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9月の誕生石「サファイア」の基本情報
9月の宝石であるサファイアは、どのような特徴があるのでしょうか。硬度や原産地などの基本情報から紹介します。
サファイアの特徴
9月の誕生石であるサファイアは、深い青色をしており、ルビーと同様のコランダムと呼ばれる鉱物でできている宝石です。真っ赤な色をしているものはルビー、赤以外はサファイアとされます。
コランダムは酸化アルミニウムの結晶からできている鉱物であり、結晶そのものに色はなく透明です。鉄とチタンを同時に含んで初めて青くなります。
しかし、天然のままできれいな青色のサファイアは極めて希少です。多くは鮮やかさや色そのものを良くするために加熱され、美しい仕上がりになります。
鉱物や宝石の硬さは、モース硬度スケールで決まります。ダイヤモンドのモース硬度スケールはコランダムと1つしか変わらないものの、コランダムの何倍も硬いことが特徴です。
サファイアのモース硬度
コランダム(ルビーとサファイア)は硬い石で、モース硬度は9です。靭性に優れ、衝撃を受けても劈開(へきかい)しません。
そのため、指輪などの日常使いのジュエリーに最適です。
サファイアの原産地
サファイアの産地は複数ありますが、スリランカは伝統的な産地です。スリランカで産出されるサファイアは透明度が高いため、若干紫のように見える青色をしています。
また、ミャンマーはサファイアの産出量は多くないですが、採掘される数少ないサファイアのなかには、「ロイヤルブルーサファイア」があります。ロイヤルブルーサファイアは彩度が高いため、非常に鮮やかな青色をしたものがあります。
さらに、インドのカシミール地方のサファイアは、他国のブルーサファイアに比べて輝度と彩度が高いことが特徴で、品質も非常に高いです。
ほかには、ナイジェリアでも近代からサファイアが採掘されていますが、安定した産出はできていません。オーストラリアは世界で最大のサファイア鉱山がいくつも発見されています。
サファイアの歴史
サファイアは聖書にも出てくる宝石であり、神に近い天と地の象徴とされ、古来より聖なる石としてされてきました。
歴代のローマ法王は、聖職者の証として身につけていたといいます。
サファイアの指輪をはめたまま信者に触れると、信者は苦しみや悩みから解放されると信じられていました。
価値が高いのはブルーサファイア
サファイアは、エメラルド、ルビー、ダイヤモンド、アレキサンドライトとともに「五大宝石」のひとつとして知られています。
なかでもブルーサファイアは特に希少価値が高いとされており、最高品質のものは「コーンフラワーブルー」という濃い青色です。
伝統ある英国王室でも、ブルーサファイアは王冠やティアラなどのジュエリーによく使われています。
古代ギリシャや中世でブルーサファイアは、目の疾患を完治させ、人間を苦しみから助けるがあると信じられていました。
「聖人の宝石」とも称されており、司教が指輪として使用しています。信者に触れて慈悲と誠意を与え、苦しみや悩みを癒すと信じられている宝石です。
【カラー別】サファイアの意味や宝石言葉
サファイアには、さまざまな色があります。
「ファンシーカラーサファイア」に分類されるサファイアは、ピンク、バイオレット、イエロー、グリーンなど、虹のような色の種類が魅力です。ここでは、それぞれの色を紹介します。
ブルーサファイア
ヨーロッパには古くから、花嫁が4つの「サムシング」を身につけると幸せになれるという迷信があり、そのひとつが「サムシング・ブルー」です。
青は「誠実さを象徴する色」とされています。そのため、花嫁が純潔を示す純白のなかに、青い何かを身につけると良いとされています。純潔を示すアイテムとして、指輪の内側にブルーサファイアを埋め込む方が多く、この言い伝えがルーツとなっています。
