ボリードとは?
エルメスが世界で初めて作り出したファスナーバッグが「ボリード」です。今までは、ベルトを蓋に通して金具で閉めるという複雑な構造でしたが、ファスナーによって開閉できる構造を初めて取り入れたバッグがボリードです。ボリードにはマカロンと呼ばれるネームタグがボディの正面に配置されています。こちらは、もともと旅行バッグの名残が現在のモデルにも残ってデザインされているのでしょう。ボリード全体のアクセントとして機能しています。
ボリードは、その可愛らしいフォルムから、主に女性から支持されています。また収納性の高さから、デイリーバッグ、ビジネスバッグとしても人気を高めています。大きなサイズだと、旅行バッグとして男性からも支持されています。
当初は別名だった?
ボリードは1923年に誕生しました。これまでのバッグは、ベルトや紐で閉めるか、開いたまま持ち歩くか、極端な方法しかありませんでした。そこから当時の社長、エミール氏がカナダで自動車の幌を固定するファスナーを発見します。
その後、ファスナーを輸入したエルメスは「システム エクレーヌ」という名前で特許を取得し、エルメスアイテムに採用しました。ヨーロッパではまだ見たことがない技法であったファスナーは、「エルメス式」として多くのエルメスフリークから愛されました。このファスナーの導入が、高級馬具店であったエルメスが、完全にファッションブランドとしてシフトチェンジするきっかけにもなりました。
そしてボリードの前身である「ブガッティ」が発売されることになります。自動車による長旅をする時代が来ることを予感していたエルメスは、旅行用バッグとしてブガッティを生み出しました。
バーキンやケリーに続く人気をみせていたブガッティは、1982年以降になるとサイズ展開も多くなります。旅行バッグだけではなく、デイリーシーンでも人気を集めてきたブガッティは、名前も「ボリード」に改名し、デイリーバッグとして生まれ変わりました。現在ではカジュアルバッグとしても、その地位を高めているボリードは、エレガントでありながら、使い勝手の良いアイテムとなります。
サイズ展開
・サイズ15
サイズ:約横幅15㎝×高さ10㎝×マチ幅5㎝
ボリードバッグの中で最も小さいサイズです。ポーチに近い見た目となり、小ぶりでキュートです。コンパクトでありながら、スマホやハンカチなどの日常品は収納できるので、お出かけバッグにも最適です。また付属品としてショルダーストラップも付いているので、肩掛けバッグとしても使用できます。
・サイズ21
サイズ:約横幅21㎝×高さ15㎝×マチ幅7.5cm
サイズ15より一回り大きくなったサイズ21は、スマホやハンカチに加え、2つ折り財布やポーチも収納できます。もちろん、ショルダーも付属されているのでポシェットとしても使用できます。派手な色でも良いアクセントになるサイズ感なため、パーティシーンでも活躍しそうです。
・サイズ27
サイズ:約横幅27㎝×高さ19.5㎝×マチ幅9.5㎝
サイズ15やサイズ21㎝のサイズと同じく、小ぶりな見た目をしているサイズ27ですが、意外と収納力が高いアイテムです。長財布やポーチはもちろん、手帳や文庫本なども収納できるサイズ感になっています。色や素材次第ではフォーマルなシーンにも合わせやすくなります。またその人気の高さから流通量も低めな傾向です。
・サイズ30
サイズ:約横幅30㎝×高さ24㎝×マチ幅12cm
サイズ30は、ボリードがまだブガッティとして誕生した時のサイズをボリードとして復刻させたアイテムです。通常のボリードとは異なり、ショルダーストラップは付属されておらず、ネームタグのマカロンもありません。
またハンドルも短めのため、ひと目で違いがわかります。収納力に定評のある定番サイズ、31cmとほとんど変わりませんので、十分に収納して持ちあることができます。そしてボリード30はダブルファスナーで全体的にソフトな雰囲気があります。
・サイズ31
サイズ:約横幅31㎝×高さ23㎝×マチ幅14㎝
