シャネルの歴史
シャネルの始まりは1919年、パリにオープンした「シャネル・モード」という1軒の帽子屋でした。そこで扱われるシンプルでデザイン性の高い帽子は人気を得て、1915年にはビアリッツにクチュールハウスをオープン、さらに5年後にはパリにもクチュールハウスをオープンし、帽子から洋服へと徐々に規模を拡大させていきました。
さらに1921年になると、かの有名なシャネルの香水「オードゥ・パルファムNo.5」が誕生します。世界的ベストセラーにもなったこの香水は、多くの女性たちの憧れの的になりました。マリリン・モンローが記者に「寝る時に身につけるものは?」と質問され、「No.5を数滴」と答えたエピソードは誰もが知るところでしょう。そして1924年にはシャネルの香水会社を立ち上げるまでにもなっています。
しかし第2次世界大戦が始まると香水とアクセサリーの店舗を残し、ブティックは閉鎖に追い込まれます。さらに様々な事情によりフランス国民からの非難を受けることになったココ・シャネルはスイスでの亡命生活を余儀なくされました。第2次世界大戦が終わると1954年にパリのブティックを再開。翌年にはシャネル・スーツを発表しモード・オスカーを受賞するなど、少しずつかつての栄光を取り戻していきます。
その後、チェーンベルトバッグやバイカラーシューズなど現在まで受け継がれる名作を世に輩出し、1971年に87歳でこの世を去りました。ココ・シャネル没後はシャネルの低迷期を迎えることになります。しかし1983年にカール・ラガーフェルドがアーティスティック・ディレクターに就任すると、シャネルは再び輝きを取り戻し現在のシャネルに繋がっていきました。
マトラッセの登場
マトラッセは1929年に誕生し、その後シャネルのデザインとして利用され現代でも絶大な支持があるブランドです。「MATELASSE」と表記され、フランス語でキルティング素材を表します。表裏2枚の生地を別糸で接合したように織っており、表と裏が縫い合わされた部分はへこみ、その他の部分は膨らむ造詣によって美しい模様が出来上がることから、日本では「ふくれ織」と言われています。
もともとは、素材をしっかり固定するという縫い方であったものが、後にシャネルに利用されることによって、デザインとしての良さにも注目されています。今や、シャネルの財布と言えばマトラッセと言わしめるほどシャネルを象徴するようなデザイン・代名詞として君臨しています。また、シャネルではキルティング素材が使用されていない時計・サングラスなどの雑貨もマトラッセとして含まれており、「ダイヤ型で格子状」のデザイン全般をマトラッセと呼んでいます。
現代では、男性も女性も一般的に使われているショルダーバックですが、実はシャネル誕生前の1920年頃ショルダーバックを使用していたのは男性のみで、女性用よりも先に男性用のショルダーバックが販売されていました。当時は女性向けのショルダーバッグは存在せず、ハンドバックを使用するのが一般的でした。
ハンドバッグは、バックを持っているため両手が自由に使えない、どこかにハンドバックを置いてしまって、そのまま忘れてしまう人が多いというデメリットがありました。その後、同じ悩みを持っていたシャネルのブランドの創業者であるココ・シャネルが、革紐をつけて肩に掛けて使う簡単な作りの女性用のショルダーバッグを製作し、広めたといわれています。
シャネルが制作した女性用ショルダーバッグには、マトラッセが使用されていました。マトラッセのショルダーバックに人気が出たことによる影響で、女性用ショルダーバックの認知も増えることになったのです。マトラッセ・チェーンショルダーは数多くあるシャネルのバッグの中でも、たくさんの人に支持されている人気モデルです。レッドカーペット・パーティーに出席するセレブ達のご用達のバックとしても人気があります。
マトラッセのチェーンショルダーは、一生に一度は持ってみたいバッグのひとつと、思う女性の方も多いのではないでしょうか。マトラッセのチェーンショルダーが、それを使う女性の美しさを引き立ててくれるのは、作られた当時から今日まで変わっていません。
サイズと素材
【サイズ】
シャネルのマトラッセチェーンショルダーバッグには、mini(~20)、23、25、30、34の5種類のサイズがあります。
【代表的な3つの革素材】
・キャビアスキン
表面がざらつき(つぶつぶした模様)がある牛革に型押したものです。型押しの模様がキャビアに似ていることからキャビアスキンと呼ばれています。経年劣化でペシャンコになりますが、キャビアスキンは比較的にふっくら感が持続しやすく、キズもつきにくく、キズがついても目立ちにくいのが特徴。ほかの素材と比べて少し固めです。もう少し柔らかい方が・・・という方はソフトキャビアスキンがおすすめです。
・カーフスキン
生後6ヶ月以内の子牛の皮革。牛革の中でももっとも上質な素材とされていて、キメ細かく柔らかく、薄い上質な素材。革製品の中でもポピュラーな素材。牛革と比較して繊細で柔らかいため、細かい傷などがつきやすいため、丁寧に扱ってください。
・ラムスキン
つるっとしたマットな質感のラムスキンがあります。ラムスキンは、生後1年以内の羊の皮革なので、デリケートで傷つきやすく、水分にも弱いです。毛穴も小さくキメ細かいため、柔らかく、肌に吸い付くような肌触りが特徴。ほかには、キャンバス素材、クロコダイル素材、エナメル素材からサテンやベルベット、デニムといったファブリック素材も展開しています。
まとめ
シャネルが掲げるブランドコンセプトは「女性の服の解放」と「古い価値観にとらわれない自由で自立した女性像」。シャネルがいつの時代も愛され続けてきたのは、このコンセプトがあり、このコンセプトを守り続けてきたからと言っても過言ではありません。いつの時代も女性を輝かせるブランド、それがシャネルです。