目次
グロッシュラーガーネットとは?
グロッシュラーガーネットは、ツァボライトなどの名称で親しまれている宝石を含むガーネットの一種で、宝石やパワーストーンとして重用されています。
ドイツ語読みのグロッシュラーガーネット(GrossularGarnet)、英語読みのグロッシュラライトガーネット(GrossulariteGarnet)の2つの呼び名がありますが、どちらも正式な宝石名です。一方で、グロッシュラーガーネットの方が一般的な呼び方として定着しています。
グロッシュラーガーネットの基本情報
グロッシュラーガーネットはガーネットの一種を指す言葉で、基本情報は以下のようになります。
グロッシュラーガーネットの基本情報 |
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和名 | 灰礬柘榴石(かいばんざくろいし) |
分類 | ケイ酸塩鉱物中のネソケイ酸塩柘榴石群に属する鉱物の一種 |
化学式 | Ca3Al2(SiO4)3 |
モース硬度 | 6.5~7.5 |
原産地 | 「ケニア」「イタリア」「スリランカ」「メキシコ」「カナダ」など |
宝石言葉 | 「決断力」「知恵」「勝利」「導き」「愛情」など |
グロッシュラーガーネットの意味と宝石言葉
グロッシュラーガーネットは例え困難なことでも行動して突破できる力を与えるという意味を持っています。決断力がチャンスの扉を開く鍵となり、心配ごとを解消するサポートとして持ち主を守ってくれるでしょう。
宝石言葉には「決断力」「知恵」「勝利」「導き」「愛情」などがあり、変化の激しい現代社会において、バランスを調律してくれる 「お守り石」 として注目されています。
グロッシュラーガーネットの産出国や産地
グロッシュラーガーネットはスカルン鉱床や流紋岩内部など、様々な場所から産出し、世界中の様々な場所で採る事ができ日本でも福島県伊達市霊山地域や長野県川上村などで見つかっています。
一方で、ジュエリーに用いられるジェムクオリティのものとなると産出地は限定され、「ケニア」「イタリア」「スリランカ」「メキシコ」「カナダ」などが産出国として有名です。
グロッシュラーガーネットの名前の由来
グロッシュラーガーネットは色や形が西洋スグリ(グースベリー)の実に似ていたため、西洋スグリのラテン語名であるグロッシュラリア(Grossularia)が語源となってこの名前がつきました。
グロッシュラーガーネットの特徴や魅力
カラーの種類が豊富なグロッシュラーガーネットは色の違いによって名前もそれぞれつけられており、無色カラーの場合はリューコガーネット、オレンジ系の色はヘソナイトガーネットなどと呼ばれています。
ツァボライトの別名をもつグリーンガーネットは、古くから多くの国や地域で「癒しを持つ石」として大切にされてきました。古代エジプトやギリシャなどでは宝飾品としても愛用されていた歴史を持つなど、色合いによって様々な顔を持っています。
グロッシュラーガーネットの種類
グロッシュラーガーネットは物質の含有量や地域によって、色相が大きく異なる宝石です。その色相や産出場所の違いによって様々な種類のグロッシュラーガーネットが存在しています。ここではそんなグロッシュラーガーネットの種類についてご紹介します。
グリーンガーネット(ツァボライト)
グリーンガーネット(ツァボライト)(Green Garnet または Tsavorite)とは、1960年代にケニアとタンザニア国境付近の鉱山地区から発見された、グロッシュラーガーネットの一種です。
ツァボライトの由来は、代表的な産出地「ツァボ国立公園」から取られて おり、有名宝石ブランドであるティファニー社のプロモーションにより大きく知名度を上げた宝石です。インクルージョンが少なく、屈折率の高いことからエメラルド以上の輝きが楽しめる可能性を秘めています。
以前は同じ緑の色相をもつデマントイドガーネットの区別がついていませんでしたが、現在ではグリーンガーネット=ツァボライトと認知されています。
ミントガーネット(ライムガーネット・ミントグリーンガーネット)
明るめのグリーンに青や黄色の入ったグロッシュラーガーネットをミントガーネット又はライムガーネットと呼びます。上述したツァボライトと似ていますが色相が若干異なり、バナジウムやクロムの含有量などの成分量の差が色の違いとして表れています。
近年、紫外線によって強く蛍光発色する、UVタイプのライムガーネットが登場したことで注目を集めています。このような石は希少なため、コレクションストーンとして人気が高く、1ctを超える大きなものは高値で取引されています。
