クリマヒューノイトとは
クリノヒューマイトは、ヒューマイト・グループに属するケイ酸塩鉱物です。鉱物名:斜ヒューム石和名を斜ヒューム石といい、モース硬度は6。最初の頃は、宝石として適した石だとは考えられていませんでした。クリノヒューマイト自体が発見されたのは1876年で、フランスの科学者によって発見されましたが、その時には宝石品質といわれるような質の高いものは産出されず、その後1980年代の終わり頃に品質の良いものが見つかり、注目され始めた比較的新しい宝石です。流通量も世界的に少ないこともあり、新しい宝石であることから文献への記載も少なく、高品質なクリノヒューマイトを入手することは非常に困難です。同じヒューマイト・グループに属するコンドロダイトとは兄弟石とも呼ばれるほど非常に似ておりますが見分けるのはかなり難しいでしょう。
コンドロダイトとクリノヒューマイトは肉眼での判別が難しく、兄弟石と呼ばれることもある同種の石です。そのため肉眼での判別が難しく現在でも混同されて販売していることがあります。ラマン分光法にて分析をすることで、判別が可能です。これは、石に光を当て、反射や屈折、吸収などの状態の数値を解析し、分子レベルで石がクリノヒューマイトなのか、それともコンドロダイトなのかを判定するという方法です。クリノヒューマイトは熱処理などエンハンスメント、トリートメントの処理が施されることがないです。
クリマヒューノイトの産地
タジキスタンパミール高原、タンザニアマヘンゲ、ロシア、ミャンマー、中国など鉱物としてのクリノヒューマイトが発見されたのは、1870年代のイタリアです。その後、1980年代にタジキスタンで宝石質のものが発見されました。品質の良いのものが産出されるのはタジキスタンで見つかることが多くなっています。近年中国や他の産出地でも良質なものが見つかりつつあるといわれています。現在研究が進んでいる石ですので、今後新しい産地が発見される可能性も大いにある宝石です。近年では、2005年にタンザニアでも宝石質のものが発見されています。まだ新しい宝石なのでこれから新たな産出地が発見される可能性もなきにしもあらずといわれているようです。
クリマヒューノイトの価値
上述の通り宝石質の物自体が産出されることが非常に稀です。そのことに加えインクルージョンも入りやすいので、良質な物はジュエリーコレクターでも入手困難です。インクルージョンが入りやすいという特徴もあり、インクルージョンの大きさや数、宝石自体の大きさなどの全体を見て価値が決められるといわれています。クリノヒューマイトはインクルージョンがどうしても入ってしまう性質の宝石ということもあり、インクルージョンが入ると一般的には宝石の価値は下がりますが、クリノヒューマイトの場合にはそれが原因で大きく価値が下がってしまうことはありません。
この宝石は、黄色系~赤系までの色を見せる石ですが、中でもゴールデンオレンジと呼ばれているオレンジ色は人気が高く、品質の良いものは高値で取引されています。ゴールデンオレンジカラーのクリノヒューマイトは、ファセットカットが施され、ジュエリーとして高値で取引されることが多いです。コレクターでもなかなか手に入らないカラーです。よく知られる宝石の中では、シトリン(和名-黄水晶)と近い色をしています。またダイヤモンドと比べるとだいぶ安価で手に入るのでこれからのジュエリーにも多く使用されそうです。色が濃くて透明度が高い物ほど価値が高いです。現在ネックレスやブレスレット、ピアス、指輪などのジュエリーに加工されたものが少ないので、もし出会うことができれば出会いと思い手に入れることをお勧めします。
クリノヒューマイトのガイ計算は大体10,000円~80,000円位です。ファセットカットされたジュエリータイプのものだと、お値段は15万円~20万円程度になることもあるかもしれません。
インクルージョン
クリノヒューマイトは、どうしてもインクルージョンが入ってしまう性質があるため、宝石の大きさや透明度、色などを総合的に評価したうえ価値がつけられます。クリノヒューマイトの価値はインクルージョンの有無にそこまで左右されないという特徴があります。インクルージョンが入っているか否かではなく、その大きさや数、クリノヒューマイト自体の大きさや透明度、色などを総合して判断されます。インクルージョンが入りやすい石ではありますが、その中でも高品質で透明度の高いものの輝きは格別です。インクルージョンがあるから価値がないと他の宝石のように判断されることは少ないです。
まとめ
クリマヒューノイトは発見されてからさほど時間が立っていない宝石の一つです。ダイヤモンドなどと比べると比較的安価でありますが、市場に出回りがあまりないのでジュエリータイプに加工されている物があれば購入必須のアイテムです。