ダイヤモンドとしての価値は?
レーザードリルホールを行うことで人工的な処理が行われたダイヤモンドになっていしまいます。
綺麗に見せるための処理なんのですが、やはり天然で人に手がつけられていないダイヤモンドと
比べてしまうと評価が変わってきてしまいます。
なので買取で出す場合になるとお店により異なりますが、15%~30%ほど変わります。
どんな風に見えるの?
LDHは注意していれば大体発見することができます。ただし、いくつか例外的に発見しづらいケースがあります。
まず、ダイヤモンドの表面からインクルージョンまでの距離が極端に短い場合が挙げられます。たとえばインクルージョンがテーブルのすぐ下にある場合、特徴である「パイプ」の長さは本当にごく僅かです。こうなると、余程念入りに観察しない限りはまず発見できません。また、インクルージョンが多い石の1か所だけ処理されているケースもあります。例えば、I2の石に1か所だけ、それも小さな結晶に対し処理が行われていることもあります。グレードの良しあしを問わず、しっかり観察することが重要です。
また、レーザードリルホールの穴からインクルージョンまで近いとさらにわかりにくいです。
LDHダイヤモンド、ダイヤに穴が開いています。
極小さい針の穴程度ですので、肉眼で見ることは難しいレベルです。
LDHを見るには最低でも10倍ルーペがあるといいですね!
なぜ、レーザードリルホールを開けるのか
天然のダイヤモンドには、インクルージョンと呼ばれる不純物(内包物)が存在することが多いものです。肉眼で確認できるようなインクルージョンがダイヤモンドの内部に存在する場合は、もち
ろんダイヤモンドの美しさに影響がでます。そして当然のことながら、価値の評価は低くなります。 その中でも特に”カーボン”という、多くのダイヤモンドに見られる黒点は、無色透明のダイヤモンドでは、とても目立ってしまうのです。
こうしたインクルージョンを目立たなくするために開けられた穴が、 レーザードリルホール。 ダイヤモンドの表面にレーザーを当てて、インクルージョンまでの穴を開け、その穴に強力な酸を流し込むことで、インクルージョンを漂白するのです。インクルージョンを完全に消す訳ではないので、全く見えなくなるということではありませんが、黒いものが白くなるので、だいぶ目立たなくなります。 肉眼でレーザードリルホール確認することはほぼ不可能ですが、ルーペでじっくり見ると判ります。
目立つインクルージョンのあったダイヤモンドは、この処理によって美しくなるのですが、残念ながら評価は下がります。 人の手によって加工された「処理石」という扱いになり、全くの天然で人の手が加わっていないダイヤモンドと比較すると、買い取りや再販の時点で大きな価格差が生じてしまいます。
レーザードリルホールは、ダイヤモンドの美しさを取り戻すためのもの
ただし、レーザードリルホールは「悪いもの」というわけではありません。 この処理を施していなければ、そのダイヤモンドには肉眼で判別できる目立ったインクルージョンがあったわけで、インクルージョンを目視できないダイヤモンドと比べると、元々、価値の低い石だったのです。そうした石が美しく見えるようになったのですから、むしろ良かったのではないでしょうか。
例えば、ダイヤモンドがメインのペンダントやピアスの場合は、いくら品質の高いダイヤモンドでも、小粒なものはしっくりきません。品質は高くなくてもある程度の大きさのダイヤモンドのほうが似合うことが多いのです。そのような用途には、レーザードリルホールのダイヤモンドは安価で向いている場合もあるのです。
ちなみに欧米では、レーザードリルホールの処理は一般的に行われていて広く流通しているのですが、日本ではあまり流通していません。
まとめ
レーザードリルホールによる加工は、見た目はカーボンなどの不純物が肉眼で捉えられなくなり、より美しくなるので悪い技術とは言えません。もともとインクルージョンが多いダイヤモンドの場合は、レーザードリルホールの処理を行った方がよいとされています。
またレーザードリルホールの処理を施されたダイヤモンドであれば、同じクラリティ評価の天然ダイヤモンドに比べて安価で購入できるというメリットもあります。天然のダイヤモンドもよいですが、LDHダイヤモンドにも是非目を向けてみてください。