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18金と金属アレルギー

貴金属を身につけることで、肌に「かゆみ」や「かぶれ」といったアレルギー反応が起こることがあります。しかし、なぜ18金はアレルギーリスクが低いとされているのでしょうか。
ここでは、18金の特徴と、金属アレルギーが起こりにくいとされる理由について詳しく解説します。
18金の特徴
18金は、金の含有率が75%で、残りの25%には異なる金属(割金)が加えられた合金です。
割金によって硬さや耐久性が向上するため、日常使いのアクセサリーに適しています。また、割金の種類や割合によってカラーバリエーションが異なるのも特徴です。
さらに、割金を含むことで純金より安価になりますので、手が届きやすい点も魅力のひとつです。
18金はアレルギー症状が出にくい
18金は比較的アレルギー反応を起こしにくい合金です。
まず、金属アレルギーは、金属が溶け出して皮膚に刺激を与えることで発生します。しかし、金は金属の中でもイオン化しにくい特徴があります。そのため、純度が高い18金はアレルギーリスクが比較的低いとされています。
ただし、後述するように、まれにアレルギーを引き起こす場合もあるため注意が必要です。
18金の金属アレルギーの原因

18金がアレルギーを引き起こす主な原因は、以下の2つが考えられます。
・金属アレルギーの原因物質が含まれているため
・体に免疫反応が備わっているため
ここでは、これらの原因について詳しく解説していきます。
金属アレルギーの原因物質が含まれているため
前述のとおり、18金は純金にほかの金属を加えて作られる合金(割金)です。
割金として使用される金属には、銀や銅、パラジウム、ニッケル、亜鉛などが含まれることがあります。そのため、これらの金属に対してアレルギーを持つ方が18金製品を身につけた場合、アレルギー反応が起こる可能性もあります。
体に免疫反応が備わっているため
金属は、汗や唾液などの体液によって溶け出し、金属イオンとなります。
体がこの金属イオンを異物(アレルゲン)と認識し、過剰な免疫反応を引き起こす状態が「金属アレルギー」です。そのため、アレルゲンとなる金属と頻繁に接触するほど、金属アレルギーが発症しやすくなるとされています。
例えば、常に唾液にさらされる銀歯や、ピアスホールを維持するために長期間装着する金属製ピアスは、アレルギーを引き起こすリスクがあるといえます。
さらに、医療用インプラントのネジ、塗料、ガソリンなどに含まれる金属成分も、アレルゲンとなる可能性があります。
金の純度と金属アレルギーの関係

金の純度や、割金に使われる金属によって、アレルギーリスクは変わることがあります。ここでは、金の純度と金属アレルギーとの関係について、詳しく解説していきます。
金の純度が高いと金属アレルギーの症状が出にくい
一般的に、金の純度が高いほど、金属アレルギーのリスクは低くなるとされています。
18金は割金が25%と比較的少ないものの、純金(24金)や22金、20金と比べると、アレルギーを引き起こすリスクはやや高いといえるでしょう。
以下に、金の品位と純度を一覧でご紹介します。
| 金の品位 | 金の純度 | 割り金の純度 |
|---|---|---|
| 24金(K24) | 99.9% | ― |
| 22金(K22) | 91.7% | 8.3% |
| 20金(K20) | 83.3% | 16.7% |
| 18金(K18) | 75.0% | 25.0% |
| 14金(K14) | 58.5% | 41.5% |
| 10金(K10) | 41.6% | 58.4% |
カラーゴールドによってはリスクが高まる
まず、「カラーゴールド」とは、純金にほかの金属を加えることで、さまざまな色味を表現した金のことです。使用される割金の種類によっては、金属アレルギーのリスクが高まることがあります。
例えば、ピンクゴールドには金のほかに銅、銀、パラジウムが含まれ、ホワイトゴールドには銀、パラジウム、ニッケルなどが使用されています。
同じ18金でも、銀は比較的アレルギーリスクが低いとされる一方、ニッケルやパラジウム、銅はリスクが高い傾向にあります。
もちろん、製品によって配合比率は異なりますが、アレルギーに不安がある方は、購入前に成分表示や素材情報を確認することをおすすめします。
金属アレルギーはアクセサリーごとに異なる
金属アレルギーの症状は、アクセサリーによっても異なることがあります。
・ピアス
ピアスホールの粘膜部分に金属が直接触れるため、金属イオンが体内に吸収されやすくなります。そのため、接触範囲が狭くてもアレルギー反応を起こす可能性があります。
・ネックレス
長時間皮膚と接触することで、金属イオンが体内のタンパク質と結びつきやすくなり、アレルギー反応を引き起こす場合があります。
どちらがよりアレルギーを起こしやすいかは、使用状況や個人の体質によって異なります。そのため、アクセサリーに応じて、肌に合う素材を選ぶことが大切です。
金属アレルギーの症状の種類

