人気のウブロとその歴史
今回はウブロを中心に価格推移について書き綴って参ります。ただその前にウブロとはどんな時計メーカーなのか説明していきたいと思います。一目で「ウブロ」の時計とわかるその存在感は圧倒的で、「成功者の時計」として高い人気を誇っています。
フェラーリやFIFAワールドカップなどスポーツ界とコラボレーションなど何かと話題が多く認知度の高い「ウブロ」ですが、名だたる高級時計ブランドに比べると歴史が浅く、近年大躍進を遂げた新生ブランドでもあります。「ウブロ」は1979年にスイスのニヨンにてイタリア人のカルロ・クロッコによって創業されました。創業より40年を迎えた、スイス時計産業の中では比較的新しいブランドです。
ブランドの名前の由来は、舩窓(船の採光用の小窓)。フランス語で「ウブロ」は舩窓という意味を持ちます。当時は、日本で製造されたクォーツ時計が話題となり、スイスの各時計メーカーはもがき、苦しんでいました。しかし、そんな逆風をものともせず世界に挑んだのがウブロです。スイス時計メーカーにおいてタブーとされていたラバーベルトを用いた腕時計を製作します。
各スイス時計メーカーからは否定的な意見ばかりでしたが、カルロ・クロッコ氏はめげずに自身の出身地であるイタリアへ足を運びファッションショーや展示会に参加しウブロを宣伝します。その努力が実を結びアルマーニをはじめ、イタリアのファッションブランドからウブロの先例のないデザイン性が評価され、瞬く間に世界中で大きな話題となりました。
ウブロの人気モデル
ウブロにも苦難の時代はあり、クオーツを売りだしていた時はあまり受け入れられず衰退の一途をたどっていきます。経営状況が苦しく、ウブロとしては大きな山場を迎え、起死回生の一手として、新CEOを迎え入れることとしました。経営難から脱却するためウブロは、新CEOとして「時計業界のスティーブ・ジョブズ」の異名を持つジャン=クロード・ビバーを迎え入れます。
就任後、ビバー氏は「フュージョン」をテーマに掲げ、現状を打開するようにデザイナーへ呼びかけます。その熱意と共に生まれたのが「ビッグバン」です。金とラバーを組み合わせ、今までにない組み合わせを融合させたことで、若者の間で大ヒットし、リリースした年にベストデザインオブザイヤーを受賞しています。ビッグバンは「異素材のフュージョン」というコンセプトのもと発表されたモデルで、かつてウブロに無かったモデルとなりました。
文字盤には、比較的軽くて強いブラックカーボンが使用され、軽量化も図られています。ビッグバンエボリューションの裏蓋は透明ガラスで内部構造を鑑賞できるようになっています。ウブロが創業まもなく発表した『クラシック』は、ケースやストラップなどの部品は自社製でしたが、時計の駆動部分であるムーブメントには業界最大手のムーブメントメーカー『ETA(エタ)』の製品を採用していました。2005年の『ビッグバン』の大ヒットを経て、自社で一貫して製造できるマニュファクチュールとなるべく、ムーブメントの開発に力を注ぎます。
やがて、2010年に自社製ムーブメント『ウニコ』を、2018年には小型モデル用に設計・製造した『ウニコ2』を発表しました。『ウニコ』の特徴は、約70時間にも及ぶパワーリザーブとムーブメントのダイアル側にストップウォッチ機能を制御するコラムホイールを付属していることです。
時計メーカーの価格改定
数年に一度程度の頻度で各時計メーカーは価格の改定を行います。安く改定してくれればいいのですが、なかなかそうもいかず高くなります。その都度改定率は違うのですが、おおむね5パーセント程度の値上げとなる事が多いようです。これには材料費の高騰や円安の影響があると言われています。この変化に連動して中古の価格も上がることになるため、買取価格にもそれに続いていくという構造になっています。中古時計の買取価格との関係についても説明していきます。高級時計は世界中で流通しており、その商品価値は基本的に世界共通です。
そのため為替が大きく円安に傾けばその分だけ価格が値上がりし、買取価格もそれに追従することになります。高級ブランド時計は基本的に世界共通で販売される商品です。流通経路の違いにより、日本に入ってくる時計は正規品、並行輸入品などと呼ばれますが、もとを正せば同じ時計メーカーが製造した同じ商品です。国や地域により、人気不人気はありますが、昨今の時計の商品開発においては世界中で販売することを前提として作られた製品がほとんどです。
為替が大きく変動すると、輸入や輸出の割合が大きく変わります。この文を欠いている現在USドル円レートは128円です。ちょうど一年前が108円前後でしたので約20パーセント変動しています。それに伴い、中古時計の流通先も国内の消費者向けから外国向けに大きく変化しています。どのような買取店が高値で買取できるかでいうと、過去には国内向けの販売が強い業者が高額買取できていたのですが、最近では輸出がメインの販売先である買取店が高値買取できるようになっています。為替レートが20%も変動し、外国からの時計の買い圧力が高まるに従い、日本での買取価格も高まっています。
メーカーが時計の新品定価を引き上げると、中古時計の買取価格も上がります。メーカーが時計の定価を引き上げを決定すると正規品と平行輸入品の新品販売価格が上がります。新品と比較し、相対的に中古時計の販売価格が割安になり割安な中古時計の販売が好調となり、品数が少なくなります。販売店は、中古時計をもっと仕入れるために、より高い値段で買取を行うか、もしくは中古時計の販売価格を引き上げるというサイクルです。
