HOORSENBUHSの歩み
HOORSENBUHS(ホーセンブース)は、ロサンゼルスを拠点とするファッションおよびファインジュエリーのブランドです。とくに職人によって手作りされたリング、カフス、ネックレスなどで知られ、2005年に創業して以来、ラグジュアリーファッションとしてだけでなく、スタイルを確立するブランドとしても認識されています。
HOORSENBUHSという名前は創設者でクリエイティブディレクターのロバート・キース(Robert Keith)の祖先が航海した、16世紀のオランダの商船にちなんで名付けられました。キースは、ある特別なピースをきっかけに、2005年ホーセンブースを設立します。
その特別なピースとは、トライリンクリングです。70年代の世代から世代へと受け継がれる伝統的なゴールドジュエリーからインスピレーションを得たデザインのリングです。トライリンク モチーフは、船の錨を繋ぐチェーンのようなデザインで、「強さ」「品質」「永遠の豊かさ」を象徴する、ホーセンブースのアイコン的存在です。
重みのあるローズゴールドのカフスや18Kゴールドの婚約指輪から、プラチナのパヴェチェーンやスターリング シルバーの南京錠まで、あらゆるデザインに織り込まれています。
アトリエと旗艦店の開設
キースと彼の長年の友人であるケザー・パーカー(Kether Parker)は、サンタモニカにホーセンブースのプライベート アトリエをオープンしました。ひっそりと佇む完全予約制のこのスタジオには、インフルエンサー、エンターテイナー、ミュージシャン、アーティスト、ブランドの重要な顧客が集まりました。
2016年後半、ホーセンブースはニューヨーク市のブルーム ストリートに初めて一般向けギャラリーを公開し、2018年にはサンタモニカのメインストリート 2217番地に居を構え、フラッグシップショップと現在のアトリエを併設しました。照明から、トライリンクの装飾が施されたオブジェまで、空間はすべてキースによって設計されました。このスタジオでは、ホーセンブースのジュエリーに加えて、アパレルアイテムやレザープロダクト、オーダーメイド家具の限定コレクションなども展開しています。
ホーセンブースは、バーグドルフ・グッドマン、マックスフィールドをはじめとする世界中の高級ブティックで販売されています。海外での需要も増加しており、アジア市場では、日本、香港、韓国で強力な存在感を示しています日本ではクロムハーツなどのハード系アクセサリーのファンから熱いまなざしを浴びています。木村拓哉や山田涼介などの芸能人も着用しているそうです。日本では伊勢丹新宿店やGINZA SIX、ESTNATIONなどで展開されています。
ダミアン・ハーストとのコラボレーション
アーティストのダミアン・ハーストは、ホーセンブースの最も著名な協力者の1人です。ダミアン・ハーストとのコラボレーションとして、薬やカプセルの形をしたジュエリーのカテドラル コレクションが発表されました。宝石をちりばめた薬のカプセルリングとカプセルから薬が零れ落ちるチャームのついたロザリオが、25個の数量限定でリリースされ、注目されました。
長いビーズのところどころにピルが配された「ピルロザリオ」は、十字架の代わりにハーストのモノグラムが入った黄金のカプセルに置き換えられています。カプセルからは、ルビーとダイヤモンドの”内包薬”がこぼれ落ちており、デザインとしてリュクスとキッチュを絶妙に融合させています。
同様に宝石がちりばめられたピルの集合体のような分厚い「ピルリング」は、もはやオブジェとすら言える芸術性です。
もともと、ダミアン・ハーストの作品として「ピル キャビネット」は有名です。同氏が2005年に手頃な価格で高品質のアートを販売することを使命として設立したOther Criteriaで作成されたブレスレットもこのピルモチーフを採用し、様々な種類のシルバー ピルチャームがついたブレスレットでした。そのためダミアン・ファーストのファンからは、新たなピルシリーズとしても注目されました。このコレクションについて、「現代美術をアクセサリーとして再解釈する」と、ホーセンブースの説明には書かれています。
最後に
KeithとParkerはホーセンブースを「アメリカンヘリテージブランド」つまりトレンドを超越するブランドとして認識しています。彼らのジュエリーは、ロサンゼルスで一つ一つ職人の手によって製作されています。デザインとしてもクオリティとしても、時間を越えうるホーセンブースの作品が、家宝のように代々家族の間で受け継がれるような存在であってほしいと、二人は願っているそうです。