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エルメスの希少価値の高い素材「アリゲーター」とは
まずはアリゲーターの生態からご説明しましょう。主な生息地はアメリカのミシシッピ州、フロリダ州などの沼沢地にいます。素材として使用されるものは、ミシシッピ川流域に生息するアリゲーターです。
ミシシッピ川流域という、限られた場所にしか生息しないアリゲーターを素材としているため、希少価値は非常に高いです。そのため、エルメスでは高級バッグや財布などにアリゲーターの素材が活かされています。
エルメス「アリゲーター」の特徴
では、アリゲーターの革はどんな性質を持っているのでしょうか。他のワニ革と比較して目立つ部分は、以下の3点となります。他のワニ革に引けを取らないものであることが分かります。
ポロサスやニロティカスよりも斑目が大きい
同じワニ革であるポロサスやニロティカスと比較すると、うろこ1つ1つの幅(斑目)が大きいのが特徴です。また、他のワニ革には、うろこに穿孔(せんこう)と呼ばれる小さなくぼみのようなものがあるのですが、アリゲーターにはありません。
斑目が大きいので、ワイルドな印象を与えるファッションと組み合わせると良いでしょう。
革素材そのものの希少価値が高く、良質
ワニ革の素材はどれも希少価値の高い良質な素材ばかりです。肌ざわりが心地よいアリゲーターも、その一種であるのは言うまでもありません。
また、アリゲーターは生息地が限られており、捕獲する数も制限されています。成長スピードも遅く、革が取れるまで実に3年の時を要します。養殖事業も行われていますが、長い時間をかけるため生産スピードを上げるのは難しいです。
このような特徴があるため、アリゲーターの希少価値はとても高いのです。
「リセ仕上げ」が施されている
「リセ仕上げ」とは、メノウと呼ばれる鉱物で革を磨く作業のことです。職人たちがこの作業を施すことで、素材本来の肌触りのよい手触りとツヤを引き出してくれます。
この作業によって、アリゲーターの革はさらに美しくなり、丈夫な素材へとなっていくのです。
元々の素材が良いからこそできる作業なので、評価が下がることがないのです。
エルメス「アリゲーター」と「クロコ」の違い
先述でも述べた通り、一番の違いは、うろこに穿孔(せんこう)と呼ばれるくぼみの有無です。ポロサスやニロティカスのような「クロコ」の部類に入るワニ革は、それがあります。
日本では、ワニと言えば、「クロコダイル」が浸透しているため、ワニ革も「クロコ」の方に目が行きがちです。なので、穿孔のないアリゲーターを「偽物」と判断されることもしばしばあるようです。
こうしたことから、エルメスではワニ革素材の違いが分かるように刻印が施されています。クロコダイル種であるポロサスやニロティカスと比較すると、以下のような違いがあります。
・アリゲーター:「□」マーク
・ポロサス:「Λ」マーク
・ニロティカス:「・・」マーク
どれも商品に刻まれている「HERMES PARIS」の横か下あたりにありますので、よく確認してみましょう。
エルメス「アリゲーター」と相性のいいカラー3選
ツヤのある素材であるアリゲーターは、どのようなカラーと相性が良いのでしょうか。多くの色がある中で、今回は、以下の3色を挙げてみました。選ぶときの参考にしてみてください。
ブラック
どのワニ革でも言えますが、人気色であるブラックを外すことはできません。
アリゲーターの色ツヤがはっきりと分かり、高貴なイメージを引き出してくれるでしょう。
どんなファッションでも似合う王道カラーなので、初めてエルメスの商品を購入するときは、ブラックを選んでみるとよいでしょう。
べトン
べトンは、白に近いライトグレーの色合いを持ちます。フランス語では「コンクリート」を意味しますが、どこか懐かしさのある落ち着いた印象を持ちます。
アリゲーターの高級感がしっかりと表現されており、持ち主の上品さを引き出している一面があります。ビジネスシーンのコーディネートとしても馴染むでしょう。
ローズシェヘラザード
女性の華やかな一面を引き出した、バラのような色合いを併せ持つピンクです。日本で親しまれている「薔薇色」に近いものとなっています。
