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ロレックスのオーバーホールとは?

オーバーホールとは、時計の内部機構まで丁寧に点検・整備を行う、本格的なメンテナンスのことです。通常のメンテナンスに比べて作業内容がより精密であり、実施頻度も少ないのが特徴です。
ここでは、ロレックスにおけるオーバーホールの特徴や、推奨される実施頻度・期間について詳しく解説します。
ロレックスのオーバーホールの特徴
日本ロレックスが提供するオーバーホールの特徴として以下の3点が挙げられます。
・優秀な技術者と豊富な純正パーツ
日本ロレックスでは、専門の技術者が多数在籍しており、日々高度なメンテナンスと修理作業を行っています。
また、純正パーツの在庫も非常に豊富で、過去のモデルに使用されていた部品もきちんと保管されています。これにより、生産終了したモデルでもオーバーホールに対応しているケースもあり、長期的なサポート体制が整っているのが特徴です。
・2年間の国際サービス保証書が付属
オーバーホールを正規店で行うと、「2年間の国際サービス保証書」が発行されます。この保証書は、修理箇所に対して2年間の保証が適用されるだけでなく、将来的に売却する際にもプラス査定につながることがあります。
・正規店ならではの安心感
格安でロレックスのオーバーホールを請け負う業者もありますが、非純正パーツの使用や技術面で不安が残る場合も少なくありません。そういったリスクを避けたいのであれば、日本ロレックスに依頼するのがおすすめです。
ロレックスのオーバーホールの頻度と期間
ロレックスのオーバーホールは、一般的には5~10年に一度の実施が推奨されていますが、時計の使用頻度や保管状況、モデルによっても適切なタイミングが異なります。
特に、次のような症状が見られたときは、早めに点検やメンテナンスを依頼しましょう。
・異音がする
・針の動きに違和感がある
・防水性能に不安を感じる
また、オーバーホールの所要期間は、依頼先によって異なります。以下は、日本国内での一般的な目安です。
| 依頼先 | 目安となる期間 |
|---|---|
| 日本ロレックス(正規サポート) | 約1ヵ月(状態により変動あり) |
| 時計専門の修理業者(非正規業者) | 約2〜3週間程度 |
ただし、長期間メンテナンスを行っていなかったり、部品交換になったりすると、上記の目安よりも時間がかかる場合もあります。
そのため、事前に見積もりや納期の確認を行うことをおすすめします。
ロレックスのオーバーホールが必要な理由

ロレックスを長期間にわたって良好な状態で使用し続けるためには、定期的なオーバーホールの実施が望ましいです。ここでは、オーバーホールが必要な4つの理由について詳しく解説していきます。
動作不良を防止する
ロレックスの時計は、定期的にオーバーホールを行えば、動作不良を防止できます。
内部には多数の小さな部品が組み込まれており、潤滑油によってスムーズに動作しています。しかし、時間の経過とともにオイルが枯渇し、部品の摩耗が進めば不具合が起こりやすくなります。
オーバーホールでは、古くなったオイルの交換や部品の点検・調整を行い、精度を保つためのメンテナンスが施されます。定期的に行うことで、ロレックスの性能を長く維持できます。
異音を防止する
摩耗によって発生する「カリカリ」や「キシキシ」といった異音も、オーバーホールによって予防できます。
部品同士の摩耗で異音が生じやすくなり、放置すると精度に悪影響を与える可能性があります。
オーバーホールでは、内部を分解し、摩耗や劣化した部品を修理・交換により異音の原因を取り除くことができます。静かで滑らかな動作を保つためにも、適切な頻度でメンテナンスを行いましょう。
防水性能の低下を防止する
経年劣化による防水性能の低下も、オーバーホールで防げます。
ロレックスの防水性は高性能なガスケットに支えられていますが、これらは時間とともに劣化し、水分の侵入を招くおそれがあります。内部に水が入ると、錆びや腐食の原因となります。
オーバーホールでは、劣化したガスケットの交換も行われるため、防水性能を維持できます。特に水や湿気にさらされる環境で使用する場合は、定期的なメンテナンスは必須です。
ロレックスの価値を守る
オーバーホールを行えば、古いロレックスでも価値を保ち続けることができます。
ロレックスはブランド力と耐久性から、単なる時計以上に投資対象としても注目されています。しかし、メンテナンスを怠り内部に不具合が出ると、価値にも大きな影響を与えかねません。
ロレックスは中古市場でも高値で取引されますが、メンテナンス履歴がしっかりと残っているほど査定額が高くなる傾向にあります。正規のオーバーホールにより、見た目や機能が新品に近い状態に保たれ、資産価値の維持にもつながります。
ロレックスの正規店にオーバーホールを依頼するメリット

