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査定
宝石を所有していく中で、「とにかくまずは、自分自身が所有している宝石に、どの程度の価値があるのか知りたい!」と思う方は決して少なくありません。「売る」、「売らない」を決めるのは、その後のこと。「まずはその価値を知らなければ、動くに動けない!」なんて思うこともあるでしょう。こんなときには、宝石の査定のみを依頼できる場所を活用するのがオススメです。査定だけをしてもらうことで、宝石を手放すことなく、その価値を知ることができます。
実際にどんな場所で査定だけをお願いできるのかといいますと、以下のようなところが挙げられます。査定してもらえるところには「宝石鑑定所」や「宝石買取店」、「宝石専門店」などがあり、査定の目的がどこにあるのかによって行き先も変わってきます。ここでは宝石鑑定所と宝石買取店について、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるかをご紹介していきます。
宝石鑑定(鑑別)専門機関
国内には、鑑定専門機関が3箇所あります。
・CGL(株式会社中央宝石研究所)※ダイヤモンドは、裸石(ルース)の状態のみ鑑定可能
・AGTジェムラボラトリー
・GIA(米国宝石学会)
こちらで鑑定を依頼する際のメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット
・信頼性が高い
・非常に正確な結果が記載された鑑定書(鑑別書)を発行してもらえる
・希望すれば即日発行してもらえる(追加手数料がかかります)
デメリット
・高額な費用がかかる
・査定・買取りはしてもらえない
・裸石(ルース)の状態にしないと、鑑定してくれない場合がある
鑑定書(鑑別書)発行の手数料は?
鑑定書(鑑別書)の発行には、手数料がかかります。宝石の大きさ(量)によって、鑑定書(鑑別書)の発行手数料が異なるため、事前に確認しておきます。可能ならばできるだけ手数料が安いお店で、発行してもらいましょう。相場は1,000円〜15,000円です。
(記載する項目の多さによって料金が変わります。)
査定と鑑定(鑑別)は異なる
「鑑定(鑑別)」とは、宝石の真偽と分析を行い、鑑定書(鑑別書)のレポートにまとめることを指します。一方で「査定」は、宝石の価値を測って値をつけることを指します。
宝石買取り専門店
国際的に認められた資格を持つ鑑定士が在籍している宝石買取り専門店で、鑑定(鑑別)を依頼できます。メリットとデメリットは、以下があります。
メリット
・身近で手軽に依頼できる
・費用が安い
・査定・買取りまでやってもらえる
デメリット
・宝石鑑定専門機関が発行する鑑定書(鑑別書)よりは正確ではない
・鑑定書(鑑別書)の発行まで、1週間〜10日間ほど時間がかかる
宝石を正確に鑑定してくれるお店の選び方
査定のみ・鑑定のみであっても、宝石買取店を利用した方が良いと思われるのは、以下の項目に当てはまる方々です。
・売らないかもしれないが、査定金額まで聞いてみたい
・できるだけ手軽に、査定のみを利用してみたい
・買取してもらう場合の、リサーチを含めて行動したい
宝石を「売らない」可能性が濃厚であっても、査定金額は聞いてみたい!という方にとって、宝石買取店が提示してくれる情報は、非常に魅力的なもの。また鑑定所と比較すると店舗数が多く、身近なところで利用しやすいというメリットもあります。店頭スタッフの対応力なども、見極めてみると良いでしょう。宝石の査定や鑑定は、宝石買取店においても実施されています。宝石を適正な価格で買取するためには、その価値をしっかりと把握することが、何よりも重要なポイントとなります。
そのために「鑑定」というステップは、欠かせないものなのですね。特に「本当に売るかどうかは決めていないが、宝石の価値によっては積極的に検討してみたい」という場合には、査定金額まで一気に聞くことができます。宝石の価値と、いくらで売却できるのかという情報を一度に知ることができ、非常に便利です。また宝石鑑定所と比較しますと、「身近にあって利用しやすい」というのも、宝石買取店ならではのメリットとなります。一方で、宝石買取店で査定だけを受ける場合のデメリットは、以下のとおりです。
・きちんとした鑑定士が在籍していなければ、意味がない
・査定のみを依頼する場合、有料になることがある
宝石買取をうたうお店の中にも、「きちんとした鑑定士が在籍していない」というケースは、決して少なくありません。このようなお店に依頼をしますと、「鑑定されても意味がなかった!」なんてことにもなりかねません。また宝石買取店の場合、査定・鑑定から買取が成立して初めて、もうけにつながるメリットが生まれるという仕組みになっています。
このため、査定だけ・鑑定だけを依頼しますと、料金を請求されることがあります。事前に説明されていれば良いのですが、「買取を断ったタイミングで、突然鑑定料を請求された!」などというトラブルもありますから、注意しましょう。宝石買取店で査定のみ・鑑定のみを依頼するのであれば、事前の確認が必須となります。きちんとした宝石専門の鑑定士が在籍していること、また査定のみであっても、無料で利用できることを、確認してから利用するようにしてください。
資格を持った「鑑定士」が在籍しているか?
