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金インゴットのシリアルナンバーで持ち主がわかる?刻印の内容を解説

金インゴットのシリアルナンバーで持ち主がわかる?刻印の内容を解説
木村健一(きむら けんいち)
記事の監修者
査定歴15年以上
木村健一(きむら けんいち)

貴金属・ジュエリー分野で査定経験を持つ鑑定士。
テレビや雑誌、YouTubeなどへの出演経験もあり、専門的な知識と確かな鑑定力で信頼を集めている。

金インゴットに刻印された、シリアルナンバーから持ち主を特定することは、可能なのでしょうか。今回の記事では、シリアルナンバーをはじめとする刻印の意味について、詳しく解説します。

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金インゴットの種類と刻印の内容

インゴットには多くの種類があり、刻印は本物であることを証明する重要な情報です。ここでは、インゴットの種類と刻印の意味を解説します。

インゴットの種類

金インゴットには、「重量」と「ブランド(デザイン)」の違いによって多くの種類が存在します。

まず、重量についてですが、主に以下のような種類があり、細かく分類すれば10種類以上にもなります。

サイズ 重量
ラージバー 12.5kg
キロバー 1kg
グラムバー 500g
スモールバー 500g未満
コインバー 100g未満

※貴金属メーカーによって重量が異なる場合があります。

次に、日本国内で取り扱われている代表的な金インゴットのブランド5社をご紹介します。

各メーカーによって、販売されているインゴットのデザインは異なります。

・田中貴金属工業株式会社

・石福金属興業株式会社

・三菱マテリアル株式会社

・日本マテリアル株式会社

・株式会社徳力本店

また、これらはいずれも、国際公式ブランドとして認定されたメーカーです。日本の金融市場では、国際公式ブランド認定を受けたインゴットのみが正規品として取引されています。

インゴットの刻印の内容

インゴットに刻まれている刻印は、それぞれに明確な意味と役割があります。ここでは代表的な4つの刻印についてご紹介します。

・ブランドマーク

一見すると、単なるブランドマークのように見えますが、これはロンドン地金市場協会(LBMA)の厳格な審査を通過した「認定ブランド」のみに許可される刻印です。

この刻印は、インゴットの信頼性と品質を保証する、非常に重要な情報となります。

・重量

インゴットの重さを示す刻印です。例えば「100g(グラム)」や「1kg(キログラム)」など、正確な取引のために欠かせない情報です。

・品位(純度)

金の純度を表す刻印で、最高品位は「999.9」となります。これは純度が99.99%以上であることを示し、極めて高純度な金であることを意味します。

・シリアルナンバー

インゴットが正規のものであることを証明する識別番号です。

このほかにも、「製錬業者・検定分析業者のマーク」「素材(FINE GOLD・GOLD)」を示す刻印が施されている場合もあり、いずれもインゴットの真正性や品質を証明するために重要です。

金インゴットのシリアルナンバーの意味

インゴットには、商品管理のためにシリアルナンバーが刻印されています。

このシリアルナンバーにより、製造数を管理するだけではなく、偽造品の判別も容易になります。

例えば、まったく同じ番号が複数のインゴットに刻印されていたり、存在しない番号が使用されていたりする場合、それが偽物である可能性は高いと判断できます。

このように、シリアルナンバーは貴金属メーカーや正規販売店にとって、商品の信頼性を保ち、正確に管理するために欠かせない要素となっています。

シリアルナンバーで持ち主はわかる?

シリアルナンバーだけで、金インゴットの持ち主を特定することは難しいでしょう。

シリアルナンバーは本来、インゴットの識別や管理を目的とした「製造番号」であり、購入者情報と直接結びついているわけではありません。

ただし、店舗によっては、インゴット購入時に発行される計算書に購入者の名前や住所、電話番号とともにシリアルナンバーを記載するところもあります。

そのような場合は、購入者情報とシリアルナンバーが紐づくため、持ち主を特定できる可能性があります。

シリアルナンバーの買取への影響

買取専門店の中には、インゴットにシリアルナンバーを含む刻印がない場合、査定を受け付けていないところもあります。

これは、刻印のないインゴットや延べ棒は、真贋(しんがん)や価値の判断が難しいためです。

一方、刻印がなくても査定に応じる店舗もありますが、その場合は、インゴットとしての価格ではなく、地金扱いとなり、評価額が下がることがあります。

そのため、金インゴットに刻印されたシリアルナンバーは、買取の際に非常に重要な役割を果たします。

刻印のないインゴットもある

市場に流通しているインゴットの多くには、刻印がありますが、中には刻印が施されていないものも存在します。ここでは、なぜ刻印のないインゴットがあるのか、そして、刻印がないことで価値が下がる理由について、詳しく解説します。

刻印がない理由

刻印のないインゴットが存在する理由としては、主に次の2つが考えられます。

・有名ブランドでない場合

インゴットには、国際的に認可された公式ブランドの刻印が施されるのが一般的です。しかし、刻印がない場合は、そのインゴットが国際公式ブランド認定の正規品ではない可能性が高いと考えられます。

・経年による刻印の摩耗

刻印が部分的にかすれてしまい、判別しにくい場合もあります。

特にシリアルナンバーがかすれていることが多く、刻印の摩耗がひどいとほとんど見えなくなってしまいます。このような場合、刻印がないものと判断され、インゴットとして認められないことがあります。

刻印がないと買取価格が下がる

刻印があることでインゴット価格が適用されるため、通常の地金よりも高値で取引されます。

例えば、ブランド刻印はロンドン地金市場協会(LBMA)の厳格な審査を通過した、認定ブランドにのみ認められているため、品質が保証されています。

しかし、「刻印が消えている」「確認できない」といった場合は、基準を満たしていると認められず、インゴット価格での取引はできません。

たとえ純金であっても、通常の金地金として扱われ、同じ条件でも刻印のあるインゴットより査定額が低くなる傾向があります。

まとめ

今回は、金インゴットに刻まれたシリアルナンバーをはじめ、各種刻印の意味について解説しました。

金インゴットに施されている刻印にはそれぞれ明確な意味があり、特にブランドの刻印は品質と価値を保証する重要な要素です。また、シリアルナンバーは主に商品管理のための識別番号であり、基本的に所有者を特定する目的では使用されません。

ただし、購入先の店舗によっては、計算書に購入者の個人情報とともにシリアルナンバーを記載しているケースもあります。

そのような場合には、情報が紐づけられているため、所有者を特定できる可能性があります。

木村健一(きむら けんいち)
記事の監修者
査定歴15年以上
木村健一(きむら けんいち)

貴金属・ジュエリー分野で査定経験を持つ鑑定士。
テレビや雑誌、YouTubeなどへの出演経験もあり、専門的な知識と確かな鑑定力で信頼を集めている。

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