オパールとは?
オパールは、二酸化ケイ素と水の混合物から生成されます。水が地中を流れるとき、水は砂岩からシリカ(ケイ素)を吸収します。このシリカが豊富な混合物は、自然の断層や腐敗した化石の亀裂や空隙に運ばれます。水が蒸発すると、シリカの堆積物が残ります。このサイクルが非常に長い期間にわたって繰り返されることで、オパールが生成されます。
オパール、名前の由来
オーストラリアでオパールは、1800年代半ばに発見されました。そこから、オパールの採掘は南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州に広がりました。それ以来、オーストラリアはオパールの名産地としての地位を確立しています。
オーストラリアは、世界最高品質のプレシャスオパールの産地です。プレシャスオパールは、「遊色」という虹色に揺らぐような光の反射が特徴のオパールです。ホワイト、グレー、グリーンのオパールが一般的で、ブラックオパールは最も希少なオパールとみなされています。
オーストラリア以外にもアメリカ、南米諸国、東欧やタンザニア、インドネシアなどでオパールは採取されますが今日、オーストラリアはプレシャスオパールの95%以上の産地であり、その大部分は南オーストラリア州産です。オーストラリア人が1993年にオパールをオーストラリアの国の宝石と宣言したのは、おそらくこの理由によるものです。
天然オパール
天然のオパールは、カットと研磨以外の加工処理がされていないオパールです。また、オパールが鉄鉱石などの隙間で生成されたものを「ボルダーオパール」と呼びます。これも鉄鉱石とオパールが自然現象で一体化したものなので、天然オパールと見なされます。天然オパールの色合いは黒、白、さまざまなグレーの色合いまでさまざまです。またどの色のオパールも半透明~透明で、色の透明度が高い場合、クリスタルオパールと呼ばれることがあります。
ブラックオパールは、オパールの中で最も人気があり、主にライトニングリッジで産出されます。高品質の石は非常に稀です。ブラックオパールは、正面から見ると、黒色のボディ内部またはボディ上で遊色効果を示します。クリアオパールやボルダーオパールと比較しても希少性が高いため、ほかのオパールと同等の色、クラリティ、パターンである場合はより高価になる傾向があります。
クリスタルオパール・ホワイトオパール
無色~グレーの色味を持つ天然オパールは、クリスタルオパールやクリアオパールと呼ばれます。乳白色のものはホワイトオパールとも呼ばれます。クリスタルオパールはプレシャスオパールの大部分を占めています。主にクーバーペディとミンタビーで採掘されましたが、最初の鉱床はホワイトクリフで発見されました。
ボルダーオパール
ボルダーオパールは、少し先述しましたが、母岩がオパールと一体化した状態で自然に形成されているプレシャスオパールです。ボルダーオパールは、通常、オパールが鉱石の亀裂や空隙を埋めるものとして発生します。虹色に光るオパールの間に模様のように別の鉱物が混ざり合っている様が個性的です。主に、クイーンズランド州西部の特定の場所で見られます。
このタイプの人気は、1970年代半ばから急上昇しました。母岩が珪岩(クオーツサイト)である南オーストラリアのアンダムーカでも、さまざまなボルダーオパールが見られアンダムーカ産のものは特に「painted ladies」と呼ばれています。
マトリックスオパール
マトリックスオパールもボルダーオパールの一種で、母岩の粒子間の細孔や岩の隙間にオパールが入りこんでいるものです。特に網の目状にオパールが輝くものは美しく、評価されます。
オーストラリアのオパール産出地
オーストラリアには多くのオパール産出地がありますが、クーバーペディ(Coober Pedy)、アンダムーカ(Andamooka)、ホワイトクリフ(White Cliffs)、ライトニングリッジ(Lightning Ridge)の4つの町がとくに有名です。これらの土地は人の手から離れた野生の土地であり、これらの地で人々は、宝石を探すために厳しい気象条件と戦っています。オパールのオーストラリアの輸出市場は、年間2億オーストラリアドルにも上ります。
●ニューサウスウェールズ州
オーストラリア連邦東南部に位置する州で、「ライトニングリッジ」はイギリス人が最初に入植した入植地、でありブラックオパールが最初に発見された場所です。
ニューサウスウェールズ州の北西に位置する「ホワイトクリフ」もまた、オパールの名産地です。主にホワイトオパールまたはクリスタルオパールを生成します。ホワイトクリフは、独特な形状がユニークな、オパールの化石「オパールパイナップル」の生産でも有名です。これらの珍しい化石は、グラウベライト(またはイカアイト)の鉱物結晶が方解石に変わり、さらにオパール化されたときにのみ形成される、非常に珍しいものです。
●クイーンズランド州
クイーンズランド州はオーストラリア連邦北東部の州で、ボルダーオパールの産地として有名です。この種のオパールは州西部の白亜紀の風化した堆積岩や堆積物に見られます。オパールで有名な町、クイルピーは様々な色のオパールが見つかるとして知られています。そして「ボルダーオパール」の本拠地とも呼ばれます。また、オパルトンは、クイーンズランド州で最大かつ最も多く採掘されたオパール鉱床の1つです。ヨワは、クイーンズランド州西部で最南端のオパール採掘地です。ヨワの特徴の1つは、一般に「ヨワナッツ」と呼ばれる珪質砂岩の塊の中に貴重なオパールが存在するものです。
●南オーストラリア州
アンダムーカ、クーバーペディ、ランビナ、ミンタビーの4つの主要なオパール採掘場があります。南オーストラリア州は最大のオパール生産量を誇り、とくにホワイトオパールなどの乳白色のオパールを産出しています。
クーバーペディは、世界のほとんどのホワイトオパールを生産しているといっても過言ではありません。クーバーペディのオパール採掘場は、南オーストラリアの奥地にあります。より正確には、アデレードの北750kmにあるマウントスチュアートにあります。
アデレードの北520kmに位置するアンダムーカはボルダーオパールで有名です。また、井戸掘り師のラリー・オトゥールは、1920年代にミンタビーで最初のオパールを発見したとされています。ミンタビーは最も新しいオパール産地です。1978年に良質なオパールが発見され注目を集めました。
ランビナでは1980年代後半に、セブンウォーターホール鉱山でオパールが発見されたことを皮切りに、ちょっとしたオパールラッシュが起こりました。
まとめ
このようにオーストラリアは世界最大のオパール産出国で、特にブラックオパールにおいては最高級のものを産出する名産地です。国の広い範囲でオパールが産出されており、地域によって違った個性のものが採掘されるため、様々なバリエーションが存在する点も興味深いです。