国際的に認められた鑑定士がいるお店なら、宝石の鑑定および鑑定書(鑑別書)の発行を依頼できます。以下の資格等を持ったお店、または鑑定士が在籍しているか確認しましょう。
鑑定書からわかる宝石の鑑定ポイント
鑑定書には、以下の項目が記載されます。(鑑定書の発行場所により、異なる場合があります。)
・カット、形状
宝石がどのような形にカットされているかを表します。
(例)ROUND BRILLIANT、HEXAGONAL BRILLIANTなど
・寸法
単位はmm(ミリメートル)。ダイヤモンドを上から見た状態の幅(最大値と最小値)、ダイヤモンドの高さ、計3箇所を計測した結果が表記されます。
・カラット
単位はct(カラット)で、1ct=0.2g。ダイヤモンドの重量を表します。
・カラー
ダイヤモンドの地色が、どれくらい自然に近い色かを表します。D〜F:無色、G〜J:ほぼ無色、K〜M:わずかに黄色、N〜Z:ほぼ黄色
・クラリティ
ダイヤモンドの透明度を表します。(透明度が高い)「FL」「IF」「VVS1・VVS2」「VS1・VS2」「SI1・SI2」「I1・I2・I3」(透明度が低い)
・カット
上記に記載した、カット・形状がどれほど仕上がっているかを、5段階評価で表します。EXCELLENT(エクセレント)、VERYGOOD(ベリーグッド)、GOOD(グッド)、FAIR(フェアー)、POOR(プアー)仕上げ 研磨具合や対称的なバランスを、5段階評価で表します。
・蛍光性
ダイヤモンドに紫外線を当てたときの、蛍光の色具合や強さを表します。ダイヤモンドのサイズ さらに詳しいダイヤモンド各部分の長さを表します。
・大きさの詳細
テーブル径・ガードル厚・全体の深さ・キューレットサイズ・パビリオンの深さ
鑑別書からわかる宝石の鑑別ポイント
・鉱物名
生物学上の呼称が記載されます。カット・研磨以外の人為的加工が施されていない場合は、名前の前に「天然」がつきます。
・宝石名
宝石としての分類名が、記載されます。
・透明度と色
石の透明度(透明、半透明、不透明)と色が、記載されます。
・カットの形式
宝石の形および研磨された形状が、記載されます。
(例)オーバルミックスカット、エメラルドカット
・重量
単位はct(カラット)で、1ct=0.2g。
宝石の重量が記載されます。
・寸法
宝石の縦、横、深さの寸法が、記載されます。
宝石が複数ある場合は「省略」、金具により測定できない場合は「測定不可」と記載されます。屈折率 光が宝石に入る際に起こる屈折率。宝石により、この数値が決まっています。多色性 光の屈折により、宝石の中で光る色が複数存在するかを表します。比重 空気中における宝石の重量と、同じ体積の水の重量との割合を表します。
宝石の種類によって、固有の比重を持ちます。ジュエリーの場合は、「セットのため測定不可」と記載されます。分光性 宝石に光を当て、光が吸収される過程の特徴を記載します。拡大検査 宝石を数十倍に拡大してわかる、宝石独自の特徴を記載します。偏光性 宝石に入った光が、内部で2本に分かれて屈折する複屈折性か、1本で屈折する単屈折性かを記載します。
宝石の種類によって、どちらになるか決まっています。蛍光性 紫外線を当てたとき、吸収して別の色の光に変化するかどうかを表します。
まとめ
宝石の鑑定のみを利用したい場合には、自身の目的に合わせて、メリットの大きい場所を選択するのがオススメです。まずは「何のために鑑定だけ・査定だけを受けたいのか」という理由について、じっくりと考えてみてください。そうすることで、利用するべきお店についても、自然と見えてくるでしょう。