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ラム革(ラムレザー)の特徴を知る
ラムレザーとは、その名の通り羊の皮を使用した素材の事です。羊の皮は牛や豚、ヘビなどと比較しても脂肪の穴が多くあり、鞣(なめ)してもその穴が多く残っており、空気が入るスペースが多くなり断熱効果が高いとされている革になります。ですので、使用されるケースとして手袋やコートなどの防寒具に多く利用されてきた歴史があります。
また、独特の柔らかさがあり、生後1年以内の子羊の皮を使ったものは「ラムスキン」と呼び、きめが細かくて肌触り良いので人気があるため、CHANELの製品によく使われています。品質は最高ですが、牛革などと比べるとダメージに弱く、しっかりとした管理をしなければ傷みがダイレクトに反映され、シミや擦り傷などの影響を受け易い素材です。
素材として価値は非常に高く、最も高価な素材の部類に入ります。ちなみに、生後1年以上の羊の革は「シープスキン」、寒冷地で育った羊の革は「ウールシープ」、温暖な地域で育った羊の革は「ヘアシープ」という名前が付いています。
ラムレザーの良いところ
圧倒的に他の革を使った製品より「軽い」です。そして断熱性に優れています。つるっとしたマットな質感であり、非常に柔らかくて肌に吸い付くような手触りが特徴とされており、牛側にはない独特のヌメ感(生地が薄くて滑らかで光沢のある事)があるため、Chanelの定番素材になっています。ラムレザーで作ったジャケットは、牛革製ジャケットと比べると軽くて柔らかいですし、伸縮性も備えているので、気軽にサッと羽織る感じで着ることが出来ます。もちろん見た目に高級感がありますので、大人の雰囲気を損ねることなくオシャレなアイテムとなるでしょう。
製品にもよりますが、新品の時は若干のにおいが気になる方も一部でいらっしゃいますので、そのように感じる方は風通しの良い場所で陰干しをしてください。決して直射日光には当てないように気を付けてください。日焼けして革自体が傷んでしまいますので、ご注意ください。
ラムレザーの悪いところ
良いところでもご紹介しましたが、それが逆に悪いところでもあります。革の表面が柔らかいため、すぐに傷がついてしまいますし、ちゃんとお手入れをしないとすぐに劣化してしまいます。また、雨にも弱いため、染色した色が落ちてしまうことやカビが生えてしまうリスクがあります。乾ききった状態の製品を爪で引っ掻きでもしたら、すぐに爪痕が残ってしまいますし、何かに擦らすなどした場合はスレがすぐに付いてしまいます。
また、柔らかいことは良い事ですが、型崩れしやすい特性があるため、雑に保管してはいけません。外出の際に突然の雨などで濡れてしまった場合、そのままにしておきますと、ラムレザーの劣化に繋がりますので、ラムレザーを使った物を使用する際は、かならずハンカチやタオルを持って出掛けられることをお勧めします。
ラムレザーの耐久性
ラムレザーの寿命は5年から15年以上とも言われていますが、定期的に汚れを落としてあげて、保湿してあげないと本当に5年以内に劣化していまいます。耐久性に拘る方は牛革がおすすめですが、柔らかい手触りを好むなら断然ラムレザーがおすすめです。
ラムレザーのお手入れ「シワ編」
ラムレザーは柔らかいのが特徴のため、すぐに「シワ」が付いてしまうことがよくあります。シーズンが来たからヨシっと思って押し入れやタンスから出したところ、しわしわになったジャケットやバッグが出てきたらどうでしょう?使うのを躊躇うかも知れませんよね。そんな時は、「アイロン」を使ってシワを伸ばしましょう。アイロンなんて使って大丈夫?って思われる方も入らっしゃると思いますが、全然大丈夫です。
アイロンの当て方は至って簡単ですが、絶対に間違えないでください。まず、シワの上に当て布を必ず置き、低温設定で押すようにアイロンします。「低温設定」と「押すように」することが重要です。高温ですと、アイロンの熱で革自体が焼ける可能性がありますし、革が伸びてしまうことに繋がります。
シワを伸ばしながらアイロンを当てるのも厳禁です。ラムレザーは革が薄くや柔らかいので、伸ばしながらアイロンを当てるとすぐに伸び伸びになってしまいます。また、スチームアイロンも革が伸びてしまうので、絶対にスチーム機能は切って当てて下さい。保管方法次第ではありますが、ある程度「シワ」を付けないことも出来ます。ジャケットならなるべく厚手のハンガーにかけて保管することをお勧めします。その際は、ハンガーにかかったジャケットなどがくっつかないように注意して保管してください。
ラムレザーのお手入れ「湿気編」
