翡翠の産地と日本との関係
翡翠は鮮やかな緑色をもつエメラルドと同様、5月の誕生石で日本とも深いかかわりがあります。また、日本では結婚35周年の結婚記念石でもあり、翡翠のジュエリーや小物を贈り合う習慣があります。さて、なぜこのように翡翠と日本、深い関わりがあるのかというと、翡翠の主な産地は、ミャンマー、日本、中国、ニュージーランド、ロシアなどです。特にミャンマーでは、透明度が高くツヤのあるジェーダイドが採れることで有名です。しかし、そう!日本でも宝石として価値の高い翡翠が多くとれるんです。日本の主な産地は、新潟県の糸魚川(いといがわ)市。糸魚川とその周辺では、宝石として価値が高いヒスイが多く産出されます。
翡翠(ひすい)の歴史
世界最古の翡翠があるのも日本の糸魚川で、糸魚川の翡翠は約5億2000万年前にできたものと言われています。縄文時代には縄文人が翡翠の加工をはじめ、その後の新石器時代には武器や道具、装飾品として用いられてきました。翡翠といえば中国のイメージが強いですが、ミャンマーから中国へ渡ったのは1700年代後半頃。中国のジェイドはネフライト(軟玉)が主で、彫刻の置物や装飾品に用いられたり、不老不死の力が宿るとされ死者と共に墓に埋葬されたりしていました。翡翠はかの有名な権力者の西太后が愛した石としても有名です。
東洋の宝石翡翠の色
実は翡翠には、白、ラベンダー、ピンク、青、黄色など、多彩な色をもっています。その中でも一番価値があると言われているのは、私たちにも親しみ深い緑色です。中でも鮮やかで美しいエメラルドグリーンの翡翠は、「インペリアルジェイド」と呼ばれ、最上級の翡翠として愛されています。しかし、多くの色、形があるから事こそ、長年愛されている一つの理由かもしれませんね。
東洋の宝石翡翠の評価基準とは?
ジュエリー、置物と、様々なものに加工され、人気の翡翠ですが、ジュエリーとして価値のある翡翠にはどのような条件があるのでしょうか?翡翠の評価基準から、美しい翡翠の条件を見ていきましょう。
◆カラー
翡翠には多くの色がありますが、緑色が一番価値が高いとされています。鮮やかで濃いエメラルドグリーンが人気でしたが、最近では爽やかな青りんご色も人気です。内部の組織上、色ムラが出やすいため、まだら模様がない、純粋なカラーの翡翠の価値が高いとされています。
◆カット
ジュエリーとしての翡翠は、山型になったカボションカットを施されるのが一般的です。カボションカットは山の頂上の位置が高いもの、思わず手に触れてみたくなるような、表面が滑らかでくぼみがないものが高価とされています。
◆透明度
翡翠の評価基準で最も大切なのは透明度です。不透明から半透明まである翡翠ですが、透明度が高いほど美しいとされています。上質な翡翠の中には、宝石を通して文字が読めるものもあるのだそう。
翡翠の石言葉
翡翠の石言葉は「繁栄・長寿・幸福・安定」です。古くから翡翠は神聖な儀式などに使われていて、中国では穴の開いたドーナツ状の翡翠は天国の象徴とされていました。有名な哲学者の孔子も「ジェイドの明るさは天を表している」と記していたほど。お守りとしての歴史も長く、ネガティブなエネルギーから身を守り、持ち主の魅力を伸ばしてくれると言われています。
翡翠のお手入れ方法
翡翠は硬度が特別高い石ではありませんが、外から加えられる力に強く、水や光にも耐性があるため、比較的扱いやすいジュエリーになります。カボションカットは表面に傷がつきやすいため、超音波洗浄は避け、他のジュエリーと分けて収納しましょう。普段のお手入れは、外したらやわらかな布かセーム革で軽く拭く程度で大丈夫です。
まとめ
いかがでしたか?日本と縁が深く、魅惑的な緑色が時の権力者や哲学者を魅了してきた翡翠。何か特別な日に身に着けるとパワーをもらえる気がします。翡翠(ひすい)は身につければ身につけるほど、美しくなる宝石と言われています。ずっとそばにおいて愛でていたくなるように溺れてしまうものの、天衣無縫で残酷な美しさは私の強い守り神でもあります。心地よい罠からもはや逃れる術はありません。泣いたり笑ったり季節の移ろいを感じながら年を重ね、翡翠と共により美しく磨きをかけて参りましょう。