目次
ロレックスの購入制限とは

ロレックスでは近年、正規店で特定モデルの入手に条件が設けられています。
背景には高まる需要や転売防止の意図があり、新たなルールが加わることで状況は常に変化しています。購入を検討するなら、その内容を把握しておきましょう。
従来の購入制限ルール
従来、ロレックスの正規店では、一部の人気モデルに購入制限が設けられていました。そのため、希望の時計を手に入れるには、販売状況について事前の確認が欠かせませんでした。
購入制限の仕組み
同じモデルの再購入は5年間、別モデルでも1年間は購入できません。これにより、過度な買い占めを防ぎ、多くの人が公平に購入できるよう管理されていました。
購入の際には、顔写真付き本人確認書類の提示や、購入制限内容に関する同意書への署名が必要です。これにより、顧客ごとの購入履歴を正確に把握し、ルールの運用が行われていました。
例外と注意点
制限対象モデルは予告なく変更されることがあり、除外された場合は通常通り購入できます。モデルチェンジした場合も従来モデルと現行モデルは同一扱いで5年間の制限が適用されます。
店舗や地域、モデルによっては4〜6ヶ月の制限となる場合もありました。
| 購入可能数 | 制限対象モデルは1人1点まで |
| 同一モデルの購入制限 | 購入から5年間購入不可 |
| 別モデルの購入制限 | 購入から1年間購入不可 |
| 購入時の必要事項 | 顔写真付き本人確認書類の提示 |
| 購入時の手続き | 購入制限に関する同意書へ署名 |
新しい購入制限ルール
ロレックスでは、従来の購入制限を見直し、2024年12月16日から新たなルールが導入されました。全モデルで1人1点までの購入が原則となり、購入の公平性をより高める仕組みが整えられています。
新たな購入制限の仕組み
新しいルールでは、全モデルで1人1点までの購入が原則となりました。しかし、人気プロフェッショナルモデル「コスモグラフ デイトナ」「サブマリーナー」「GMTマスター II」は、従来通りの制限が維持されます。
それ以外のモデルについても、2本目の購入には6ヶ月の間隔が設けられ、過度な買い占めを防ぐ管理が行われています。
新たな例外と注意点
制限対象モデルは予告なく変更されることがあります。モデルチェンジ後も従来モデルと現行モデルは同一扱いで制限が適用され、店舗や地域、モデルにより期間が異なる場合もあります。
購入時には、顔写真付き本人確認書類の提示と、同意書への署名が必要です。支払いは本人名義のクレジットカードが原則で、現金との併用も可能です。
| 購入可能数 | 全モデル1人1点まで |
| 人気プロフェッショナルモデル | デイトナ・サブマリーナー・GMTマスター IIは変更なし |
| それ以外のモデル | 2本目は購入から6ヶ月購入不可 |
| 購入時の必要書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
| 購入時の手続き | 購入制限に関する同意書への署名 |
| 支払い条件 | 本人名義のクレカ払い(現金併用可) |
購入制限は海外では行っていない
ロレックスの購入制限は日本独自の方針であり、ロレックス本社からの公式な指示ではありません。そのため、海外では基本的に設けられておらず、制限なく複数本を購入することが可能です。
一方で人気モデルは入手競争が激しく、日本以上に手に入りにくいケースも見られます。こうした背景から、購入環境は国によって大きく異なることが理解できるでしょう。
ロレックスが購入制限を行う理由

ロレックスが購入制限を設けるのは、国内市場における需要と供給のバランスを維持するためです。供給状況を管理することで販売環境を安定させ、市場全体の秩序も保たれやすくなっています。
転売対策のため
購入制限が設けられる背景には、特定のモデルが本来の目的以外で流通する状況を防ぐ意図があります。近年は人気モデルの需要が非常に高く、二次市場では定価を上回る価格で取引されることも珍しくありません。
正規購入者への配慮
正規店で購入を希望する一般ユーザーにとって、入手が難しいケースが増えています。こうした事態を抑えるため、ロレックスは本人確認や支払い方法の厳格化を進めています。
結果として、ブランドの信頼性を保ち、購入者が安心して時計を手に入れられる環境を整えています。
多くの顧客に製品を届けるため
ロレックスは、限られた製品をできるだけ多くの希望者に届けるため、購入制限を設けています。入荷数が少ない人気モデルでも、公平に所有できる環境を整える狙いです。
購入チャンスを広げる仕組み
人気モデルの入荷数は非常に限られています。なぜなら特定の人が複数購入すると、他の希望者は購入しにくくなるからです。この状況を避けるため、購入本数の制限や再購入までの期間が設けられました。
こうした対応によって販売機会が分散され、正規店での購入環境も安定します。その結果、幅広い顧客がロレックスを手にするチャンスを確保できています。
ロレックスで1年間の購入制限があるモデル
2024年12月以降、ロレックスの多くのモデルには6ヶ月間の購入制限が設けられています。その中でも特に人気の高い7品番については、制限期間が1年間に延長されました。
いずれも正規店で入手する難易度が高く、定価と市場価格の差も大きくなっています。
コスモグラフ デイトナ Ref.126500LN

