目次
エルメス「サックアデペッシュ」とは?使い勝手はいい?
まずはサックアデペッシュがどんなバッグなのか、その概要について解説します。どのような経緯で誕生し、どんな人が使用していたのでしょうか。
名だたる著名人に愛用されてきた
サックアデペッシュは、書類を携帯するために制作されたバッグです。フランス語でサックは「かばん」、デペッシュは「公文書」を意味します。
仕事で使用できる男性向けのバッグとして認知され、過去にアメリカの第35代大統領J・F・ケネディ氏、イギリスのウィンザー公、フランスで作家や政治家として活躍したアンドレ・マルロー氏などといった、多くの著名人たちに愛用されていました。
そんな世界の名だたる人物たちに愛されてきた事から、サックアデペッシュは現在も男性の憧れであり続けています。
スペシャルオーダーができる
エルメスの商品を買い続けるなど、特定の条件を満たした顧客のみが利用できるサービスをスペシャルオーダーと言います。
サックアデペッシュはスペシャルオーダーの対象としても高い人気があり、サイズの指定やポケットの追加など、可能な限り顧客の要望に沿って製作してくれます。
自分好みにカスタマイズすることで、より一層、手になじみやすいバッグになるでしょう。
ちなみに、スペシャルオーダーで製作されたロゴマークは、馬蹄(ばてい)を模したマークがブランドロゴとともに刻まれています。
サックアデペッシュの誕生秘話
サックアデペッシュが誕生したきっかけは、海底に沈んでいたメッタ・カナリア号を発見したことです。
メッタ・カナリア号は1786年、イタリアのシェノヴァに向かって航海中に姿を消しまった謎多き船です。捜索をしても見つからないままおよそ200年が過ぎ、1970年代にイギリスの海洋考古学会が発見します。
船の中には、大量の革が積まれていました。革は腐食しておらずほぼ完璧な状態であったため、それをエルメスが一部を買い取って、サックアデペッシュを作りました。
そのため、サックアデペッシュはエルメスの中でも重要なアイテムとして位置付けられています。
サックアデペッシュの定価や価格帯
サックアデペッシュは主に海外で販売しており、日本円に直すと100万円以上の定価になります。
日本国内での購入は中古市場が頼りとなり、平均で40万円ほどの価格です。後述で説明するような人気のカラーや高級素材を使用したもの、または新品と同程度の品質であれば60万円程度になります。
販売する地域や時期によって価格帯が変わる場合もありますので、注意しましょう。
エルメス「サックアデペッシュ」の魅力
では、サックアデペッシュはどんなシーンで活躍するバッグなのでしょうか。機能性、デザイン性の観点からサックアデペッシュの魅力をご紹介します。
格式高いデザイン
シンプルでありつつも格式の高いデザインは、サックアデペッシュの魅力の一つです。
いつの時代も古臭さを感じさせないスタイリッシュな仕上がりは、ビジネスシーンで活躍する男性の所作を上品なものにしてくれます。
余計な装飾がないフォルムなので、カジュアルシーンでも合わせやすいです。
ビジネスシーンでの実用性が高い
"デペッシュ"という「公文書」の意味を含めていることから、サックアデペッシュは書類用バッグとして実用性が非常に高いです。
横幅は最も大きいサイズで41cmあり、奥行もしっかりあるため、抜群の収納力があります。書類だけでなくノートパソコンやタブレットの持ち運びもできるので、ビジネスでお取引先へ訪問するときなど、多くの場面で活躍できるでしょう。
小物の収納もでき、整理整頓もしやすいです。
型崩れや傷つきにくい素材
サックアデペッシュはさまざまな高級素材を活かしたものがありますが、その中でよく使用される素材は「トゴ」です。
雌仔牛の革を加工したもので、細かな皺と張りのある質感、そして傷つきにくいのが特徴です。そのため、書類を何度出し入れしても型崩れしにくいため、長く使用することができます。
エルメスの中でも多くのアイテムで使用されている、人気素材です。
エルメス「サックアデペッシュ」のサイズ展開
サックアデペッシュは主に以下の3種類のサイズで展開されています。サイズごとの特徴や活用方法についてご紹介します。
サックアデペッシュ27
およそ横幅27cm×高さ21cm×奥行6cmという、小ぶりサイズのサックアデペッシュです。
A4サイズの書類よりも幅が小さいため、小物を中心に持ち運ぶ方に適しています。
ショルダーバッグにすれば、カジュアルコーデでお出かけするときのアクセントとして使用できるでしょう。
サックアデペッシュ38
標準的な大きさで、サイズはおよそ横幅38cm×高さ28cm×奥行10cmとなっています。
