フェンディというブランド
フェンディの歴史は1925年に始まりました。皮革製品を扱っていたアデーレ・カサグランデがエドアルド・フェンディと結婚し、二人でローマの中心部、プレビシート通りにバッグの販売店と毛皮のアトリエを開きました。彼らの製品はすぐに評判となり、1930年代から1940年代にかけて、ブランドの人気はローマを超えて広がりました。第二次世界大戦後、夫婦の5人の娘、パオラ、アンナ、フランカ、カーラ、アルダは、メゾン フェンディに創造的なエネルギーを吹き込みました。
1965年、ブランドはカール・ラガーフェルドを迎えます。カール・ラガーフェルドは“モード界の皇帝”と呼ばれたカリスマデザイナーです。当時クロエや老舗クチュールメゾンのジャン・パトゥなどでの活躍が知られていました。その後、低迷したシャネルを復活させた立役者として生ける伝説となります。
カール・ラガーフェルドの功績
カール・ラガーフェルドはフェンディのアイデンティティともいえる毛皮のクリエーションに新たな息吹を吹き込みます。また、今ではフェンディを象徴するロゴとして知られている2つのFを組み合わせた「ズッカ」も、カール・ラガーフェルドによるデザインです。ちなみにこの2つのFは“Fun Far”の頭文字と言われています。カール・ラガーフェルドは2019年に逝去するまで実に50年以上もフェンディのクリエーションに携わっており、その功績をたたえて、「フェンディ家の6番目の子供」とすら言われることがあります。
1977年、カール・ラガーフェルドが監修したウィメンズのプレタポルテコレクションが発表されました。さらにブランドはスカーフ、ネクタイ、手袋、サングラス、ジーンズ、香水、アクセサリーなどクリエーションの裾野を大きく広げます。1985年、ローマ現代美術館で、フェンディの創立60周年とカール・ラガーフェルドとのコラボレーション20周年を記念する展覧会を開催しました。
フェンディ家の直系、シルヴィア・フェンディ
創業者の孫娘にあたるシルヴィア・フェンディは、1987年にメゾンに加わり、若年層に向けたよりアクセスしやすいラインである「フェンディッシメ」を立ち上げました。彼女は1992年からカール・ラガーフェルドのアシスタントを務め、2年後にはアクセサリー部門の責任者になりました。創業者アデーレが手掛けた、ローマの職人が完全に手作りしたエクスクルーシブな革製品のラインである、「セレリア」を復活させたのもシルヴィアです。このセレリアシリーズは、ケイト・ブランシェットやジュリア・ロバーツ、シャロン・ストーンなどのスターも愛用しています。1997年、シルヴィア・フェンディは「バゲット」バッグを作成しました。コンパクトなレクタングルフォルムにタイトなショルダーストラップという特徴のこのバッグは、時代のご機嫌を見事に捉え爆発的なヒットとなり、現在までに1000以上のモデルがデザインされていると言われています。
2000年、世界最大のコングロマリットLVMHグループはフェンディの株式を取得し、翌年には正式にその傘下となりました。2005年、フェンディはローマにパラッツォ フェンディをオープンし、80周年を祝いました。これはメゾンの新しい本店で、アトリエやホテル、世界最大のフェンディ ブティックが一体となっています。2019年には新たにキム・ジョーンズがアーティスティック ディレクターに就任し、そのクリエーションに注目が集まっています。2023年2月11日には日本最大級の旗艦店パラッツォフェンディ表参道がオープンするなど、日本での人気の高さがうかがえます。
フェンディのバイザウェイ
バイザウェイは2014年に誕生して以来、フェンディの中でも屈指の人気を誇る定番バッグとなっています。レクタングルのフォルムのシンプルなデザインに特徴的なハンドルや、パーソナライズできるチャームなど、遊び心のあるディテールが光ります。多様なバリエーションを展開しているのでチョイスが豊富なうえ、サイズによって少しデザインが異なるという点も、コレクターの心をくすぐります。
バイザウェイ ミディアム
サイズ:(約)縦15㎝、横27㎝、奥行き13㎝
B5サイズも収納できる大容量で公私問わずに使える万能サイズで、上品なボストンバッグといった雰囲気です。ハンドルは引き出したり引っ込めたりできるので、ハンドバッグとしても、荷物が少ないときはクラッチバッグとして持ち運びすることができます。調節可能なショルダーストラップがついているので肩掛けも可能です。
バイザウェイ スモール
サイズ:(約)縦13㎝、横21㎝、奥行き10㎝
ミディアムサイズより一回り小さくなったスモールサイズは、ちょっとしたお出かけに便利な、シティユースといったサイズ感です。ハンドルはミディアム同様、出したり引っ込めたりできるので、ハンドバッグ使いもクラッチバッグ使いもできます。ミディアムよりも小ぶりになった分、クラッチバッグ使いで活躍してくれそうです。
バイザウェイ ミニ
サイズ:(約)縦12㎝、横18㎝、奥行き9㎝
2022年に登場したミニミニバッグです。昨今の極小バッグブームを牽引しているモデルと言えるかもしれません。人気の秘密は豊富なカラーバリエーションと素材展開、そしてべっ甲仕立てのプレキシガラス製ハンドルという凝ったディテールです。もはや着脱式大き目ポケット?といった立ち位置で、アクセサリーのようにコーディネートのワンポイントとして華を添えてくれます。
まとめ
毛皮と皮革製品を扱うブランドとしてローマに創業したフェンディは、100年近い歴史に根ざした高い職人技を誇るイタリアのブランドです。その高い技術力と洗練されたデザインで数々の名作バッグを生み出しています。2014年に誕生したバイザウェイもそんな人気モデルの一つで、使い勝手の良さや、豊富なバリエーションが魅力のバッグです。