『コスモグラフ デイトナ Ref.126500LN』は、2023年に前作116500LNの後継機として登場しました。希少なクロノグラフ機構を搭載し、スポーツとラグジュアリーを融合しています。
文字盤はブラックとホワイトの2種類があり、中古市場ではホワイトが高値で取引される傾向が続いています。この価格差は需要の高さや流通量の差が影響していると考えられます。
| 素材 | オイスタースチール |
| ガラス | サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 40 mm × 厚さ 11.9 mm |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| ムーブメント | Cal.4131 |
| パワーリザーブ | 約 72 時間 |
| 防水性 | 100 m |
サブマリーナー Ref.124060

『サブマリーナー Ref.124060』は、ロレックスを代表するダイバーズウォッチです。日付表示を省いた端正な文字盤は視認性に優れ、左右のバランスが整ったデザインです。
堅牢な構造と優れた防水性能を備え、水中での使用はもちろん日常の装いにも映えます。市場では定価を上回る価格で取引されることが多く、高い評価を受けています。
| 素材 | オイスタースチール |
| ガラス | サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 41 mm × 厚さ 12 mm |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| ムーブメント | Cal.3230 |
| パワーリザーブ | 約 70 時間 |
| 防水性 | 300 m |
サブマリーナー デイト Ref.126610LN

「黒サブ」の愛称で親しまれる定番モデルです。日付表示を備えた実用性の高さと、飽きのこないデザインが長く支持される理由です。
市場では定価を上回る価格で取引されており、サブマリーナー Ref.124060よりも高い人気を誇ります。信頼性のある性能とクラシックな佇まいから、多くの時計愛好家に愛されています。
| 素材 | オイスタースチール |
| ガラス | サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 41 mm × 厚さ 12 mm |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| ムーブメント | Cal.3235 |
| パワーリザーブ | 約 70 時間 |
| 防水性 | 300 m |
サブマリーナー デイト Ref.126610LV

通称「グリーンサブ」として知られる存在感のあるモデルです。ブラック文字盤と鮮やかなグリーンベゼルの組み合わせが落ち着きと個性を両立させています。
市場では定価以上の約240万円と高値で取引され、サブマリーナーの中でも特に注目を集めています。希少性があり、コレクター人気も強く、資産性の面でも期待されるモデルです。
| 素材 | オイスタースチール |
| ガラス | サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 41 mm × 厚さ 12 mm |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| ムーブメント | Cal.3235 |
| パワーリザーブ | 約 70 時間 |
| 防水性 | 300 m |
GMTマスター II Ref.126710BLNR

「バットマン」の愛称で知られる、黒×青のツートンベゼルを特徴とするモデルです。2つのタイムゾーンを同時に表示できるGMT機能や安定した駆動性能は、ビジネスでもプライベートでも活躍します。
ブレスレットは、オイスターとジュビリーの2種類です。ジュビリーは定価がやや高いため、相場もそれに合わせて取引される傾向です。そのため、正規店ではオイスターの入手が比較的狙いやすいといわれています。
| 素材 | オイスタースチール |
| ガラス | サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 40 mm × 厚さ 12 mm |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| ムーブメント | Cal.3285 |
| パワーリザーブ | 約 70 時間 |
| 防水性 | 100 m |
GMTマスター II Ref.126710BLRO

赤と青のセラクロム製ベゼルから「ペプシ」として親しまれるモデルです。視認性の高い配色とクラシックなデザインが特徴で、カジュアルな装いでも腕元を華やかに彩ります。
ブレスレットは、オイスターとジュビリーの2種類があります。ジュビリーは定価がやや高いため、相場もそれに合わせて取引される傾向です。圧倒的な人気のため入手は容易ではなく、正規店での購入は時間を要すでしょう。
| 素材 | オイスタースチール |
| ガラス | サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 40 mm × 厚さ 12 mm |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| ムーブメント | Cal.3285 |
| パワーリザーブ | 約 70 時間 |
| 防水性 | 100 m |
GMTマスター II Ref.126720VTNR