ロレックスを正規店でオーバーホールを行えば、大きな安心感が得られるでしょう。ここでは、日本ロレックスに依頼することで得られる主なメリットについて解説します。
オーバーホール証明書が発行される
日本ロレックスでオーバーホールを依頼する最大のメリットは、「オーバーホール証明書(国際サービス保証書)」が発行されることです。
この証明書は発行日から2年間、修理箇所に対して保証が適用されます。適切な取り扱いが前提とはいえ、万が一のトラブル時に非常に心強いサポートとなります。
また、国際サービス保証書が付属している時計は、売却時の査定評価が高くなる傾向があります。
これは、正規の作業履歴により、信頼性や価値がより明確に証明されるためです。このように、正規店でのオーバーホールは安心だけでなく、資産価値の維持にもつながります。
純正品で修理ができる
日本ロレックスによるオーバーホールは、純正パーツを使用して行われるため、時計本来の性能や品質が保たれるだけでなく、耐久性の維持にもつながります。
一方で、非純正パーツを使用したオーバーホールには、資産価値の低下や品質のばらつき、日本ロレックスでのアフターサービス対象外となるなどのリスクがあります。
こうした点を踏まえると、ロレックスを長く大切に使いたい方には、正規サービスによるオーバーホールがおすすめです。
ロレックスの正規店にオーバーホールを依頼するデメリット

日本ロレックスにオーバーホールへ出す場合、費用が高額になりやすいこと、ヴィンテージモデルであっても新品パーツに交換されてしまう可能性があるのはデメリットです。ここでは、これらデメリットについて詳しく解説します。
費用が高い
日本ロレックスでオーバーホールを依頼する最大のデメリットは、費用が高額になる点です。
正規店ではオーバーホール証明書が発行されるため安心感はありますが、100,000円前後の費用を目安に考えておきましょう。
一方で、信頼性は重要ですが、数万円程度で対応する時計修理店も存在します。ロレックスの動作が正常で問題なければ、こういった店舗を検討するのもよいかもしれません。
ただし、純正部品の使用や保証内容などは正規店と異なるため、その点は理解しておくことが大切です。
ヴィンテージロレックスも新品部品と交換される
日本ロレックスにオーバーホールを依頼すると、外装パーツが新品に交換されることがあります。
特にヴィンテージロレックスのように経年変化を楽しみたい方にとっては、デメリットと感じられるかもしれません。そのため、オリジナルの風合いや状態をできるだけ残したい場合は、正規店以外を検討してみてもよいでしょう。
ヴィンテージ専門の修理店であれば、必要最小限の部品交換にとどめるなど、状態に応じて柔軟な対応してくれるところもあります。
【正規店】日本ロレックスのオーバーホールの料金表
| モデル | 型番(Ref.) | 参考価格 |
|---|---|---|
| エクスプローラーI | 114270/214270 | 77,000円 |
| エクスプローラーII | 16570 | 77,000円 |
| サブマリーナ | 14060M | 77,000円 |
| サブマリーナー・デイト | 16610/116610 | 77,000円 |
| シードゥエラー | 16600 | 77,000円 |
| ディープシー | 116660 | 77,000円 |
| GMTマスターII | 16710/116710 | 77,000円 |
| ヨットマスター | 16622/116622/168622/169622 | 77,000円 |
| コスモグラフデイトナ | 116520 | 88,000円 |
| オイスターパーペチュアルデイト | 15200/115200 | 66,000円 |
| デイデイト | 118238 | 88,000円 |
※上記はメーカー標準修理価格であり、実際の価格と多少異なる場合があります。
日本ロレックスでのオーバーホールは、確かな技術力と2年間の保証、きめ細やかなサポートが大きな魅力です。ただし、モデルや型番によって費用は異なり、高額なものでは100,000円前後かかることもあります。
日本ロレックスのオーバーホールの流れ
日本ロレックスのオーバーホールの流れは、基本的に以下の4ステップです。
1.「持ち込み」or「郵送」でロレックスを預ける
2.見積もりが出る
3.オーバーホールを行う
4.受け取り・支払い
ここでは、これら4つのステップについて詳しく解説していきます。
「持ち込み」or「郵送」でロレックスを預ける

