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シンガポールの金市場とは
金の取引は世界中の市場で行われており、金相場は基本的に世界共通です。その中でもシンガポールの金市場は、アジアの主要な貴金属取引拠点として知られています。
2012年に投資用金の「GST(消費税)」が免除されたことを契機に、海外投資家や貴金属企業の注目を集めており、取引・保管・精製のハブとしての地位を確立しています。
シンガポールでは金を非課税で購入できる
金の購入に際して消費税が課されない国は限られており、その一つがシンガポールです。一定の基準を満たす金地金については非課税とされており、日本のように消費税がかかる国と比べてコスト面での優位性があります。
さらに、贈与税や相続税も存在しないため、長期的な資産保有の観点からも注目されています。こうした制度は、シンガポールが国際的な資産保全の拠点として選ばれる魅力を高めています。
金価格は国ごとに大差はない
金の価格は基本的に世界共通であり、国によって大きな差が生じることはほとんどありません。これは、ロンドン市場をはじめとする国際的な主要市場の取引価格が、世界の基準として広く参照されているためです。
ただし、実際の売買にあたっては為替レートや流通コスト、税制などの影響により、各国での取引価格にわずかな違いが生じることもあります。シンガポールの市場も、この世界的な価格体系のもとで動いています。
【2025年】シンガポールの金相場
2025年のシンガポールにおける金相場は、グローバルな金価格の動向と「シンガポールドル(SGD)」の為替変動の影響を受けて、月ごとに変動しています。
そこで、2025年1月1日から5月8日までの金価格推移について、この期間の価格データをもとに平均価格を算出しました。
金の純度 | 金相場平均価格(SGD/g) |
---|---|
K24 | 128.09 |
K22 | 118.31 |
K18 | 98.18 |
K14 | 77.83 |
K10 | 57.87 |
高まる需要と金価格の変動
2025年現在では、世界的な経済不安や地政学的リスクの影響を受け、金価格は急速に上昇しています。シンガポールでもその影響が色濃く、金相場は高騰が伺えます。
シンガポールドルの為替変動や、世界市場での金需要の増加が、月ごとの価格変動に影響を与えているといえます。特に4月から5月にかけての急激な上昇は、投資家の注目を集めました。
今後も金相場の動向を慎重に見守り、適切なタイミングでの投資判断が求められるでしょう。
シンガポールで金を購入するのにおすすめの場所
金の購入先として注目されるシンガポールは、非課税で安全性が高く、多くの投資家に選ばれています。信頼性の高いブローカーや保管サービスが整っており、利便性に優れた取引サービスが揃っているからです。
ブリオンスター(BullionStar)
ブリオンスターは、シンガポールに拠点を構える信頼性の高い貴金属販売業者です。金や銀の延べ棒やコインなど、10種類以上の商品を扱い、すべてシンガポール国内で取引が完結します。さらに、金地金の購入は非課税で行えます。
安全で低コストな保管サービス
ブリオンスターの保管サービスは、安全性と低コストが魅力です。保有する貴金属は、保険付きで定期監査される最も安全な施設に保管され、オンラインで24時間アクセス可能です。
取引スプレッドは低く、保管料は年間0.09%からと非常にリーズナブルです。加えて、資産の写真確認やシンガポールにある実際の保管場所を訪問できるため、運営の透明性が高く、安心して利用できます。
ゴールドブローカー・ドットコム(GoldBroker.com)
ゴールドブローカー・ドットコムは、シンガポールで金や貴金属を購入する際に人気のあるブローカーです。2011年にファブリス・ドゥルアン・リストリ(Fabrice Drouin Ristori)氏によって設立され、現在はロンドンに拠点を置いています。
個人や企業が金や銀を実際に所有し、銀行システムに依存せずに安全な場所で保管できる投資サービスです。シンガポールや主要国に保管施設があり、免税環境での取引が可能です。
仲介なしで直接所有できる金取引
競争力のある価格で、仲介業者を介さずに直接金の所有権を提供しています。これにより、金の購入が初めてでも簡単に取引可能です。手数料は保有金額に応じたスライディングスケールで、最低投資額は約5,000ドルです。
また、公式サイトは日本語に対応していないため、英語やフランス語での利用となります。
