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比重とはなに？
金の価値を決める一番重要な要因は、金の中にどれだけ純金が含まれているかだといえます。金の含有率が高いほど金としての価値が上昇します。その金の含有率を調べるための重要な指標となるのが比重です。ここでは比重の説明に加え、比重と混同して使われる金の密度についてもご紹介します。
密度と比重の違いは？
密度
物質の密度とは、単位体積あたりの質量のことです。簡単にいうと1㎤の物質の塊がどのくらいの重さがあるのかを表すものになります。純金の場合は19.32g/㎤となり、これは純金でできた1辺が1㎝の立方体の重さは19.32gということを表しています。
比重
比重とは、ある物質の体積あたりの密度と、同体積となる物質の密度の比のことをいいます。よく基準として用いられるのは水で、その物質の密度と水の密度との比を表します。水の密度は1.0g/㎤のため、純金の場合は19.32が比重となります。このように比重は、水に対する比であるため、単位が存在せず数値のみで表します。この比重が1より大きい物質は水よりも重い物質なので水に沈み、逆に比重が1よりも小さい物質は水に浮きます。
金の比重はなぜ変わる？
純金は人の爪で傷がついてしまう程柔らかい金属です。そのため、アクセサリーなどに用いるには硬度が足りず、傷や変形のリスクが高くなるため、あまり向いていません。そこで、硬度の高い金属と混ぜ、金合金にすることにより硬度を高めています。そのため、金は純度によって比重が変わるのです。
金の品位による比重の違い
一般的にアクセサリーなどに使われる金の品位とそれに対応する比重は以下の通りです。
K24：19.32
K22：17.45～18.24
K20：16.03～17.11
K18：14.84～16.12
K14：12.91～14.44
K10 : 11.42～13.09
金の品位が同じにもかかわらずその比重に差があるのは、割金として混ぜられている金属の種類や比率によって数値が異なってくるためです。
金の品位は自分でも調べられる？
自身のもっている金製品の品位が気になった場合、特殊な計器がないとわからないんじゃないかと考える方も多いと思いますが、じつは身近にあるもので品位の推察をすることができます。その方法を利用した有名な逸話が「アルキメデスと金の王冠」です。
アルキメデスの逸話
アルキメデスとは？
アルキメデスは、紀元前三世紀の古代ギリシア時代に活躍した有名な科学者です。アルキメデスは「浮力の原理（比重の概念）」などの科学法則を発見し、現代科学に大きな影響を与えた科学者の一人といっていいでしょう。
アルキメデスと金の王冠
ある時、シラクサの王ヘロンが、純金で王冠を作ることを思い立ちました。金細工師を呼んで金塊を渡し、純金の王冠は立派にでき上がりました。しかしその後、金細工師が混ぜ物をして王冠を作り、一部の金を盗んだのではないかという噂が広がりました。
こんな噂が広がり、王自身も気になりました。そこで、ヘロンはアルキメデスを王宮に呼び「王冠を傷つけることなく、混ぜ物がされているかを調べよ」と命じたそうです。そんな依頼を受けたアルキメデスは良い方法が見いだせず困り果てていました。
しかし、解決策は思わぬところから出てきました。アルキメデスは疲れを癒やすために風呂に入った瞬間、水が湯船からあふれるのを見て、比重を用いて純度を調べる方法を発明したのです。その後、王冠と同じ重量の金塊を用意し、水を張った容器にそれぞれを投入。すると、金塊を入れた時よりも王冠を入れた時の方が明らかに多く水が溢れたそうです。
王冠が本物の純金であれば、金塊と同じ量の水が溢れるはず。しかし、王冠の方が明らかに水が溢れており、これは王冠に混ぜ物がされているせいであると結論付けました。このひらめきによって比重を用いて金の純度を調べる方法が発明されました。
密度の調べ方
用意するもの
・測りたい金属
・小数点以下まで測れるはかり
・水を入れる容器
・釣り糸
手順
① 測りたい金属をはかりに乗せて重さを計測する
② 水を入れた容器の重さを計測する
③ 容器の中に釣り糸で結んだ金属を沈め、計測する（容器の側面や底に金属が接しないように注意する）
④ ①～③で求めた値を用いて計算する
⑤ 計算した値を上述した金の品位と比べることで品位を調べることができます。
計算
計算式は①÷（③−②）となります。
これは「水中の物体が受ける浮力は、その物体が押しのけている水の重さと等しい」というかの有名なアルキメデスの原理を利用したものです。アルキメデスはこの法則を利用することによって王冠の材料が金ではないという事を見抜いた逸話は有名ですよね。
まとめ
今回は金製品の比重の求め方やそれに関する逸話をご紹介しました。金の比重は金の純度を見極めるために重要なものです。この純度や割金の種類によって品質や価値が大きく変わるため、金の品位は金取引を行う際にとても重要なものになります。「買取大吉」では金・貴金属の買取を強化しており、経験豊富な鑑定士が純度のわからない金製品であっても問題なく査定することができます。ご相談は無料で行っておりますので、お近くの「買取大吉」まで是非ご来店ください。
