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金の購入証明書とは?
金の購入証明書は、正規ルートで購入されたことを証明する書類です。売却時に必須ではありませんが、提示すれば信頼性が高まり、取引が円滑に進むでしょう。
金を購入した証明となる計算書
金の購入証明書とは通常、「購入計算書」または「購入明細書」を指します。これは、金を購入した際に発行される書類で、購入日や金額、金の種類など、その内容は取引が行われた証となります。
また、購入時の金相場が記載されていることもあり、取引時の透明性を確保するために重要です。
近年では貴金属の買取店や、リサイクルショップでも、購入証明書の提示が求められる傾向にあります。買取額に影響を与える可能性があるため、計算書は紛失しないよう大切に保管しておきましょう。
記載項目 | 購入者名・購入日・購入日の金相場・品名・品位・重量 など |
金の購入証明書は紛失すると基本的に再発行できない
金の購入証明書が再発行できない主な理由は、購入時の取引に基づいた正式な記録であり、基本的にその書類が一度発行された後は、商取引が完了したとみなされるからです。
取引履歴の信憑性が損なわれるリスクがあるため、多くの販売業者は証明書の再発行を行わない方針を取っています。
購入証明書を紛失した場合の対応策
まず、購入した販売店に連絡し、再発行の可能性を確認してみましょう。また、クレジットカードや銀行振込の明細書も有効な証拠と見なされることがあります。
購入時に立ち会った人物がいれば、その証言を求めることも一つの方法です。さらに、関連するメールや配送記録、購入時の写真など、証拠となる資料が残っていないか確認することをおすすめします。
確認事項 | 販売店に問い合わせる / クレカ明細や銀行振込の証拠を探す / 証人を頼む / 関連する証拠を探す |
金の購入証明書なしでも売却できる
金の購入証明書がなくても、基本的には金の売却は可能です。証明書がなくても、買取業者が金の価値を正確に査定してくれることが多いため、売却を諦める必要はありません。
しかし、業者によって対応が異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。また、査定料や手数料についても確認すると、より安心して取引が進められます。
金買取に必要な書類
金を売却する際には、購入証明書に加え、本人確認書類の提示が求められます。取引の内容によって求められる書類が変わるため、あらかじめ内容を把握しておきましょう。また、いずれも有効期限内のものでなければなりません。
取引額が200万円未満の場合
金の買取では、取引金額に応じて必要な書類が異なります。200万円未満の取引であっても、個人と法人では準備すべき書類が異なります。
スムーズに手続きを進めるためには、前もって必要な書類を理解しておくと安心です。
個人の場合
個人取引で200万円未満の場合、「運転免許証(運転経歴証明書)」など、顔写真付きの本人確認書類を1点提出すれば問題ありません。
しかし、「健康保険証」や「年金手帳」など、顔写真なしの書類を使用する場合は、現住所を証明できる補助書類も必要です。
また、2020年2月4日以降に発行された日本のパスポートは、所持人記入欄から住所の記載が削除されています。そのため、新型パスポートを本人確認書類として使用するには、別途現住所確認書類が求められます。
本人確認書類
(顔写真付き / 単独で有効) |
運転免許証
(運転経歴証明書) マイナンバーカード 住民基本台帳カード 特別永住者証明書 身体障害者手帳 パスポート ※新型は除外 |
本人確認補助書類
(顔写真なし / 併用で有効) |
住民票
戸籍謄本 印鑑登録証明書 国税・地方税の領収書 納税証明書 公共料金の領収書(電気・ガス・水道など) |
法人の場合
法人による取引額が200万円未満の場合、本人確認書類に加えて、法人関連の書類も必要です。
業者側の運用ポリシー次第ですが、「登記事項証明書(現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書)」と「印鑑登録証明書」のいずれか1点です。ただし金額が大きい場合は、両方の提示を求められます。
また、代表取締役以外の方が来店する際には、法人委任状を用意しておくことが望ましいでしょう。
法人確認書類 | 登記事項証明書
(現在事項全部証明書、または履歴事項全部証明書) |
印鑑登録証明書 |
取引額が200万円以上の場合
金の買取において、取引額が200万円を超える場合は、マイナンバーの提示が必須です。
マイナンバーが発行されていない場合は、通知カードを代わりに使用することができます。その際には、運転免許証など顔写真付きの本人確認書類を併せて提示する必要があります。
こうした制度は、売却益の申告漏れを防ぐために導入されました。2012年からは、事業者に対しマイナンバーを含む支払調書の提出が義務付けられており、事前の準備が重要です。
金を売るときの税金にも注意
金の売却では、思いがけず課税対象になることがあります。利益が生じた場合には、確定申告が必要となることもあるため、制度を理解しておくことが重要になります。知らずに放置すると後々の申告で困ることにもなりかねません。
金の売却時に課税対象となる条件
金の売却によって得た利益は「譲渡所得」として扱われ、一定の条件を満たすと課税対象となります。ただし、すべての取引に税金がかかるわけではありません。
年間の利益が50万円を超えた場合にのみ課税の対象となります。つまり、購入価格よりも50万円以上高く売却した場合、その超過分に対して課税されるのです。取引の前に税制を把握しておけば、申告漏れを防ぐことにつながるでしょう。
利益が年間50万円を超えなければ非課税 |
金の売却で利益が出ると確定申告が必要
金を売却して利益が出た際には、確定申告が必要かどうかを確認することが大切です。たとえば、年収2,000万円以下の給与所得者で、売却益が20万円以下の場合は申告が不要とされています。
ただし、条件に該当しないにもかかわらず申告を怠ると、税務署から指摘を受け、追徴課税の対象となることもあります。取引後は、所得の有無を正しく判断し、必要に応じて手続きを進めましょう。
給与収入が2,000万円以下 かつ 金の売却益が20万円を超えると申告が必要 |
金の購入証明書を紛失したときは税務署へ
金を売却した際に必要な確定申告の手続きで、購入時の計算書を紛失してしまった場合は、税務署や税理士に相談してください。専門家は解決策を提案してくれる場合があり、手続きが円滑に進むこともあります。
また、確定申告の手続きに不安があるなら、税務署に相談しましょう。わからない点を解消することで、スムーズに申告を進められるからです。
金の購入証明書なしで売却すると損をする可能性も
金を売却する際、購入時の証明書がない場合、売却額の95%が利益として扱われ、課税対象となります。
仮に、300万円で購入した金を500万円で売却したとしましょう。証明書があれば、売却益は200万円です。しかし、証明書がない場合は、500万円の95%である475万円が利益として計算され、課税されてしまいます。
このような不利益を避けるためにも、金の購入証明書は必ず大切に保管しておきましょう。
まとめ
金の購入証明書を紛失した場合でも、他の対応策で売却は可能です。必要書類や手続きについては、購入した店舗や税務署に確認し、適切な対応をとることが大切です。売却時は証拠資料を揃え、確実に手続きするようにしましょう。