ロレックスのオーバーホールは、持ち込みと郵送の両方で依頼可能です。
持ち込みの場合は、「正規販売店舗」か「日本ロレックスサービスセンター」のどちらかに直接訪問します。営業時間内であれば、事前連絡は不要です。
一方、郵送で依頼する際には、事前にサービスセンターへ電話連絡が必要です。連絡後、ロレックスから梱包キットが送られてくるので、オーバーホールを依頼する時計を入れて発送します。
見積もりが出る

持ち込んだ、または郵送されたロレックスは、業者によって点検され、オーバーホールの見積もりが作成されます。見積もり金額に同意すると、オーバーホール作業が開始されます。
オーバーホールを行う

オーバーホールの主な作業手順は以下のとおりです。
1.ムーブメント(ダイアルと針付き)をケースから取り外す
2.分解したムーブメントの部品を検査し、品質基準に満たない部品を交換する
3.各部品を超音波洗浄で不純物を除去する
4.ムーブメントを再組立てし、注油を行う
5.防水検査や最終品質検査で性能と外観の基準に満たしているかを確認する
6.専用ポーチに入れ、国際サービス保証書とともに返却する
このように内部だけでなく外装も丁寧に手入れされるため、新品のような美しい状態で時計が戻ってくるのが特徴です。
受け取り・支払い

ロレックスのオーバーホールにかかる期間は、平均して約1ヵ月程度です。
オーバーホールが完了した時計は、郵送またはサービスセンターでの受け取りが可能で、いずれにしろ現金またはクレジットカードでの支払いができます。
また、以前は製品返却時にサービスケースが付属していましたが、現在は時計本体に加えて、国際サービス保証書と請求書(明細書)が返送されます。
これらの書類は、時計を売却する際に査定額のプラス要素になることもあるため、大切に保管しておきましょう。
日本ロレックスに持ち込む場合の注意点

日本ロレックスにオーバーホールを依頼する際には、いくつか押さえておきたい注意点があります。ここでは、オーバーホールを行う際の主な注意点について詳しく解説します。
純正ブレスレットも一緒に持ち込む
日本ロレックスに時計を持ち込む際は、純正のブレスレットも一緒に持参しましょう。
ファッションの一環でブレスレットを交換している方も多いかもしれませんが、純正以外のパーツが付いていると、非純正パーツと判断され、ブレスレット交換費用が追加でかかる可能性があります。
その費用はモデルによって異なりますがバネ、ステンレススチール製でも数万円、金製品であれば数十万円に上ることもあります。
また、時計本体とブレスレットをつなぐバネ棒が欠損している場合も、交換部品とみなされて料金が加算されるため、バネ棒も一緒に持ち込むとよいです。
修理を断られる場合もある
日本ロレックスに持ち込んだすべての時計が必ず修理できるわけではありません。
もちろん、模造品や改造品は修理対象外ですが、「アンティーク」や「ヴィンテージ」と呼ばれる古いモデルについても、受付を終了している場合があります。
例えば、1988年以前に製造された手巻きデイトナや、4桁リファレンスの一部モデルでは、修理を断られるケースが報告されています。
これは、メーカーがパーツを保有する期間に制限があるためです。
製品の生産終了後、一定期間は純正パーツを保有し修理対応を行いますが、その期間を過ぎるとメーカーでの修理ができなくなる可能性があります。
日本ロレックス以外でオーバーホールを依頼できる業者
日本ロレックス以外でオーバーホールを依頼できる主な業者には、「時計修理業者」と「家電量販店」があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、ここでは詳しく解説していきます。
時計修理業者