結婚指輪のほかにも、石そのものに「誠実」「一途」という意味があることから、婚約指輪でサファイアを購入する方も多いです。
パパラチアサファイア
「キング・オブ・サファイア(サファイアの王)」とも呼ばれる希少なサファイアです。
ピンクにも見えるオレンジの輝きは、品の良さと暖かみを感じさせます。ファンシーカラーサファイアとしては最高ランクです。
また、パドパラドシャサファイアの石言葉は以下のとおりです。
・信頼
・思いやり
・決断
・忠実な愛
信念を伝える石言葉は多く、希少性の高さから「サファイアの王」とも称されるパパラチアサファイアに最適です。
ピンクサファイア
ピンクサファイアは、真っ赤で情熱を感じさせるルビーとは異なり、フレッシュでエレガントな雰囲気を放つ明るい色です。
可愛さのなかにも大人っぽい美しさを感じさせる輝きは、女性を魅了するでしょう。ピンクサファイアの石言葉は以下のとおりです。
・可愛さ
・魅力
・母性
優しく、淡い色のピンクサファイアは女性から人気があり、恋のお守りとしてもよく選ばれています。
バイオレットサファイア
バイオレットサファイアのバイオレットのような紫の輝きは、ブルーサファイアとは異なり上品で神秘的な魅力を放ちます。
その透明感があるスピリチュアルな美しさは、紫色の宝石としても珍しく、特別な存在です。バイオレットサファイアの石言葉は以下のとおりです。
・高貴
・神秘
・知性
エレガントで大人っぽいバイオレットサファイアにも、見た目に似た石言葉があります。
華やかでありながら落ち着いた大人のイメージがあるため、年齢を重ねた方からも人気がある色です。
ホワイトサファイア
無色や、薄く黄色く見えることが特徴です。「カラーレスサファイア」ともいわれ、サファイアやルビーといったコランダム鉱物が元々持つ無色の状態のものです。
微量元素の存在によって発色することが多いため、色が付いていない石は非常に珍しいといわれています。
ホワイトサファイアにはほとんど色はなくクリアで、ダイヤモンドと間違えられることもあります。ホワイトサファイアの石言葉は以下のとおりです。
・知性
・聖なる力
ホワイトサファイアには、神秘の力があるといわれています。
グリーンサファイア
グリーンサファイアは、はちみつに似た黄色がかったグリーンと、青りんごの皮のようなグリーンが混ざりあったクリアなグリーンが特徴です。
きれいな葉を連想させる爽やかさがありながら、どこか神秘的な印象も持っているサファイアです。グリーンサファイアの石言葉は以下のとおりです。
・思いやり
・知性
・純粋
優しい雰囲気があるグリーンサファイアは、性別問わず人気のある宝石です。思いやりや知性など、男女ともに好まれる石言葉も魅力のひとつです。
イエローサファイア
イエローサファイアは、はちみつに似た深い黄色が鮮やかに輝きます。
レモンイエローの爽やかな色合いは、ゴールドとはまた違った透明感のある華やかな輝きを含んでおり、イエローシリーズのなかでも美しい石とされています。
イエローサファイアの石言葉は以下のとおりです。
・真実
・行動
・目標を達成する
イエローサファイアは、大きな試験を受ける方や、人生を変えるようなチャレンジをする方に最適な宝石です。また、大切な人のチャレンジを後押しするために、サファイアを贈る方も多いです。
サファイアを身につけると現れる効果
サファイアは身につけることで、さまざまな効果を得られるパワーストーンとしても有名です。そこで、サファイアに期待できる効果を紹介します。
成功をへ導く効果
パワーストーンは、ルビーが情熱的な炎をイメージする誕生石、反してブルーサファイアは洞察力と冷静な判断をイメージさせる誕生石です。
科学的な根拠はないものの、サファイアには感情の混乱や苛立ちを鎮め、悩みを吹き飛ばし、直観力や冷静な判断力をもたらして真実を見抜く鎮静作用があるといわれています。