黒と緑カラーの「スプライト」と呼ばれるツートンベゼルが印象的なモデルです。リューズが左側に配置され、日付表示も9時位置にある独自仕様が、個性を求めるユーザーに支持されています。
ブレスレットは、オイスターとジュビリーの2種類です。ジュビリーは定価がやや高いため、相場もそれに合わせて取引される傾向です。市場価格の高騰は緩やかで、正規店で入手するチャンスも比較的あるモデルです。
| 素材 | オイスタースチール |
| ガラス | サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 40 mm × 厚さ 12 mm |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| ムーブメント | Cal.3285 |
| パワーリザーブ | 約 70 時間 |
| 防水性 | 100 m |
購入制限があるモデルの定価一覧(2025年8月現在)
| モデル名 | 型番 | カラー | 定価(円) |
| コスモグラフ デイトナ | 126500LN | ホワイト | 2,349,600 |
| サブマリーナー | 124060 | ブラック | 1,400,300 |
| サブマリーナー デイト | 126610LN | ブラック | 1,570,800 |
| サブマリーナー デイト | 126610LV | グリーン | 1,648,900 |
| GMTマスター II | 126710BLNR | ブラック・ブルー | 1,664,300 |
| GMTマスター II | 126710BLRO | レッド・ブルー | 1,664,300 |
| GMTマスター II | 126720VTNR | グリーン・ブラック | 1,742,400 |
※ 為替レートや税率の変動により、日本国内での価格は異なる場合があります。
ロレックスの購入制限から除外されたモデル
2024年12月16日のルール変更による購入制限は、すべてのモデルに適用されるわけではありません。「エクスプローラーⅠ・Ⅱ」や「シードゥエラー」、「ディープシー」など、一部のモデルは購入制限の対象外とされています。
購入制限除外モデルをチェック
除外されたモデルは、前回の購入から6ヶ月が経過すれば次の購入が可能です。この背景には、需要が比較的安定していることや、専門的用途向けに設計されているため、競争が激しくないことが挙げられます。
したがって、購入制限そのものが緩和されたわけではなく、人気が集中する「コスモグラフ デイトナ」、「サブマリーナー」、「GMTマスター II」は従来どおり厳格な制限が続いています。
| 購入制限除外モデル | エクスプローラー Ⅰ Ref.124270
エクスプローラー Ⅰ Ref.224270 エクスプローラー Ⅱ Ref.226570 シードゥエラー Ref.126600 ディープシー Ref.136660 ディープシー チャレンジ Ref.126067 エアキング Ref.126900 ヨットマスター 42 Ref.226627 |
ロレックスの購入制限モデルを複数購入する方法

では、ロレックスの人気モデルを複数手に入れるには、どのような方法があるのでしょうか。制限はあっても、購入チャンスを増やすためのポイントはいくつか存在します。
家族や知人などに代理で購入してもらう
正規店のルールは名義ごとに適用されるため、家族や知人を通じて購入する方法があります。自身がすでに購入した後でも、別名義で新たに手に入れることが可能です。
購入時には「代理人の本人確認書類」や「支払い手段を準備」する必要があります。また、店員に同伴者との関係性や購入理由を伝えることで、自然な形で手続きを進められます。
並行輸入品店で購入する
ロレックスの購入制限を回避するには、並行輸入品店を利用する選択肢もあります。日本国内の正規販売店に設けられたルールは、並行輸入店には適用されないため、複数のモデルを入手することが可能です。
ただし、正規店より価格が高くなる場合が多く、信頼性の低い店舗では偽物のリスクもあるため注意が必要です。購入先は慎重に選ぶことが望ましいでしょう。
中古品を購入する
中古品を視野に入れて検討すれば、制限対象のモデルも入手できます。中古市場では生産終了モデルや希少なモデルが見つかり、状態や価格の幅が広い点も魅力です。
新品同様の品から使用感のある品まで、自分の予算や好みに合わせて選べます。ただし、人気モデルは定価を超える場合もあるため、購入先の信頼性を確認しながら選びましょう。
海外で購入する
国内正規店の規則は、海外の販売店には適用されません。ヨーロッパやアジアの一部地域では、日本では手に入りにくい人気モデルや異なる品揃えが見つかることもあります。
ただし、為替レートや税金、帰国時の関税や消費税も考慮する必要があります。免税店を利用したとしても、計画的に購入することが望まれます。
ロレックスの購入制限に関するQ&A

ロレックスの購入制限について、購入者が気になりやすい疑問に答えていきます。よくある疑問だけでなく、知っておくと役立つポイントを整理しました。
店舗を変更しても購入制限される?
ロレックスの購入制限は、店舗を変えても回避できません。国内の正規店では購入履歴が共有されており、どの店舗でも過去の購入状況を確認できる仕組みが整っています。
たとえば、あるモデルをA店で購入したとしましょう。その後、設けられた制限の期間内の場合は、別のB店で同じモデルや対象モデルを購入しようとしても、断られるケースがあります。
そのため、地域や系列を変えても制限の対象外にはならないと、留意しておくことが重要です。
クレジットカードがないと購入できない?
ロレックスを購入するには、本人名義のクレジットカードが必須です。以前は現金だけでも購入できましたが、購入者の身元を確実に確認する仕組みが求められるようになりました。
正規販売店では、クレジットカードと運転免許証などの顔写真付き本人確認書類で購入履歴を確認します。そのため、クレジットカードがなければ正規店では購入できません。
まとめ
2024年12月16日から、ロレックス正規販売店での購入ルールが大幅に変更され、条件が厳格化されました。正規店では契約に基づき、ルールや制限を遵守する必要があり、さらに地域や店舗によって運用が異なる場合があります。
以前より購入は難しくなりましたが、より公平な環境が整ったといえるでしょう。