ヘソナイト
ギリシャ語でもっと少ないという意味の「hesson」に由来すると言われるヘソナイトガーネット。別名オレンジガーネットと呼ばれ、オレンジからオレンジブラウンの色合いが美しいガーネットです。
結晶内にトリークルと呼ばれる特殊なインクルージョンをもつのが特徴で、水の中にハチミツやメイプルシロップを流し込んだような「流紋」が確認でき、ギラギラしないまろやかな輝きが人気です。
リューコ/ホワイトガーネット
ギリシャ語で白を意味するリューコスに由来するリューコガーネットは、透明度が高く、ダイヤモンドのような輝きをもつグロッシュラーガーネットです。別名カラーレスグロッシュラーとも呼ばれています。
グロッシュラーガーネットの中でも産出率が低く、ダイヤモンドでいうDカラーのような完全な無色透明のものはほとんど存在しないといわれています。大粒のものとなると更に希少で、コレクター垂涎の宝石といえます。
マリガーネット
コニャックブラウンからイエローグリーンまで様々な色相が存在する マリガーネットは、グロッシュラーガーネットとアンドラダイトガーネットが混ざり合い、二種類の成分をもっているガーネットの固容体です。
マリガーネットの由来は産出地がマリ共和国に集中していたため、産地を由来とした名前で呼ばれるようになったのです。基本的には1ct程度の大きさが主流ですが、ごくまれに10ctを超える大きなものもあり、高値で取引されています。
グロッシュラーガーネットと相性のいい石
グロッシュラーガーネットはジュエリー以外にもパワーストーンとしても人気の高い石です。ここではパワーストーンとして組み合わせると相乗効果が発揮される組み合わせをご紹介します。
グロッシュラーガーネット × ローズクォーツ
女性を輝かせてくれる石、「ローズクォーツ」は愛のパワーストーンとして有名なので恋愛成就を目的として身につけている方もいると思います。
ローズクォーツにグロッシュラーガーネットを組み合わせて持つことで、自分を愛するという部分にもフォーカスされ、本来の自分を表現できるようサポートしてくれるでしょう。女性らしさを上手に使って未来への愛を生み出したい人にはとても良い組み合わせといえそうです。
グロッシュラーガーネット × サンストーン
「サンストーン」はその名の通り太陽のようなエネルギーを所有者に与えてくれます。必要以上に自分を過小評価してしまう人には安心感や気持ちの強さを注ぎ込んでくれるでしょう。
サンストーンに「勝利」の効果をもつグロッシュラーガーネットと組み合わせることで、抜け出せない不安な感情に飲み込まれることなく心に光を差し込み、才能開花にも期待できる組み合わせになります。
グロッシュラーガーネット × スモーキークォーツ
「スモーキークォーツ」は大地と繋がり、精神的なエネルギーと身体的なエネルギーのバランスを取るグラウディングに有効とされているパワーストーンです。
スモーキークォーツに「導き」の効果をもつグロッシュラーガーネットと組み合わせることで、不安定だったりエネルギーが戻ってこないと感じている場合でも、本来の活力を取り戻してくれるでしょう。
心の成長を助け、目的達成の場所までしっかりと導くため着実な成功の手助けをしてくれるでしょう。
グロッシュラーガーネットとよく間違えられる宝石
南アフリカで産出するグロッシュラーガーネットの中には、半透明な緑色をしたハイドログロッシュラーと呼ばれるものがあります。これは翡翠と見た目がそっくりなため、南アフリカ翡翠やトランスバール翡翠と呼ぶこともあります。
しかし、ハイドログロッシュラーは宝石としての価値は翡翠に劣っているため、翡翠と偽ってこのガーネットが売られる事もありました。そのため、この名称はフォルスネームとも言え、使用することは避けた方が良いでしょう。
グロッシュラーガーネットのお手入れ方法と保管方法
グロッシュラーガーネットに限らず、宝石はその輝きを保つために定期的にお手入れや適切な保管方法で保管する必要があります。ここではそれらの方法についてまとめました。
グロッシュラーガーネットのお手入れ方法
ガーネットは比較的安定している宝石のため、基本的なお手入れは、他の宝石と同様にぬるま湯に中性洗剤を溶かし、ブラシや柔らかい布などで優しく洗浄する方法で問題ありません。
ガーネット単体であれば、超音波洗浄を行うことも可能です。 手ではとりきれない汚れが気になっているとき、ひどい汚れがついてしまったときには、超音波洗浄でのお手入れを検討してみてください。
