命を延ばすために必要なメンテナンス・オーバーホールなどを行なう事の重要さが十分に認識して頂けたと思います。

そこで更に視点を変えてみましょう。腕時計の購入時には、ハイブランドの過去モデルをどうしても手に入れたい、他の人とはかぶりたくないという理由で、アンティークと言われる種類の腕時計の購入を検討する事もあるかと思います。

そこで意識して頂きたのが、その腕時計の残りの寿命という点になるかと思います。その腕時計と何年一緒に過ごしていきたいのか？そういったことも考えながら購入を検討しなければならないでしょう。

例を挙げますと、ロレックスは純正部品を各モデル、発売から30年の間はストックしているそうです。ですので、アンティークロレックスも30年以内のもであれば、純正のパーツを使用したしっかりとしたメンテナンスや修理が可能ですので、必然的にアンティークとは言えども、寿命は格段に延びる事でしょう。

逆に言いますと、それ以上前のモデルになりますと、各メーカーでも修理対応すら難しくなってきます。自然と寿命を迎えるまで自分で行える簡単なメンテナンスや、オーバーホールなどで延命していくしか手段はないでしょう。

アンティーク腕時計を購入する際は

・製造年はいつ頃なのか？

・今までのメンテナンス履歴は？

このことに注意しながら購入を検討すると良いでしょう。

一生付き合える代表的なハイブランド時計

ここで、一生付き合える腕時計を購入したいと思った時、候補に挙がるメーカーをいくつか挙げてみましょう。

・ロレックス

・オメガ

・セイコー（グランドセイコー）

これらブランドの魅力とはどういったものなのでしょうか。

●価格

一生付き合える腕時計というものは、価格に見合う緻密な技術と丁寧な造りこみが施されています。価格にはちゃんと理由があるのです。しかしながら、上記3社のメーカーにも比較的、手に入れやすい価格帯の腕時計もラインナップされておりますので、高級腕時計入門の購入を考えている方はまずは一考してみてはいかがでしょうか？

●修理

ここまで何度も述べてきた、メンテナンスの大切さですが、定期的なメンテナンスを行っていても形のあるものは必ず壊れてしまうときは来ます。そんな時に上記メーカーは正規サポートがあるので、プロの技師の方に対応してもらえます。すごく大きな魅力ではないでしょうか？製造元がしっかりとした修理対応やメンテナンスを行ってくれる。これ以上ないメリットかと思いますが、その反面、費用もなかなか高額になることもありますので、コスト的なお話をすると、時計修理専門店なども視野に入れてもいいでしょう。

●ステータス

ここで紹介したメーカーは、恐らくですが、誰でも聞いたことがあるブランドではないでしょうか？時計が好きでも、興味がなくても誰もが一度は耳にしたことがあるメーカかと思います。そんな知名度の高いブランドを身に着けている優越感や、それを所有しているステータス。ご自身のイメージアップには効果絶大なメーカーかと思います。

まとめ

高級腕時計にも、必ず寿命はあります。それから逃れるすべは、残念ですがありません。ですので、ここで何度も述べましたように、定期的なメンテナンスやご自身での簡易的なお手入れが何よりも大切になっていきます。せっかく購入した腕時計と永く一緒に共に刻む時間を1秒1分でも長く続くように、しっかりとメンテナンスをしましょう。

また、定期的なメンテナンスやお手入れを欠かさないことによるメリットはもう一つあります。新たな腕時計を購入する際、今持っている時計を売却する際、しっかりとメンテナンスを行っていることにより、通常よりも高額で買取が実現する可能性も高まります。メンテナンスは。寿命が延びる、売却時高額査定になりやすい。まさしく一石二鳥と言えるでしょう。

以上のことを念頭に入れて、一生物の腕時計と上手にお付き合いして頂けたらなと思います。