目次
「ラリマー」の基本情報
ラリマーは、ネックレスやブレスレット、ピアスなどに用いられ、大変人気のある天然石です。まずは、ラリマーの特徴や原産地などの基本情報をご紹介します。
ラリマーの特徴
ドミニカ共和国で産出されるラリマーは、美しい青色の天然石です。その鮮やかな青色は、海の色にたとえられることが多く、そのため「海の宝石」とも呼ばれています。
ラリマーという石の名前は、ドミニカ共和国で地質学を研究していた学者が命名しました。彼は、スペイン語で「海」を意味する「mar」と、自分の子供の名前を組み合わせて「Larimar」と名付けたとされています。
もともとは「ラリマール」と呼ばれていましたが、現在は短縮されて「ラリマー」となりました。
ラリマーのモース硬度
硬度は4.5から5です。
ラリマーは繊維が一方向に走っているため、一定の衝撃を受けると繊維が剥がれ、ヒビが入ったり割れたりすることがあります。
やや柔らかくほかの石と比較すると硬度が弱いものの、ネックレスやブレスレットなどとして身につける分には問題はありません。
ラリマーの原産地
ラリマーは、世界でも一定の地域でのみ産出される天然石です。産出量が多いことで知られるのはカリブ海に存在する島国で、ドミニカ共和国はこの地域で最も多くのラリマーを産出しています。
ドミニカ共和国はキューバの東、アメリカの南東に位置する国で、世界で売買されるラリマーのほとんどはドミニカ共和国で採掘されています。
また、カリブ海諸国ではバハマでも採掘されます。バハマはアメリカのフロリダ半島近く、ドミニカ共和国の北西に位置する島で、バハマ国内の広い地域で採掘できます。
ほかにも、アメリカの広いエリアで採掘されており、北米以外ではヨーロッパがラリマーの産地として有名です。なかでも最も有名な産出国はイギリスであり、ヨーロッパではドイツの南東に位置するチェコ共和国でも採掘されます。
ラリマーの歴史
ラリマーは1974年に、ドミニカ共和国のバオルゴ鉱山で採掘された非常に新しい天然石です。
ラリマーの魅力や色の種類
ラリマーには、どのような魅力があるのでしょうか。ここでは、ラリマーの魅力と色の種類について紹介します。
ラリマーの魅力
ラリマーの青は、一般的にイメージされる青とは異なり、水色なことが特徴です。
海の色に似ていることから、海をイメージさせる天然石としても知られています。海のような美しいブルーがラリマーの大きな魅力であり、海を愛する人々に広く愛されている天然石です。
基本的にはすべて青色ですが、石の品質で色合いは大きく異なります。青は濃ければ濃いほど魅力的で、市場では価値があるとされています。
白ければ白いほど魅力は減るといわれていますが、反対に白いラリマーを好む方もいるようです。なお、青に白いラインは、海の波のように見えるため、特に人気があります。
ラリマーの色の種類
ラリマーはくすんだ色が比較的多く、白や無色のほか、グレーがかったものが産出されることが多いです。
また、淡い黄色やピンク色の石もあります。淡い黄色やピンク色の石は同じペクトライトと呼ばれる鉱物ですが、ラリマーとは別物とされています。
ラリマーが青いのは、石の組成が通常のペクトライトと少し異なるためです。バナジウムや銅といった物質が含まれていることが多いため、全体的に青い色をしています。
ラリマーの意味と宝石言葉
宝石として愛されるラリマーには、いくつかの宝石言葉もあります。
ラリマーの宝石言葉として有名なものは「愛」で、他には「平和」や「精神の安らぎ」などです。
これらの宝石言葉から、ラリマーは「人と争うことなく平和に生きる力を身につけることができる」といわれています。
ラリマーの効果・効能
人と争わずに平和に暮らすことで、心身のバランスを良好な状態に維持することが期待され、心身の健康のためにラリマーを身に着ける方も多いです。ここでは、ラリマーの効果・効能を紹介します。
癒し効果
ラリマーは世界三大ヒーリングストーンのひとつで、高いヒーリング効果があります。特に身体と精神を回復させる効果が期待でき、心を穏やかに保てるでしょう。
コミュニケーション力向上効果
ラリマーの高いヒーリング効果には、コミュニケーション能力を高める効果もあります。リラックスして人と接することができ、相手の考えも受け入れられるようになるでしょう。
人間関係がスムーズになれば、自然と仕事運もアップし、金運アップも期待できます。
恋愛関係向上効果
ラリマーは平和と愛を象徴する天然石のため、トラブルを嫌います。
恋愛では些細なトラブルですれ違いが生じますが、ラリマーは心を穏やかに保つためパートナーとの関係も良好に保てるでしょう。
精神安定効果
ラリマーは変化に強い石といわれています。引っ越しや転職など、環境の変化による不安定な気持ちを癒し、ストレスを緩和してくれます。
また、新しいことにチャレンジする人の支えになってくれるでしょう。
ラリマーの効果はすごい?実際にあった体験談
ラリマーを手にしたとき、不思議なパワーを感じた人のエピソードを紹介します。
< エピソード1 >
感情が乱れやすく、他人とトラブルになることが多かったのですが、ラリマーを持つようになってからは、そのようなことがなくなりました。
< エピソード2 >
寝る前にラリマーを見るとぐっすり眠れます。
< エピソード3 >
情緒不安定で、落ち込んだり突然泣いたりすることが多かったのですが、ラリマーをつけるようになってから、精神が安定してきました。
ラリマーとして作られている偽物