ボリードのサイズを紹介してきましたが、特に人気の高いのがサイズ31です。収納力も抜群なので働く女性から支持を得ているアイテムでもあります。ビジネスシーンだけではなく、カジュアルシーンでも使いやすいと好評です。
・サイズ37
サイズ:約横幅35㎝×高さ26㎝×マチ幅14㎝
サイズ37は、A4サイズの雑誌やファイル、タブレットなどを収納できるサイズです。大容量なサイズ37は、その大きさからビジネスバッグとして使用する方も多くいます。もちろん、デイリーバッグとしても使えるので、オンオフ問わず使用できます。
・サイズ47
サイズ:約横幅47㎝×高さ35㎝×マチ幅25㎝
サイズ47は、ボリードの中でも、最も大きなサイズを誇ります。最も小さいボリード15と比較すると約3倍の大きさを誇ります。そのサイズ感から、女性では少し普段使いには不利なので、旅行バッグとして活躍しています。また着替えやおもちゃなど何かと荷物が多いママさんからも人気を集めています。逆に、大きなサイズを好む男性からは、サイズ47は支持されています。
以上がボリードのサイズランナップでした。そのサイズの特徴を知ることで、さらにボリードへの理解が高まりますよね。
素材バリエーション
エルメスの高品質なレザーは種類が豊富にあり、素材によってアイテムの印象が異なります。素材選びはエルメスバッグの楽しみのひとつです。
『型押し素材』
・トリヨンクレマンス
ボリードの定番素材といえば、相性抜群のトリヨンクレマンスでしょう。カジュアルバッグとして人気を誇るボリードですが、そんなボリードに傷に強い性質があるトリヨンクレマンスはぴったりな素材です。また使えば使うほどレザー全体が味わい深くなる素材でもあります。そのためボリードを気兼ねなく持ち歩けるようにもなります。また数多くある素材の中でも、ボリードをさらに女性らしい雰囲気にしてくれる素材でもあります。
・エプソン
ほどよい柔らかさをもちながら、傷に強く型崩れも起こしにくいのがエプソン素材です。ボリードは丸みがあるフォルムが特徴的なため、その魅力を維持してくれるエプソンは、相性良い素材ですね。
そしてエプソンは、傷や摩擦だけではなく、水にも強い素材なため、カジュアルシーンで活用されるボリードに最適です。また軽量でもあるため、持ちやすさも実現します。
『スムースレザー』
・スイフト
スイフトは他の素材に比べると、傷や摩擦にも弱く、デリケートですが、バッグと合わせると上品な印象に仕上げる性質があります。滑らかな手触りと、優れた発色性でボリードの魅力をさらに上げてくれます。
『キャンパス』
・トワルアッシュ
トワルアッシュを使用しているボリードは、2つの異なる魅力をもつ雰囲気に仕上がります。キャンバス素材であるトワルアッシュの他にも、ハンドル部分などはレザーを使用しているため、カジュアルでありながらフェミニンな印象をも楽しめます。また異なる2つの糸を平織りしているトワルアッシュは、摩擦にも強いため、デイリーバッグに最適なボリードとの相性抜群になります。
他にもボリードの魅力を引き出す素材は多く存在しますので、自分で探してみましょう。
ファッションスタイル別でのオススメ
『フォーマルスタイル』
フォーマルな装いには荷物もしっかり入り膝の上に乗せても邪魔にならない31㎝がピッタリなサイズです。また、カラーは落ち着いたブラック、グレートーンのカラーがオススメです。
『カジュアルスタイル』
ショッピングやランチ、おでかけなどのご利用にはクロスボディにできる27cmがピッタリです。愛らしいミニサイズと発色の良いカラーの組み合わせが、女性らしい雰囲気を演出してくれます。
『旅行スタイル』
1泊2日分ほどの荷物がしっかり入る45cmは、旅行のおともに持ちたいサイズです。45㎝は誕生当初から展開されているサイズと言われており、ヴィンテージカラーをイメージさせるブラウンカラーがオススメです。
個人的には27㎝が使い勝手よくオススメです。
まとめ
昔から今でも世界中から支持されているバッグになりますので、自分好みのボリードが見つかればいいですよね。この記事を是非参考にしてみてくださいませ。