そのため、知識や知性も向上させられ、自分に自信を持たせ、成功へと導いてくれるといわれる誕生石のひとつです。
何か新しいことに挑戦しようとしている方や意欲的な方にサファイアを贈れば、応援してくれる石になるでしょう。
恋人や夫婦のきずなを強める効果
非常に深く、空のように広い気持ちをイメージさせる、慈愛に満ちたスピリチュアルな石です。
ダイヤモンドに次いで硬く、ダイヤモンドと比較して衝撃に強いため、恋人や夫婦の強い絆を更に強くする石として親しまれています。
サファイアと相性が良い石
9月の誕生石で、9月生まれの方へのお守りや贈り物としても大変人気のあるパワーストーンです。
また、水晶と一緒に使用したり持ち歩いたりすると、邪気や悪意から身を守る効果が高まります。
ルビーと組み合わせると仕事運がアップするといわれ、サファイアの凝縮感とルビーの作用が効果を更に高めてくれるでしょう。
さらに、実行力や達成力を持つファイヤークォーツとの相性もよく、組み合わせれば仕事を成功させたい方、これから起業したい方に重要な力を向上させてくれます。
サファイアは結婚23周年の結婚記念石
結婚23周年は、「サファイア婚式」といわれています。
馴染みは薄い風習ですが、結婚23年目の夫婦がサファイアをプレゼントし合う習慣があります。
また、結婚45周年をサファイア婚式と呼ぶケースもあります。45年という区切りの記念日のため、特別なサファイアが最適でしょう。
サファイアを送るのに最適なイベント
サファイアには神聖な力があると信じられてきたため、古くから守りたい相手や大切な方に対して贈られてきました。ここでは、サファイアをプレゼントするのに最適なタイミングを紹介します。
成人祝い
成人して自立するにつれて、親から離れて、自分の考えや行動で人生を歩んでいくようになります。
サファイアは、「大切に想い、見守っている」という感情を伝えるのにふさわしい贈り物です。
誕生祝い
守護の意味を持つサファイアは、新たな生命の誕生を祝福するときにおすすめです。
また、生まれた赤ちゃんの明るい未来を守るために、ファーストジュエリーとしてサファイアを贈るケースもあります。
子どもの頃は身につける機会がありませんが、大人になって身につけられる宝石であり、高価なアイテムとして長く愛用できます。
結婚祝い
サムシングブルーに関連し、サファイアをあしらったものを結婚祝いにプレゼントすることもおすすめです。
特に、新しい家族を持った娘へのプレゼントに選ばれる方が多いです。
結婚しても家族の絆が切れることなく、幸せな結婚生活を送ってほしいという願いを、宝石を通して伝えてみるのもよいでしょう。
サファイアのお手入れ・保管方法
サファイアは、宝石のなかでも耐久性が高く、普段使いに適していますが、毎日身に着けていると汚れてきます。最後に、サファイアのメンテナンス方法を紹介します。
サファイアのお手入れ方法
中性洗剤を入れたぬるま湯(30度程度)にサファイアを浸すと、汚れが溶けます。サファイアが傷つかないブラシで、優しく撫でるように洗ってもよいでしょう。
また、汚れが頑固な場合は30分ほど浸けておくと汚れが落ちます。洗った後は流水ですすいで洗剤分を落とし、残った水分は拭き取ります。
サファイアの保管方法
サファイアそのものは硬度が高いため傷がつきにくい石です。
しかし、サファイアが他の宝石を傷めることがあります。保管の際は、必ず他の宝石と分けましょう。
また、サファイアは紫外線の影響を受けやすく、紫外線に長時間当てると退色・変色することがあります。直射日光が当たる場所や、湿度が高い場所での保管は止めましょう。
まとめ
ファンシーカラーサファイアには、天上の宝石と呼ばれるブルーサファイアをはじめ、さまざまな色があります。毎日お手入れしているのに透明感がなくなってきたと感じたら、買取業者に売却する方法も有効です。
大切なサファイアを高価買取してもらい、新しいジュエリーを購入するのもよいでしょう。