日本ロレックス以外にも、時計修理業者でオーバーホールを依頼することが可能です。ここでは、時計修理業者を利用する際のメリット・デメリットや、業者の選び方について詳しく解説します。
メリット
時計修理専門業者でオーバーホールを依頼するメリットは主に以下の2点です。
・正規店より費用が安く、作業期間も短い
・1年保証を付ける修理店もある
修理費用は業者によりますが、日本ロレックスの正規サポートと比べて半額から7割程度に抑えられることが多いです。また、正規店で約1ヵ月かかる作業が、時計修理専門店では早ければ2〜3週間で完了する場合もあります。
信頼できる業者に依頼すれば、正規店とほぼ同等の品質でオーバーホールに対応しているため、コストパフォーマンスを重視して非正規業者を選ぶ方も増えています。
デメリット
一方、時計修理専門業者でオーバーホールを依頼するデメリットは主に以下の2点です。
・店舗ごとに技術力に差があり、信頼できる業者を見極める手間がかかる
・日本ロレックスと比べて保証期間が短いケースが多い
専門業者の技術力は店舗ごとに大きく異なるため、依頼前にしっかりと下調べし、評判や実績を確認しましょう。また、保証期間は正規店よりも短いことが多い点も留意してください。
業者選びのポイント
時計修理業者にオーバーホールを依頼する際は、「時計修理技能士一級」や「公認高級時計師」といった資格を持つ技術者が在籍しているかを必ず確認しましょう。
また、ホームページで実績を公開しているか、年間の修理件数がどの程度かもチェックが必要です。口コミ評価も参考にして、信頼できる業者かどうかを見極めるポイントになります。
費用が安く早い対応でも、必ずしも高い技術力が保証されるわけではありません。オーバーホール後の安心を考え、実績と技術力のある業者を選ぶことが大切です。
家電量販店

意外かもしれませんが、大手家電量販店でもロレックスのオーバーホールを依頼できます。ここでは、家電量販店でオーバーホールを依頼する際のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
メリット
家電量販店でオーバーホールを依頼するメリットは主に以下の2点です。
・店舗数が多く、依頼しやすい
・買い物のついでに気軽に依頼できる
家電量販店は駅前や大型商業施設など、アクセスの良い場所に多く展開しているため、利用しやすいのが大きな魅力です。
日本ロレックスや時計修理専門店と比べても店舗数が圧倒的に多く、商業施設内にある店舗なら買い物の合間にオーバーホールをお願いできる手軽さもあります。
デメリット
一方、家電量販店でオーバーホールを依頼するデメリットは主に以下の4点です。
・対応できる時計のモデルが限られている
・修理は外部の専門業者に委託される
・納期が比較的長い(1〜2ヵ月程度)
・場合によっては費用が高くなることもある
まず、家電量販店の修理窓口では、オーバーホール対応のモデルが限られているケースが多く、すべての時計に対応しているわけではありません。
さらに、実際の点検作業は家電量販店では行わず、外部の専門業者に委託されるため、技術力は業者によって差が生じる可能性があります。
また、納期は一般的に1〜2ヵ月とやや長めで、費用についても、内容によっては日本ロレックスに依頼する場合と同程度になることがあります。
そのため、依頼前に納期や費用についてしっかり確認しておきましょう。
ロレックスの修理費用の目安:オーバーホールと併せてチェック