また、時計の新品の製造を中止することにより、需要と供給のバランスは大きく崩れ、時に中古品の買取価格を押し上げることがあります。新モデルの登場で従来モデルが生産終了となるのは時計業界でよくある話です。しかし新モデルの人気がそれほど出ず、逆に生産終了モデルの方に注目と需要が集まることがあります。
新モデルが大きくモデルチェンジをした場合などは、過去に販売されていた生産終了モデルのほうがカッコイイという理由で相変わらずの人気を保ち続けることがあります。この場合、旧モデルは既に生産中止になっていますから、旧モデルの新品はすぐに在庫が無くなってしまい、新品価格は高騰し、中古でも以前より人気がでることがあります。
ロレックスの動向
高い人気を誇るロレックスも2022年1月に価格を改定しています。2021年8月以来、約5ヶ月ぶりの値上げ。消費税の引き上げやスイスフランの影響により、近年頻繁に価格改定が行われています。一部にはなりますが、改定前後の金額を書いていきます。
■デイトジャスト36
126200 オイスター(3連リンク)旧定価 781,000円 新定価 804,100円
126200 ジュビリー(5連リンク)旧定価 805,200円 新定価 828,300円
126234 オイスター(3連リンク)旧定価 920,700円 新定価 943,800円
126234 ジュビリー(5連リンク)旧定価 944,900円 新定価 968,000円
126203 オイスター(3連リンク)旧定価 1,212,200円 新定価 1,247,400円
126233 オイスター(3連リンク)旧定価 1,223,200円 新定価 1,258,400円
126233 ジュビリー(5連リンク)旧定価 1,293,600円 新定価 1,328,800円
126231 オイスター(3連リンク)旧定価 1,258,400円 新定価 1,293,600円
126231 ジュビリー(5連リンク)旧定価 1,328,800円 新定価 1,362,900円
■デイトジャスト41
126300 オイスター(3連リンク):旧定価 850,300円 新定価 874,500円
126300 ジュビリーブレスレット(5連リンク):旧定価 874,500円 新定価 898,700円
126334 オイスター(3連リンク):旧定価 1,072,500円 新定価 1,106,600円
126334 ジュビリー(5連リンク):旧定価 1,096,700円 新定価 1,130,800円
126303 オイスター(3連リンク):旧定価 1,387,100円 新定価 1,421,200円
126333 ジュビリー(5連リンク):旧定価 1,468,500円 新定価 1,503,700円
126301 オイスター(3連リンク):旧定価 1,422,300円 新定価 1,468,500円
126331 ジュビリー(5連リンク):旧定価 1,503,700円 新定価 1,551,000円
■デイデイト 36
128238 プレジデント:旧定価 3,682,800円 新定価 3,776,300円
128238Aプレジデント 8P +2Pバケットダイヤ:旧定価 4,020,500円 新定価 4,114,000円
128239 プレジデント:旧定価 3,986,400円 新定価 4,090,900円
128239Aプレジデント 8P +2Pバケットダイヤ:旧定価 4,324,100円新定価 4,428,600円
128235 プレジデント:旧定価 3,986,400円 新定価 4,090,900円
128235Aプレジデント 8P +2Pバケットダイヤ:旧定価 4,324,100円 新定価 4,428,600円
■デイデイト 40
228238 プレジデント:旧定価 4,055,700円 新定価 4,160,200円
228239 プレジデント:旧定価 4,359,300円 新定価 4,474,800円
228235 プレジデント:旧定価 4,359,300円 新定価 4,474,800円
228206 プレジデント PT アイスブルー:旧定価 7,027,900円 新定価 7,027,900円
■スカイドゥエラー
326934 オイスター(3連リンク):旧定価 1,643,400円 新定価 1,689,600円
326934 ジュビリー(5連リンク):旧定価 1,667,600円 新定価 1,713,800円
326933 オイスター(3連リンク):旧定価 1,959,100円 新定価 2,017,400円
326933 オイスター(3連リンク):旧定価 2,028,400円 新定価 2,086,700円
326238 オイスターフレックスラバー:旧定価 4,440,700円 新定価 4,440,700円
326938 オイスター(3連リンク):旧定価 5,186,500円 新定価 5,186,500円
326235 オイスターフレックスラバー:旧定価 4,603,500円 新定価 4,603,500円
326935 オイスター(3連リンク):旧定価 5,489,000円 新定価 5,489,000円
スポーツモデルの値上げ幅に比べるとそこまで大きな変動ではなかったようです。今後も定期的に値上げを行っていくと思われます。
まとめ
成功者の時計と言われるウブロを中心に書き連ねて参りました。補足で説明したロレックスもそうですが、非常に人気があり資産価値の高い時計です。価格の改定などは公式に発信されますし、ネット上でも簡単に情報を見つける事も出来ます。値上がりする前に駆け込み的に買うもよし、気に入った時計を中古で探すもよし。皆様がよい時計ライフを送れることを祈っております。