偽物といっても、わかりやすいものから、プロのディーラーも騙されるほど本物にそっくりなものまで、さまざまな種類があります。そこで、ラリマーの偽物の素材、見た目の特徴を解説します。
プラスチック
ラリマーの偽物の一種に染色プラスチックがあります。天然のラリマーに似せて白波模様まで再現しており、精巧な偽物です。
ヘミモルファイト
高級ラリマーに似ているヘミモルファイトという宝石は、高級ラリマーとして売られていることがあります。
ヘミモルファイトの主な特徴は以下のとおりです。
・モース硬度5
・ガラスのような光沢がある
・2方向に割れる「劈開」の性質がある
・表面にラリマーに似た模様が見られる
ラリマーとヘミモルファイトは似た性質が多く、表面にラリマーに似ている白い模様があるブルーヘミモルファイトが偽ラリマーとして売られています。
セラミック材料で作られたもの
インドではセラミック製の偽ラリマーが売られていました。売っていた人によると、中国製だということでした。
セラミック製のラリマーは、顕微鏡で観察すると白い気泡と小さな青い斑点が見えます。しかも、屈折率は本物よりも大幅に低いです。
ガラスなどの模造石
ガラスのほか、石英やアラゴナイトなどを青く染めたものも多いです。青をはじめ、さまざまな色に染められた石英も出回っています。
ラリマーの偽物の見分け方
偽物のラリマーであると見分けることは、プロの業者でも難しいものです。
しかし、プラスチックと本物のラリマーは、いくつかのチェックポイントで見分けられます。ここでは、本物と偽物のラリマーの見分け方を紹介します。
見た目
本物のラリマーと偽物では、見た目が異なります。
本物のラリマーは透明度が高くないため、石を日光にかざすと石は光を通しません。ただし、光の強さや石の個体差によっては、青い部分から光が通るものもあります。
また、ラリマーは不規則な白い模様が特徴的ですが、規則正しく模様が並んでいると偽物の可能性が高いです。
質感や感触
次に、手触りによる見分け方です。
鉱物は触ると冷たく感じ、ガラスやプラスチックは触れると温かく感じるため質感が違います。
しかし、これは鉱物に触り慣れているか、触感で比べたことがない方でなければわかりにくいかもしれません。慣れていない方は、参考程度にしましょう。
ラリマーの市場価値と価値基準
ラリマーの市場価値を判断する際、いくつかのチェック項目があります。そこで、ラリマーの市場価値はどのくらいなのか、価値を決める基準を紹介します。
ラリマーの市場価値
ラリマーは中古市場で広く取引されていますが、品質によって価格が大きく異なります。
鮮やかな青色や青と白のコントラストが強いものほど高価です。特に深い青色で透明感があるラリマーは、希少価値が高いとされています。
品質が低いものは比較的安価で取引されていますが、最高品質のラリマーは「貴重な天然石と同等の価格」で取引されることがあります。
ラリマーの価値基準
価値の高いラリマーの特徴は、黒色が含まれていないことです。鮮やかな青でも、黒が目立って混ざっていると価値が大きく下がります。
また、黒以外の色が混ざると価値が下がることがあり、黒に近い灰色であるラリマーも同様です。これらの色を含まない石は最高級の天然石として評価され、市場では高値で取引されます。
また、水面を思わせる模様のある石は価値が高いとされることが一般的であり、石の大きさも価値を決める重要な要素です。もちろん、目立った傷がついてないことも、ラリマーの価値を決めるポイントです。
ラリマーの価格相場
グラム1,000円以上で取引されるものもあり、原石を使ったアクセサリーも高価です。
ラリマー1粒を使った商品は10,000円以下で買えるものが多いです。中級のラリマー1粒を使ったアクセサリーは約3,000円、高級石を使ったアクセサリーは5,000円以上のものが多いでしょう。
中にはサイズが大きいと10,000円を超えることもあります。
ラリマーに光を当てる!? 正しい浄化方法と保管方法
ラリマーをはじめ、パワーストーンは浄化することが重要です。そこで、ラリマーの浄化方法、保管方法を紹介します。
ラリマーの浄化方法
直射日光や月光に当てて浄化しましょう。太陽光の場合は、日の出~午前中に当てることが理想的です。月の光で浄化する際は、満月の光を当てます。
また、日の光が注ぐ窓際に置くのもよいでしょう。お皿などの容器に天然塩を入れ、その上に石を置く(または埋める)ことで浄化する方法です。
なお、浄化後は流水でよく洗い、水分を拭き取ります。
ラリマーの保管方法
ラリマーをきれいな状態で維持するためには、保管の際に細心の注意を払うことが大切です。そのために、ラリマーの品質を下げやすい環境は避けて保管しましょう。
ラリマーが劣化しやすいのは、湿気の多い場所や直射日光の当たる場所です。浄化させるだけであればよいですが、劣化を防ぐには、日当たりが悪く湿度の低い場所で保管しましょう。
使わないときは日が当たらず湿度が低い場所にいれておくと、劣化の進行を防ぐことが重要です。また、普段から身に着けている場合は、シャワーの際には必ず外すようにしましょう。
まとめ
ラリマーの価値は、石の色やサイズによって大きく異なります。特に、深い青色と白とのコントラストが鮮明なものほど高い価値がつきます。色の鮮やかさは市場価値を判断する重要な要素です。
高品質なラリマーや、使用していない宝石がある場合は、宝石鑑定に実績のある専門店に相談して、その価値を確認してみましょう。