シンガポールで金アクセサリーを購入する時のコツ
シンガポールでゴールドアクセサリーを購入する際、価格を抑えるためのポイントがあります。少しでもお得に買うために、そのコツを確認していきましょう。
セールストークに気をつける
シンガポールの市場では、セールストークに気をつけてください。特に、インド系コミュニティが集まる地区「リトル・インディア(Little India)」の店舗では、インド系の店主が多く、独自の販売手法を用いています。
日本とは異なり、その手法は時に圧倒的で、うっかり流されてしまうこともあります。しかし、自分が本当に求めるものを手に入れるためには、冷静な判断が欠かせません。セールストークに惑わされず、よく考えた上で決定してください。
できるだけ平日に行く
シンガポール中心部にあるリトル・インディアは、週末になると多くの人々で混み合います。日曜日は、インド系の住民が集まるため、独特の熱気に包まれています。
初めて訪れる日本人にとっては、その雰囲気に圧倒されることもあるかもしれません。女性は服装にも配慮したほうが安心です。落ち着いて買い物を楽しみたい場合は、平日の訪問を検討するとよいでしょう。
スリに気をつける
比較的治安が良いとされているシンガポールですが、スリの被害が報告されることもあります。金のアクセサリーなどは現金化しやすいため、盗難の標的になりやすいといわれています。
購入したばかりの貴金属類は、人目につかないように保管することが肝心です。安心して旅を楽しむためにも、貴重品の取り扱いには十分な注意が求められます。
試着して購入する
シンガポールで見かけるゴールドアクセサリーの多くはK22で、純度が約91.6%含まれるため輝きも強めです。そのため、日本人の肌にはやや派手に映ることがあります。
一方、日本で主流のK18は控えめな輝きで、日常使いに適した上品さがあります。純金が高いK22は、デザインも華やかなものが多いため、特別な場よりも普段のおしゃれとして取り入れるのが良いでしょう。
購入するならまずは実際に試着して、その印象を確認することをおすすめします。
シンガポールで金を購入して日本で売るときは金相場も確認
シンガポールで金を購入する際は、ブリオンディーラー(地金商)などで商品を選ぶことが一般的です。そして、日本に持ち帰り、売却して利益を得ることを考える方も多いでしょう。
日本で売却することを考えているなら、為替レートとともに金相場の変動にも注意が必要です。価格は日々変動しており、購入時と売却時の相場次第で利益に大きな差が出ることがあります。
海外で買った金の課税ルール
利益を出すためには、税金について十分に理解しておく必要があります。金の総額が他の土産と合わせて20万円以下なら非課税となりますが、それを超える場合は消費税が課されます。
さらに、付加価値税の払い戻しが受けられるかどうかを、事前に確認することも重要です。
単体で20万円を超える金 | 全額課税対象 |
複数の金を持ち込む場合 | 最も高い20万円以下の金が免税対象 |
シンガポール以外で金が安い国
金の価格は世界共通の相場に基づいて決まりますが、購入時にかかる税金や取引手数料によって、実際の支払額が変わることがあります。特にアジアでは、国ごとの税制や市場の違いによって、比較的安く購入できる地域があります。
台湾
台湾も金を手頃な価格で購入できる国の一つです。日本からのアクセスが良く、旅行のついでに購入しやすい点も魅力といえます。台湾では、宝石店やデパートに加え、銀行でも金を取り扱っており、購入の選択肢が広いのが特徴です。
また、金の購入には税金がかからず、コスト面でも有利です。ただし、国外への持ち出しには制限があり、2万米ドルを超える場合は申告が必要となります。規制を守りながら、賢く取引することが大切です。
ドバイ
ドバイもまた、金を安く購入できる国として知られています。豊富な品揃えと税制優遇により、世界中の投資家や観光客が訪れる場所となっています。
特にディラ地区の「ゴールド・スーク(Gold Souk)」は、数百軒の宝飾店が立ち並び、膨大な量の金製品が取引される市場です。
政府も金取引を推奨しており、純度99%以上の金は消費税が非課税となります。また、観光客には一定額の税金還付制度が設けられており、購入時の負担が軽減される仕組みです。
まとめ
金市場が活発に動いているシンガポールは、世界中の投資家が注目するエリアです。金を購入する際は、現地の市場や信頼できる店舗を選び、相場や税制についてもしっかりと把握することが大切です。
シンガポールでの金購入は、賢い投資の一環としても魅力的な選択肢となるでしょう。