A4サイズの書類が余裕で入り、ノートパソコンも収納可能です。奥行も広く、小物と分けて収納できます。
さまざまな用途で使用できるバッグです。
サックアデペッシュ41
大きさは、およそ横幅41cm×高さ30cm×奥行10cmで、サックアデペッシュの中で一番大きなサイズとなります。
広々とした設計になっているので、荷物をたくさん入れる方におすすめです。
営業で複数の会社へ訪問するときなどに活躍するでしょう。
エルメス「サックアデペッシュ」のおすすめカラー×素材
他のエルメスのバッグと同様にサックアデペッシュもさまざまなカラーが用意されていますが、どのような素材と相性がよいのでしょうか。使用するうえでのおすすめカラー×素材の組み合わせについてご紹介します。
ブルージーン×トリヨンクレマンス
エルメスを代表するカジュアルカラーとトリヨンクレマンスの柔らかい質感は、広大な海のような爽やかな印象になります。
カジュアルコーデでお出かけするときに最適で、サックアデペッシュの使用範囲を広げてくれるでしょう。
高級感も兼ね備えた、上質な組み合わせです。
グリーン×アルデンヌ
深みのあるグリーンに相性のよい素材は、硬めでしっかりとした質感のアルデンヌがおすすめです。
重厚感のある落ち着いた色合いは、ビジネスシーンで幅広く活躍します。ナチュラルな印象を与え、好感が持てるでしょう。
しかし、こちらの素材は現在、残念ながら廃盤となっています。この組み合わせのサックアデペッシュを購入したい場合は、中古市場で探してみましょう。
オレンジ×ボックスカーフ
エルメスのブランドカラーであるオレンジにぴったりな素材は、光沢感のあるボックスカーフです。
艶のあるしっとりとした質感は鮮やかなオレンジと相性がよく、サックアデペッシュを華やかにしてくれます。
男性向けのバッグではありますが、この組み合わせであれば、女性でも手に取りやすいでしょう。
ルージュアッシュ×フィヨルド
ルージュアッシュは、ワインレッド系のカラーです。
こちらもエルメスで定番のカラーであり、ほどよい柔らかさとマッド感のあるフィヨルドと相性がよいです。
ボルドーに近い色合いで、上品な大人の雰囲気を演出してくれます。女性でも違和感なく使用することができるでしょう。
ゴールド×トゴ
ゴールドは、別名「エルメスカラー」と呼ばれている、男女問わず世界中で人気のある定番カラーです。
そんなゴールドと相性の良い素材は、トゴです。傷つきにくい張りのある質感が、ゴールドの魅力を最大限に引き出してくれます。
どのような着こなしであっても問題なく使用できます。
エルメス「サックアデペッシュ」のおすすめコーデ
サックアデペッシュを使ううえで似合うコーデは、やはりビジネススーツを着こなしたファッションです。
ビジネス向けの服は全体的に落ち着いたものが多いため、ブラックカラーなどのサックアデペッシュであれば上品さが増します。
ブルージーンやオレンジカラーを手に取りたい場合は、ビジネスカジュアルなコーデで整えるのがおすすめです。
エルメス「サックアデペッシュ」の刻印場所
エルメスのバッグには、エルメス製品であることを示す刻印が施されています。サックアデペッシュも例外に及ばず、主に以下のような部分にあります。
1.バッグの内側
内側ポケットの上部に「HERMES PARIS MADE IN FRANCE」という刻印を確認できます。バッグの蓋(フラップ)を開けて確認してみましょう。
2.フラップの裏側
留め金に差し込む開け口部分の裏側に、このバッグを作った職人と製造年を示す刻印を確認できます。
3.金具部分
金具やバックルの部分に「HERMES - PARIS」という刻印が入っています。
以上のような箇所に刻印がありますが、製造年やモデルによって刻印の場所が変わっていることがありますので、注意しましょう。
これらの刻印は、後述で紹介する偽物と本物を見分けるための判断材料にもなります。
エルメス「サックアデペッシュ」の偽物の見分け方
「エルメス」というネームバリューがある以上、サックアデペッシュにも偽物が存在します。偽物を見分けられるよう、以下の3点に注目してみましょう。
エルメスの刻印
先述の通り、サックアデペッシュには、内側ポケットの上部に「HERMES PARIS MADE IN FRANCE」、金具部分に「HERMES - PARIS」という刻印があります。
この刻印から偽物と本物を見分けるポイントは、刻印された文字の読みやすさという点です。
