ダイヤモンド鑑定機関
どの鑑定機関においてもダイヤモンドの品質評価国際基準である「4C」を基準に鑑定を行なうので、ほぼ同一の結果が得られるとされています。
鑑定機関の中でも米国の「米国宝石学会 : GIA」と日本の「中央宝石研究所:CGL」の2社は国際的に信頼性が高い機関です。
◆GIA(Gemological Institute Of America 米国宝石学会)
ダイヤモンドの品質評価基準である「4C」を定めた、世界で最も権威のある宝石学の国際的教育機関。
宝石の鑑定鑑別はもちろん、宝石学の教育・出版なども手がけています。
世界の宝石とジュエリー業界に対する消費者の信頼を確保すること、そしてそのためのモラルとアカデミズム、科学、そしてプロフェッショナリズムを高いレベルで維持し続けることを責務としています。
GIAのダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)には「GIAダイヤモンドグレーディングレポート(GIA)」もしくは「GIAダイヤモンド ドシエ(GID)」の2つのタイプがあります。
「GIAダイヤモンドグレーディングレポート(GIA)」には4Cの評価とクラリティ特性を表すプロット図、ダイヤモンドのプロポーション図が記載されています。
「GIAダイヤモンドドシエ(GID)」はプロット図がないこと、またコンパクトサイズで保存や持ち運びがしやすいことが特徴です。
記載は全て英語で、ダイヤモンドの重さ(カラット)は小数点第2位まで表記されます
◆CGL(Central Gem Laboratory 中央宝石研究所)
国内最大手の宝石鑑定機関。
「ハートアンドキューピット(H&C)」を世界で初めてダイヤモンドプロポーションレポートとして添付し、ダイヤモンドスパークレポートの開発を行うなど、ダイヤモンド鑑定分野での先駆的存在でもあります。
また、海外のラボと関係を結び関係を強化する活動を行っているほか、世界7大宝石ラボラトリーで組織されるLMHC(ラボ・マニュアル調整委員会)に日本で唯一加入し、常に情報の収集・集積に努め世界に発信しています。
日本におけるダイヤモンド鑑定、宝石鑑別では最大シェアを誇り、鑑定書(ダイヤモンドグレーディングレポート)の発行部数は世界最大級です。
中央宝石研究所(CGL)のダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)は日本語と英語で表記され、ダイヤモンドの画像が添付されていることが特徴。
ダイヤモンドの重さ(カラット)は小数点第3位まで表示されます。
ダイヤモンドの4Cとは
ダイヤモンドの価値は、4Cで決まります。4Cとはダイヤモンドの品質等を評価する基準4つの要素のことで、カラット・カラー・カット・クラリティの各要素の頭文字に「C」がつくことから「4C」と呼ばれています。
4Cは、専門家がダイヤモンドの特徴を比較し、価値を厳密に定めるための基準です。
一般的に4Cでグレードが上がると、稀少性が高くなるとされていますが、価値を見比べる時に同じグレードの要素が1つあったとしても、他の3つの要素のグレードの違いによりその価格は変わってきます。
Carat:カラット 重さ
カラットは宝石全般の重さを測る際に使われる重量単位のことです。1.0ct=0.200gと定義されています。
ダイヤモンドは、1907年のメートル条約で定められたメートルカラット単位で計算します。
Cut:カット 輝き
カットはダイヤモンドの美しい輝きや煌めきを決定づける要素です。
Color:カラー 色
カラーはダイヤモンド自体の地色を表します。
Clarity:クラリティ 透明度
クラリティはダイヤモンドに含まれるインクルージョン(内包物)とブレミッシュ(疵)の相対的な少なさを表します。
鑑別書と鑑定書の違いについて
鑑別書とは、そのものが天然であるか合成であるか、何という鉱物であるかを証明するレポートです。
鑑定書(Diamond Grading Report)とは、天然ダイヤモンドの4Cをグレーディングし、サイズや蛍光性を記載したレポートです。
そのためダイヤモンド鑑定書が発行されたダイヤモンドは、天然ダイヤモンドであることも証明されます。
まとめ
鑑定書は鑑定機関により、書式やデザイン、サイズ、言語などが異なりますが、記載内容は統一されており、原則として内容に相違はありません。ただ、ダイヤモンドの鑑定には高度な専門知識と豊富な経験、最新の専門機器が必要となるため、正確性と信頼性が認められている鑑定機関は限られています。
鑑定書は、ダイヤモンドを安心して購入するために必要な証明書。鑑定書の有無や鑑定機関も、ダイヤモンド選びにとって重要なポイントと言えます。