ブランドタグとは
ブランドタグは、洋服では主に襟元部分に、ボトムスではウエスト部分に縫い付けられたブランドネームが記載されたものを指します。ブランドによってはある種のステータス性のあるタグも存在し、もはや当たり前の存在です。そして現代における一般的な意味は、経済産業省の企業法制研究会による概念によると、『ブランドとは自社の商品等(商品、製品、サービス)を識別化し、他社の商品等と差別化することを目的としたネーム、ロゴ、マーク、シンボル、パッケージ・デザイン、色彩等を組み合わせた標章である』と考えられています。
私たち生活者の共通認識としてこれらの「ブランド」をその「商標、銘柄」を通じ商品に対して価値観や期待感をもっています。そして自分の価値観に基づいて価値を判断し、対価を払い、経験します。その経験を通じ、特定の商品を購入する意思決定が働くのではないでしょうか。ブランドの価値を高めようとする活動には商品のブランド化を通じ、実は目に見えない重要な資産であるという役割を担っています。そのブランドの価値をわかりやすくステータスとして表せるものとしてブランドタグがついているのですね。
◆ブランドタグがあることによって
ブランドタグがあると顧客様からの愛顧感が高まります。ブランドの自信や信頼を獲得し、継続した顧客様関係を維持できるようになります。
◆ブランドタグは取るのは厳禁です
洋服の襟や、裾にかけてあるブランドのタグなどは、その物自体を証明するのに大切なものなので、コートなどで邪魔なときなどもありますが、そのものの証明などもできなくなってしまいます。そのため、外したり捨てたりしてはいけません。
◆タグがないとご売却頂けないケースも
タグがないと物が分からないレザーなどをお使いしているものは、売却することができないケースがあります。特に動物の毛皮などがその例にあたります。動物の毛皮には動物愛護法や、ワシントン条約で狩猟が制限や禁止されているものが多数あります。ブランドの証明ができないと、それが正規なものなのか密漁などによる違法な品なのかがわからず、それらの法に反してしまう可能性があるので、売却を断られてしまうんですね。
ブランドタグではないタグがついている?
洋服には上述したようなブランドタグ以外にもすべての商品についているタグがあります。それは品質表示タグです。ここからはブランドタグと間違えやすい品質表示タグについて解説していきます。
◆品質表示タグ(洗濯ネーム)の決まり事
衣類の裏地等についている表示は、「品質表示」といって一般消費者を保護することを目的として家庭用品品質表示法で義務付けられています。たとえハンドメイドの一点ものであっても、不特定多数の一般消費者に対して販売する行為を行う場合、表示の対象となります。繊維製品に対する品質表示は、衣類を洗濯したりアイロンを掛けたりする時の、取扱い方や注意を促します。素材の品質も同時に表示するのが一般的です。記号のようなものが「洗濯取扱い絵表示」といわれるもので、それを補足したり、着用や保管及びクリーニング店に対する情報を伝えたい時に文章(付記文字)で表示します。繊維製品に対する品質表示は、下げ札でも縫い付けラベル(取扱い絵表示は本体への直接記載か縫い付けラベルに限ります。)でも良く、特にその形態を定めていませんが、見やすい箇所に分かりやすく表示することに決められています。
◆洗濯ネームの表示項目
洋服の場合は、基本的に次の4項目が必要です。 サイズ、原産国の表示は法律では定められておりません。
① 繊維の組成
繊維の名称を示す用語は、規定に定められた用語(指定用語)を使って表示することになっています。【コットン50%・ポリエステル30%・セルロース繊維20%】というように混用率の大きいものから順次繊維の名称を表示します。
② 洗濯絵表示
洗濯絵表示(洗濯表示)は日本工業規格の繊維製品の取扱いに関する表示記号で規定され、洗濯絵表示(洗濯表示)により製品による洗い方や干し方、アイロンのあて方などの適切な取り扱い方法を記入します。
1.洗い方(水洗い)
2.塩素漂白の可否
3.アイロンの掛け方
4.ドライクリーニング
5.絞り方(任意)
6.干し方(任意)
ただし、絞り方と干し方は省略しても良いことになっています。絵表示の組合わせ順序は、上記の番号順に左から右に並べます。
③ 付記用語
付記用語を表示することは義務づけられていませんが、洗濯絵表示で伝え切れない情報を伝えるための情報伝達手段となります。警告文章、取り扱いに注意してもらいたい内容の文章などを表示すると安心です。
④ 表示者名及び連絡先
「表示者の氏名又は名称」は、正式名称を用いて表示します。正式名称とは法人にあっては法人登記された名称を指します。誰が表示を行う者かは、その販売に係る商品の製造又は加工につき責任を有する者がこれに当たります。個人の場合は個人の氏名を入れます。
連絡先としては「住所又は電話番号」となっていますが、住所と電話番号の両方を表示してもよいです。ただし、住所は都道府県名から、電話番号は市外局番から表示して下さい。(電話番号はフリーダイヤルも認められておりますが、FAX、PHS、携帯電話は認められておりません)
◆原産国について
家庭用品について原産国を表示することは義務付けられておりませんので特に表示しなくても良いです。詳しくは消費者庁の「家庭用品品質表示法」のサイトをご覧下さい。
http://www.caa.go.jp/hinpyo/
まとめ
洋服についているタグにはこのようにそれぞれにしっかりと意味があります。このコラムを読んだことで少しでも納得していただき、タグも大事にしていただけたら幸いです。