適度な水分が必要なラムレザーですが、許容範囲が狭いのが厄介です。効果的な対策としては、「防水スプレー」を活用するのがよろしいかと思います。ブランドバッグ(特に高価なCHANEL)にスプレーを振りかけるに躊躇されるのは気持ち的にわかりますが、正しい方法で振りかける場合はデメリットよりもメリットの方が上回ります。
方法としては、直接スプレーを振りかけるのではなく、先に空気中にシュッとスプレーしてからそこにかけたい品物をくぐらせる感じでスプレーしてあげると上手く塗れると思います。しっかり防水したいからって、あまり多くを振りかけますと、革が変色してしまうので気を付けて実施してください。使用する防水スプレーは、革製品用をしようすればどこのメーカーでも構わないですが、スプレーによっては革の栄養を補給出来るタイプもありますので、うるおい補給が出来るタイプがおすすめです。
ラムレザーのお手入れ「ほこり編」
レザーのお手入れでは、表面の汚れをまず落とさないといけません。注意深く見ないと汚れていないように見えることもありますが、細かなチリやほこりが沢山付着しています。しっかりと「汚れ」や「ほこり」を落とすことで、次の作業に大きく影響を与えますので、必ず最初は「汚れやほこりを落とす」ことに気を使って下さい。あえて「ほこり」と書きましたが、力を入れて汚れをゴシゴシ落とすようなことは絶対にしてはいけません。優しく馬毛ブラシかなるべく目の細かい柔らかい布で「ほこり」を払うように落として下さい。どんなレザー製品でも同じことですが、力を入れて拭くと革自体を痛めてしまい意味がありません。
ラムレザーのお手入れ「油分補給編」
革製品のお手入れアイテムのひとつに「ミンクオイル」というものがあります。ミンクオイルは保湿力が高いのが特徴で、乾燥して硬くなった財布やバッグ、靴や革製ジャケットを柔らかくしてくれる効果があります。塗り過ぎは保湿され過ぎてカビが出来たり逆効果になりますので、塗る際の量にご注意下さい。
塗り方としては、柔らかい布に少量のオイルを取り、少しずつ全体に薄くムラなく伸ばしていきます。そして一日はそのままハンガーにかけて放置してください。翌日になったら再度全体を確認し、塗りすぎているところがあれば拭き取ったら完成です。実はこれだけで十分綺麗な状態を維持出来ますので、簡単だと思います。
ラムレザーのお手入れ「使い終わった後」
使い終わった後の話になりますが、タンスや押し入れに入れてしまう前に行ってほしいことは、出来れば軽くブラッシングしてください。これは革靴でもなんでも革製品ならではですが、人に例えると分かり易いかと思います。疲れた肌をそのままにして翌日を迎えるとどうでしょう?人によっては肌がざらざらと荒れてしまうこともあるでしょうし、肌が強い人でも汚れは必ず付着します。バッグでもジャケットでも靴でも同じです。
使い捨てではありませんので、いつになるかはわかりませんが次があります。普段から手入れしていらっしゃれば、しっとりとして柔らかな「ラムレザー」の魅力を長く味わえること間違いなしです。保湿クリームやオイルについては、使用するたびに塗る必要はありません。目安としては、季節が変わるタイミングで塗る程度で十分ですが、頻繁に使用するならご自身のタイミングで塗られてもOKです。
ラムレザーは洗えるの?
結論から申し上げますと、洗えます。ですが、手洗いに限定されます。実際にハイブランドのバッグなどは洗うことはないですし、洗わない方が良いと思いますが、ラムレザーのジャケットなら洗いたくなることもあると思います。衣類ですので汚れは当然ながら、少しの間放置していると汗や湿気によってカビが発生したりすることもあります。
そうなれば雑菌が増えて嫌なにおいが付いてしまい、拭いただけでは取れないことも多々あります。そのような時は、通常のお手入れでは元通りに戻すことができなくなりますので、少し手間は掛かりますが、諦めて手洗いを実施してみましょう。洗う際の注意点として、必ずお水を使って手洗いをしましょう。しっかり汚れを落としたいとか、冷たいのは嫌だからといってお湯で洗うのはダメです。お湯で洗ってしまうと縮んでしまう可能性が非常に高いです。お気に入りのラムレザージャケットが、洗った途端に着れなくなるなんて、本末転倒の結果となってしまいますからね。
ご自宅で洗うのも面倒だとお思いの方は、多少コストが掛かったとしてもクリーニングに出す方が無難です。但し、一般のクリーニング店などは革製品は取り扱っていない可能性が高いため、「ミスターミニット」や「リフレザー」、「革水」などの専門店へお問合せされたら受け付けてくれると思います。
まとめ
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