COACHはなぜコーチと言うのか?
もともとコーチは、1941年にアメリカのニューヨークで家族経営の皮革小物工房としてスタートしました。ブランド名の「コーチ」は、ハンガリーの町「Kocs(コチ)」が由来となっています。その町に、コーチというブランド名の由来とロゴマークのヒントが隠されています。このコチという町は、当時としては画期的なサスペンション付きの4輪馬車を世界で初めて製造した事で有名で、その素晴らしい品質と乗り心地はヨーロッパなど各国の間で評判となりました。
その評判もあり、「コチ」というだけで馬車を意味するようになりました。そうしてコチことサスペンション付きの4輪馬車は世に出回り、貴族や大事な物を運ぶ時だけに使用されるようになりました。馬車が人や物を目的地へ運ぶことから次第に「コーチ」という言葉自体が、「大事な人や物を運ぶ」「目的地に運ぶ」といった意味をもつようになったのです。
そんなコーチという言葉をブランド名に選んだという説があります。「大事なものを運ぶ」ときに使って欲しい、という製品への想いをこのブランド名に込めたのです。
目指したのは野球のグローブのように丈夫でしなやかなレザー
そもそもCOACHを立ち上げたのは、マイルズ・カーン、リリアン・カーン夫妻と6名の職人たち。紳士向けの皮革製品を下請生産する小さな工房でしたが、卓越した技術を持つ腕利きの職人たちによる手仕事が人々の目に留まり、徐々にその名を確立していくことになります。そんなある時、野球を観戦していたマイルズ・カーンは、野球のグラブのように丈夫でしなやかな美しいレザーが作れないかと考えました。
そうしてオリジナルのレザー素材の開発に着手し、1958年に「グラブタンレザー」が完成。1960年代には、グラブタンレザーと職人技を駆使して作り上げた12個のバッグを「COACH」のブランド名を冠して発表すると、耐久性の高さと丁寧な手仕事による品質の良さからCOACHのバッグが大人気となっていきます。
伝統だけではなく、革新も共存させたブランドへ
2013年からエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターに就任したスチュアート・ヴィヴァースは、これまでのブランドイメージに囚われない、革新的でモダンなアメリカン・スタイルの新たなコーチ(COACH)の魅力を発信しています。また、ブランド名はそのままに、2017年10月には社名をコーチ(COACH)から「タペストリー(Tapestry)」に変更。先人たちが築き上げた偉大な功績を超えて、さらなる飛躍を遂げようとするその姿に熱い注目が集まっています。
まとめ
優等生ながらもどこか退屈さを感じてしまう今までのコーチから退屈さが一気に無くなり、今では注目すべきブランドの一つと言えるでしょう。75周年を迎えた今なお勢いづいたコーチから今後も目が離せません。