目次
高まるニーズに応える専門家
ブランド鑑定士とは
ブランド鑑定士は、高級ブランド品や貴重なアイテムの評価を専門的に行うプロフェッショナルです。商品の歴史や製造過程、素材、デザインなどを熟知し、これらの知識を駆使して正確な評価を行います。その結果、適切な価格でアイテムを売買する際に、信頼性と公正性を提供する役割を果たすことができるのです。
求められるスキルと資格
ブランド鑑定士は、鑑定結果が売買価格に直結する重要な役割を果たします。そのため高度な専門知識とスキルを持つことが不可欠です。これらの要件を満たすためには、関連する教育機関での学習や資格取得、現場での経験が大切です。
深い知識と洞察力
ブランドの歴史や特徴、デザインの変遷などについての知識が欠かせません。また、異なる時代や国における製造技術や素材の違いについても理解している必要があります。そして細部にまで注意を払い、偽物と本物の違いを見極める能力が必要です。微細なディテールや仕上げの違いを見抜くことが求められます。
市場トレンドの把握
ブランド市場の動向やトレンドを把握し、需要と供給のバランスを理解することで、適切な価格評価が可能となります。流行に敏感で、情報収集力に長けることが重要です。
コミュニケーション力
顧客とのコミュニケーション能力が重要です。アイテムの評価理由を論理的に説明し、顧客に納得感を提供することが求められます。丁寧に分かりやすく伝える話術は欠かせないでしょう。
専門的な資格
ブランド鑑定士としての資格や認定を取得することで、専門的なスキルを証明できます。国家資格がないため、一般的には関連する業界団体や、教育機関が認定する資格プログラムを受講し、民間の資格を取得します。
実は「ブランド鑑定士」という国家資格は存在しない
ブランド鑑定士になるために必要な国家資格はありません。ですが、顧客からの信頼を高め、専門的なスキルを得るために、取得しておいた方が有利な民間の資格があります。
協会基準判定士
偽造ブランド品や不正商品の流通防止と排除を目指して、1998年に発足した民間団体『日本流通自主管理協会(AACD)』認定の資格です。並行輸入ブランド品や中古ブランド品を取り扱うために必要な知識を習得します。
ソフト研修・ハード研修を受講し、そして試験に合格すると「協会基準判定士」の資格を取得できます。資格取得後も、定期的に開催されるセミナーや研修に参加し、常に新しい情報を更新することが求められます。5年ごとに更新手続きが必要となりますが、偽造や不正品の進化のスピードを考えると、判定士としてのレベル維持のためには必要なルールでしょう。
ただし「協会基準判定士」の研修受講資格は、日本流通自主管理協会に所属する企業に勤務し、その企業の推薦を受けた社員と定められています。一般の人や非会員は、資格を取得できないので注意してください。
G.G(Graduate Gemologist / グラジュエイト ジェモロジスト)
「G.G」は『GIA(米国宝石学会)』が認定する世界最高の宝石鑑定士の資格です。宝石の知識・グレーディングや鑑別技術・ビジネスのノウハウを持ち、更には宝石学のスペシャリストであることを証明してくれます。
アメリカのカリフォルニア州に本校を構えるGIAは、世界的な宝石学教育機関です。同時に鑑別・鑑定機関、更に鑑定に関する研究を行っている研究所でもあります。現在の日本国内でのダイヤモンド鑑定の基準は、このGIAの基準に準じているとされています。そのため最も信頼度と権威がある資格だといえるでしょう。
JBSジュエリー鑑定士
「JBSジュエリー鑑定士」は『JBS(ジャパンジュエリービジネススクール)』が認定する宝石鑑定士の資格です。
宝石自体がもつ純粋なクオリティ評価から、ジュエリーのデザイン、品質評価についての概略や宝石鑑定方法まで、顕微鏡などの鑑別器材を使用しながら学ぶことができます。
本当に将来性のある仕事なの?
ブランド鑑定士の仕事は将来性のある分野と言えます。現在高級ブランド品の需要は、世界中で増加しています。高品質な中古市場も拡大しており、そして残念ながら同時に偽造品の市場も拡大しています。高品質な製品の評価や認定、偽造品の検出や本物との違いを見極める能力を、ブランド愛好家やコレクターに求められているからです。
ブランド鑑定士は、高度な専門知識とスキルを持つことで、需要の高い専門家としてのキャリアを築くことができます。ただし、競争が激しい分野でもあり、適切な資格や経験を積み重ねることが、成功の鍵となります。将来性がある仕事と言える一方で、継続的な学習と専門知識の更新が不可欠です。
ブランド鑑定士になるためには、買取専門店や質屋などに就職するのが一般的です。実はブランド鑑定士は未経験者歓迎という求人が多いのが特徴です。ブランド鑑定士を募集している企業の多くは、自社で研修制度を設けています。一から技術を教えられる環境が整っているため、もしも今現在未経験者であったとしても、求人サイトなどで募集があるか探してみましょう。
まとめ
ブランド鑑定士の「気になる資格について」少しお話しいたしました。ブランド鑑定士はドリームジョブになりえる職業だといえるでしょう。そしてブランド鑑定士になるために、特別な資格や検定などは必ずしも必要ではありません。第一にブランド品が好き、そして学ぶ意欲があることが大切な職業なのです。