華やかさの他、女性が放つ強さや美麗さが表現されており、アリゲーターの色ツヤはそれを十分に引き出してくれるでしょう。女性らしさを全面的に表現したいのであれば、この色が最適です。
エルメス「アリゲーター」と相性のいいバッグ・財布
次に、エルメスの商品の中で相性の良いアイテムについてご紹介します。希少価値の高い素材なので、活用される商品もとても高級なものとなります。
バーキン
バーキンは、エルメスを代表する高級バッグです。収納力が高く、海外のセレブたちにも憧れの的となっている人気商品です。
洗練された美しいデザインと耐久性がある丈夫な構造ですので、ツヤ感がありしなやかな質感のアリゲーターにはとても相性が良いです。
定番のブラック以外にも様々な色が展開されており、自分だけの個性を出しやすいです。
ベアンスフレ
ワニ革と言えば、財布に用いられている印象が強いです。もちろん、エルメスの財布にも活用されている商品があります。
べアンスフレは、エルメスの頭文字である「H」の金具がベルトになっている長財布です。エルメスらしい高級感が漂う厚みのあるデザインは、アリゲーターの質感であれば、さらにリッチな印象を与えてくれるでしょう。
素材の良さを活かした定番カラーの他、オレンジやピンクなどといった発色の良さを活かした色もあります。コーデのアクセントにするとよいでしょう。
エルメス「アリゲーター」アイテムのお手入れ方法
高級素材であるアリゲーターだからこそ、活用されたアイテムを購入した後も品質を保ちたいです。では、その方法とはどんなやり方なのでしょうか。以下の4つのポイントを重点的に実施してみましょう。
使用後は柔らかい布で拭く
使用後にはホコリなどが付着していますので、柔らかい布で優しく拭きましょう。素材そのものの強度が強いからと言って、ゴシゴシと力強く拭いてしまうと、傷がつく恐れがあります。気をつけて拭きましょう。
拭き方は乾拭きがおすすめです。水をつけて拭いてしまうと、色ムラやシミになる原因になります。革専用のクリームを使うのも禁物です。ツヤを落としてしまう場合があります。
どうしても取れない箇所があった場合は、柔らかいブラシを使用しましょう。
風通しのいい場所で保管する
使用しないときは、風通しのよい場所に保管してください。風通しの悪い場所や湿度の高い場所などでの保管は、カビが生えてしまう原因になります。直射日光も色あせの原因になるので、陰干しで保管するのがコツです。
また、荷物を入れたまま放置してしまうと型崩れを起こしてしまい、高級素材を使用したアイテムが台無しになってしまいます。将来、買取をすることを考えた場合、見た目の品質が良い方が断然高く買取されますので、入っているものはすべて出しておきましょう。
定期的に直営店でメンテナンスする
エルメスにはアイテムを修理してくれる専門の直営店があります。日本では、大阪に「エルメス アフターセールスカウンター」と呼ばれるお店があり、購入後のアフターケアの対応をしてくれます。
エルメスの商品を長期で使用するためのサービスが整っていますので、商品を自分でお手入れすることに不安や抵抗感がある場合は利用しましょう。郵送での依頼もできます。
自分で対応しても難しい場合は、プロの対応を受けるのが一番です。
持ち手の劣化防止のためカレやツイリーを巻く
バーキンなどの高級バッグを購入した場合、持ち手部分に手の脂などによる汚れやシミがどうしても集中してしまいます。
このような劣化を防ぐには、持ち手部分に直接触れないようにするのがおすすめです。エルメスの商品で言えば、カレやツイリーといった定番のスカーフを巻くのが良いでしょう。
様々な絵柄があり、バッグをさらにおしゃれにしてくれるので、活用してみましょう。
まとめ
アリゲーターの革はクロコの革にも負けない魅力があります。世間ではクロコが目立ってばかりですが、アリゲーターのツヤの良さと質感は、クロコと同等です。うろこ1つ1つの幅も大きく、凸凹も少ないので、手触りの良さで見ればアリゲーターの方が上ではないでしょうか。高級素材のため入手困難でございますが、是非お手に取っていただき、アリゲーターが放つ「高級感」を感じてみてください。