ロレックスの修理費用は、内容によって異なります。ここでは、主な4つの修理項目とそれぞれの費用目安について詳しく解説していきます。
風防の割れ
時計の風防とは、文字盤を覆う透明なパーツを指します。
文字盤や内部の機械を保護し、風や汚れから時計を守る大切な役割を担っています。ただし、外部からの衝撃を受けやすく、傷や割れが生じやすい部分でもあります。
風防が破損していると、内部にゴミや水分が入り込むことが多く、修理費用が追加でかかるケースも少なくはありません。
風防の交換費用は素材によって異なり、目安は以下のとおりです。
| 素材 | 正規店(参考価格) | 非正規店(参考価格) |
|---|---|---|
| プラスチック | 10,000〜20,000円 | 8,000〜15,000円 |
| サファイアガラス | 30,000〜70,000円 | 20,000〜50,000円 |
※正規店では基本的に修理とオーバーホールがセットとなるため、別途オーバーホール費用がかかる場合があります。
ブレスレットの破損
ブレスレットが破損した際の修理費用は、損傷の程度や状態によって大きく異なります。
軽い擦り傷や小さなキズ程度であれば、ほとんどは、研磨によってきれいに仕上げてもらえます。しかし、損傷度合いによっては、ブレスレットやコマそのものを交換しなければならないこともあります。
例えば、すべてのコマが揃っていて留めピンのみが破損している場合、修理費用はおおよそ10,000円程度です。しかし、コマを紛失すると、ブレスレット全体を交換するケースもあり、その際は費用が大幅に高くなります。
以下は、ブレスレット交換費用の目安です。
| 素材 | 正規店(参考価格) | 非正規店(参考価格) |
|---|---|---|
| ステンレス | 100,000~300,000円 | 50,000〜150,000円 |
| K18(イエローゴールド) | 800,000円~1,500,000円 | 300,000~800,000円 |
| プラチナ | 2,000,000円~ | 1,200,000円~ |
※正規店では基本的に修理とオーバーホールがセットとなるため、別途オーバーホール費用がかかる場合があります。
リューズの外れ・破損
「リューズ」は、時刻合わせなどに使用する大切な部品ですが、ロレックスの中でも特に破損しやすいパーツのひとつです。
リューズに異常や破損が見られた場合、多くはオーバーホール(分解清掃)とともに、劣化した部品の交換が必要になります。
そのため、修理費用は比較的高額になる傾向があります。オーバーホールとリューズ交換を合わせた費用は、安くても約40,000円、状況によっては100,000円以上かかることもあります。
リューズの交換を検討する際は、少なくとも40,000円以上の費用がかかると考えておきましょう。
以下は、リューズ交換費用の目安です。
| 素材 | 正規店(参考価格) | 非正規店(参考価格) |
|---|---|---|
| ステンレス | 60,000〜90,000円 | 40,000〜70,000円 |
| K18(イエローゴールド) | 80,000〜130,000円以上 | 60,000〜100,000円前後 |
※正規店では基本的に修理とオーバーホールがセットとなるため、別途オーバーホール費用がかかる場合があります。
針の不具合
時計の針に不具合が見られたら、できるだけ早めに修理に出すことをおすすめします。放置してしまうと、症状が悪化し、修理費用が高額になる可能性もあるためです。
修理内容や交換が必要な部品は、症状によって異なります。ステンレス製の部品であれば、修理費用はおおよそ10,000円程度と考えてよいでしょう。一方、ゴールドや夜光針など高品質な素材を使用している場合は、40,000円前後かかることもあります。
以下は、針交換費用の目安です。
| 素材 | 正規店(参考価格) | 非正規店(参考価格) |
|---|---|---|
| ステンレス | 10,000〜20,000円 | 5,000〜15,000円 |
| ゴールド針・夜光針 | 20,000〜40,000円 | 10,000〜30,000円 |
※正規店では基本的に修理とオーバーホールがセットとなるため、別途オーバーホール費用がかかる場合があります。
針がまったく動かない、または動きが不安定な場合、まずはオーバーホールを実施し、内部の状態を確認した上で修理作業が行われます。こうした不具合の主な原因としては、以下のような点が考えられます。
・内部パーツの劣化や破損
・潤滑油の凝固、または油切れ
これらの修理に加え、オーバーホール費用およびパーツの交換費用が別途加算される点にもご注意ください。
ロレックスのオーバーホールに関するQ&A

ここでは、ロレックスのオーバーホールに関して、よくある質問を2つご紹介します。
日本ロレックスの料金は値上げされた?
オーバーホール料金は、2023年3月に値上げされました。
日本ロレックスでオーバーホールを依頼する場合、基本技術料に交換部品代などが加算されて請求されます。値上げ前の基本技術料は60,000~110,000円程度でしたが、現在はさらに高くなっています。
料金はモデルやムーブメントの種類によって異なり、ケースに金やプラチナなどの貴金属が使われているものは、より高額になる傾向があります。
また、2019年以降は毎年のように価格改定が行われており、2025年にもオーバーホール料金が値上がりする可能性があります。
買取に出す前にオーバーホールを行ったほうがいい?
ロレックスを買取に出す際、必ずしもオーバーホールを行う必要はありません。
確かに、オーバーホールを行えば査定額アップが期待できます。しかし、費用が100,000円近くかかることもあり、その分査定額が確実に上がるとは限りません。
むしろ、交換されたパーツの種類や内容によっては、純正状態を重視するバイヤーからの評価が下がり、査定額が減額されるケースもあります。
仮に査定額が上がったとしても、オーバーホールや修理にかかる費用を差し引けば、結果的に損をするリスクも否定できません。
そのため、たとえ動作不良や修理すべき状態であっても、まずは現状のままで買取専門店に相談し、査定額を確認しましょう。
まとめ
今回はロレックスのオーバーホールについて解説しました。
ロレックスの不具合を防ぐためには、定期的なオーバーホールが欠かせません。日本ロレックスに依頼すれば、証明書が発行されるため安心感があります。
ただし、費用は高額になりやすいため、メンテナンスのみを希望する場合は、信頼できる時計専門店や家電量販店でも対応可能です。オーバーホールを検討されている方は、ご自身が何を重視するかによって、依頼先を選ぶと良いでしょう。