金属アレルギーには、主に「接触性皮膚炎」と「全身性金属皮膚炎」の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴や発症メカニズムについて詳しく解説していきます。
接触性皮膚炎
接触皮膚炎は、一般的に「かぶれ」と呼ばれる症状で、皮膚が金属に触れた際にアレルギー反応として現れることがあります。
この症状は、アクセサリーだけではなく、バッグやベルトなど装飾品に使用されている金属部分との接触でも引き起こされる可能性があります。
また、接触皮膚炎は金属に触れた直後に現れるとは限りません。数時間から数日、あるいは数週間後に発症することもあります。
主な症状としては、「皮膚の赤みやかぶれ」「軽い発熱」「湿疹」「蕁麻疹(じんましん)」などが見られます。
全身性金属皮膚炎
全身金属皮膚炎(全身型金属アレルギー)は、金属成分が体内に吸収された後に症状が現れるタイプの金属アレルギーです。
例えば、ニッケルはチョコレート、ココア、豆類、貝類などの食品に多く含まれており、これらを摂取することで体内に取り込まれることがあります。
また、歯科治療で使用されるパラジウムなどの金属が原因で、アレルギー反応を引き起こすケースも見られます。
主な症状としては、手足や全身に赤みやかゆみが生じることがあります。場合によっては湿疹や皮膚の炎症が広範囲にわたって現れることもあります。
金属アレルギーの症状が出たときの対処法

ネックレスやブレスレットなどを身につけている部分に、アレルギー症状が出た場合は、まずそれらのアクセサリーを外しましょう。
症状が局所的であっても、全身に広がっている場合でも、できるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします。
皮膚科では、パッチテストと呼ばれる金属アレルギー検査を行い、アレルギーの原因となる金属を特定します。
検査結果に基づいて、アレルゲンとなる金属との接触を避けるよう指導され、必要に応じて薬による治療(抗ヒスタミン剤やステロイド外用薬など)が行われます。
金属アレルギーの確認方法
金属アレルギーの有無を確認するには、医療機関での検査をおすすめします。
皮膚科では、パッチテストや血液検査などにより、アレルギー反応を示す金属を調べることができます。
あらかじめアレルギーの原因となる金属がわかっていれば、ジュエリーやアクセサリーを選ぶ際にも安心ですし、アレルギー症状の予防にもつながります。
18金を高く売るためのポイント
18金をできるだけ高く売却するためには、次の3つを押さえておくことが大切です。
・査定前にお手入れをする
・付属品や保証書もまとめて査定に出す
・金相場を確認してから査定に出す
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
査定前にお手入れをする
18金を査定に出す前に、柔らかい布で優しくきれいに磨いておくことで、査定額がアップする可能性があります。
ただし、ジュエリーはデザインが繊細なものも多く、力を入れて磨くと破損したり、宝石が外れてしまったりするおそれもあります。そのため、お手入れの際は、力を入れすぎず、やさしく丁寧に行うことが大切です。
付属品や保証書もまとめて査定に出す
18金のブランドジュエリーを査定に出す際は、付属品や保証書が揃っていることで、査定額がプラス評価につながる場合もあります。
古いものであっても価値が認められることがあるため、査定時には本体と一緒に持ち込むと良いでしょう。
また、今すぐに売却の予定がない場合でも、将来的な価値を保つために、箱・保証書・付属品などは捨てずに大切に保管しておくことをおすすめします。
金相場を確認して査定に出す
18金を売却する際は、事前に金の相場を確認してから査定に出しましょう。
近年は、地政学的リスクの高まりやインフレ傾向などを背景に、金価格が上昇する局面が多く見られます。今後も上昇が続く可能性はありますが、必ずしも一方向に進むとは限りません。
実際、金価格は日単位・月単位で見れば上昇と下落を繰り返しており、常に変動しています。また、地政学的リスクが落ち着き、経済状況も改善すれば、金価格が下落する可能性もあります。
そのため、日頃から金の価格動向や世界情勢に注目し、適切なタイミングで売却することが大切です。
まとめ
今回は、18金と金属アレルギーの関係について解説しました。
18金は純度が高いため、比較的アレルギーリスクは低いといえます。しかし、割金に含まれる金属がアレルゲンとなることもあります。特にピンクゴールドは銅やパラジウムを含みリスクが高めです。
そのため、まずは医療機関のパッチテストでアレルゲンを確認しましょう。これにより、自分に合った18金製品を選ぶことができます。