グロッシュラーガーネットの保管方法
グロッシュラーガーネットを保管する際は、仕切りのあるジュエリーボックスか、専用の箱に単独で入れましょう。ガーネットはモース硬度が7程度あるため、鉱物の中では比較的硬いのですが、ダイヤモンドやルビーなどと一緒に保管するとキズがつく場合があります。
また、ガーネットは極端な温度変化に弱いため、保管場所の温度が低すぎたり、直射日光が当たってしまうような場所は避けて保管するようにしてください。
グロッシュラーガーネットのパワーストーンのお手入れ方法
グロッシュラーガーネットは宝石としても人気がありますが、透明度が低く宝石用途ではなくアクセサリー用のビーズ等に加工され、パワーストーンとして利用される場合も多いです。
パワーストーンとしての効能を回復させるお手入れ方法としては、水晶と一緒に保管し浄化したり、月光浴や流水による洗浄、ホワイトセージをつかった浄化がおすすめです。
グロッシュラーガーネットの価値基準
グロッシュラーガーネットは品質によって取引価格が大きく変わり、その価値を決める要素としてダイヤモンドでいう4Cのような項目が4つあります。ここではその4つの基準について詳しくご紹介します。
基準①色
グロッシュラーガーネットの価値基準としてまず挙げられるのが宝石の色相です。グロッシュラーガーネットは種類によって様々なカラーがありますが、基本的に色が濃く美しいものほど価値が高くなります。
例外として色が濃すぎて黒ずんで見えてしまっているものは価値は下がりますし、リューコガーネットは色が無色に近いほど価値が上がります。
基準➁大きさ
グロッシュラーガーネットに限った話ではないですが、宝石の価値を語るうえで、大きさは重要な基準です。大きさを表す目安としてもよく用いられているのは重量を表すct(カラット)です。
ジュエリーとしてよく用いられる大きさは大体1ct前後のものであり、これ以上のものは原石の数が極端に少なくなるため3ct以上の大きさのグロッシュラーガーネットはかなり高額で取引されています。
基準③透明度
クラリティとも呼ばれる透明度は、ダイヤモンドをはじめ、様々な宝石の価値において重要な基準となっています。グロッシュラーガーネットも例外ではなく、透明度が高いほど価値は高くなります。
濁っているものはハイドログロッシュラーなどともいわれ、宝石としてではなくパワーストーンとして安価で取引されています。
基準④輝き
輝きもグロッシュラーガーネットの価値を決める重要な基準です。これは宝石のカットの仕方によっても大きく変わり、デザイン性と輝きが両立しているものほど高価となります。
それとは別に、UV(紫外線)に対しての蛍光性が強くでるものについては、別途コレクターアイテムとしての付加価値がつく場合があります。そのようなグロッシュラーガーネットも高値で取引されます。
グロッシュラーガーネットの販売価格と買取価格
透明度の高いグロッシュラーガーネットはジュエリー用途で使われ、様々なアクセサリーに加工されています。ここではそれらがどの程度の金額で取引されているかについてご紹介していきます。
グロッシュラーガーネットの販売価格
グロッシュラーガーネットは産地やカラーが多岐にわたるため、そうした特徴が価格に直結します。グロッシュラーガーネットの中でも人気が高いケニア産のツァボライトやリューコガーネットであれば、ルース状態で1カラットが100,000円を超えることも珍しくありません。
一方で透明度が低いものに関しては宝石としての価値はほとんどなく、パワーストーンや鉱物標本用として1000円程度で手に入れることも可能です。
グロッシュラーガーネットの買取相場価格
グロッシュラーガーネットジュエリーの買取相場は、宝石自体の品質はもちろんですが、ジュエリーの地金部分の材質や重さによっても金額が大きく変わります。
品質のよいグロッシュラーガーネットを用いた指輪であれば5万円を超える場合も多く、希少性の高い大粒のグロッシュラーガーネットが用いられているネックレスなどであれば10万円を超える金額がつくことも珍しくありません。
詳細な金額が知りたい場合は、「買取大吉」であれば無料で査定や相談ができるため、査定だけ受けてみるのもいいと思います。
まとめ
今回はグロッシュラーガーネットについてご紹介しました。様々な色合いがあり、その人の好みに合わせてジュエリーを探せるグロッシュラーガーネットは、どんな人にもおすすめできる宝石といえます。
少しでも興味が湧きましたら、是非お気に入りのものを探してみてはいかがでしょうか。