内側ポケットの上部にある刻印は、生地に溶け込むように印字されるため、文字がはっきりとしています。それに対し偽物は、生地の表面に貼り付けただけなど雑な施しをしており、文字が消えかけている場合があります。
金具部分については、文字の強弱で判断できます。本物は細いフォントですが、偽物は分厚いフォントで印字されており、読みづらいです。
どちらも文字の大きさにも均一性がないので、簡単に見分けることができるでしょう。
IDコード
エルメスのバッグには刻印の他にIDコードが施されており、丸や四角で囲まれた文字は製造年を表しています。
例えば、上記の画像にある「□A」に注目してください。この表記は、1997年に製造していることを示しています。
このコードから偽物を見分けるポイントは、IDコードがはっきりと見えないという点です。
本物は生地にエンボス加工が施され、はっきりと見えるよう工夫されています。偽物の場合は、浅く加工されてことが多く、見えづらいです。
サックアデペッシュは、主に開け口の裏側にIDコードがあります。後述に記載している、製造年を示す刻印の年表と併せて確認してみてください。
保存袋
本物のエルメス製品には、付属品として、白またはベージュの保存袋が入っています。
偽物の保存袋に多く見られる点は、内側の縫い目が雑であることと、袋全体の色味が薄いことです。
特にロゴマークは、インターネットで調べると判別できるほどの雑な作りになっているため、見比べてみましょう。
エルメス製造年刻印の一覧表
先述にて「IDコードは製造年を表している」ことをお伝えしましたが、年代に分けた製造年刻印の一覧をまとめてみました。
1964年~1970年と2015年以降のものは、一部、同様の刻印があるため、販売時期や経年劣化によるダメージなどで判断しなくてはなりません。注意しましょう。
1966年~1970年
1971年~1996年
1997年~2014年
2015年~
エルメス「サックアデペッシュ」の買取相場価格
サックアデペッシュの買取相場は、およそ10万円~15万円ほどの価格です。
汚れや型崩れがないものであれば、20万円以上の価格が期待できるでしょう。逆に状態が悪ければ、10万円以下の価格になる恐れがあります。
日本国内のサックアデペッシュは、中古での売買が中心です。高価買取を目指すのであれば、定期的にゴミや汚れを取り除くよう、できる限り品質を維持しましょう。
エルメス「サックアデペッシュ」を高価買取してもらうためのコツ
不要となった、サックアデペッシュの買取価格が少しでも上昇するために、事前にどんなことを実施すればよいのでしょうか。高価買取につながる方法についてお伝えします。
定期的にメンテナンスを行う
前述の通り、定期的にメンテナンスを行ってください。柔らかい布で表面のホコリや内部のゴミを払い落とし、きれいな状態を保つことが大切です。
保管するときも直射日光の当たらない場所や風通しのよい場所にしましょう。バッグが型崩れしないよう新聞紙などで丸めたものを詰めておくと、なお良いです。
劣化部分は無理に直そうとはせず、できる範囲でお手入れしましょう。
査定はなるべく早く出す
他のブランド品でも言えることですが、使用する機会がなければ早めに売却することをおすすめします。
放置したままにすると、色落ちや型崩れなどの経年劣化で価値が下がり、低価格での査定になってしまう場合があるからです。
少しでも買取価格を高い状態にするため、なるべく早いタイミングで買取業者へ査定してもらいましょう。
付属品と一緒に査定する
サックアデペッシュにあった付属品を揃えておくことも重要です。
買取業者は、買い取った商品を「リユース商品」として売ってくれる業者に商品をお渡しするルートを確立しています。よって、すべて揃えた方が金額アップにつながるのです。
可能であれば、すべて用意しておきましょう。
複数の買取業者を比較する
一つの業者だけでなく、複数の業者へ見積り依頼を行いましょう。
エルメス製品の査定経験が浅い業者では、買取価格が極端に安くなるケースがあります。業者によって得意・不得意なジャンルがあるため、まずは、インターネットで複数の業者の買取実績を比較してみてください。
実績の多い業者であれば、公式サイトに買取価格を公開しています。「買取大吉」も実績を公開していますので、ぜひ確認してみてください。
まとめ
男性向けのバッグであるサックアデペッシュは、多くのビジネスシーンで重宝する「憧れのバッグ」です。ぜひご購入していただき、1ランク上のビジネスマンを目指してみてはいかがでしょうか。
使用する機会が乏しければ、早めに買取業者へ出しましょう。「買取大吉」では、サックアデペッシュの買取実績がございます。ぜひお近くの店舗へご相談ください。