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万年筆のペン先が金だと高く売れる
万年筆のペン先に金が使用されている場合、高価買取が期待できます。
これは、貴金属である金が需要の高い希少な素材であり、買取市場でも高値で取引されるためです。
買取価格は金の相場によって変動しますが、21金、18金、14金といったように、金の純度が高いほど高値がつく傾向にあります。
万年筆は本体だけでなく、ペン先のみでも買取が可能です。ノーブランドの万年筆であっても、金製のペン先であれば売却できる場合があります。
ただし、見た目が金色であっても、実際には金メッキである場合があります。また、経年劣化により金色が薄れていても、素材として金が使用されているケースもあるため、注意が必要です。
ペン先が金の万年筆の買取相場
万年筆のペン先に金が使用されている場合、その買取価格は純度以外にも、重さや金相場によって左右されます。ここでは、買取相場の調べ方や、査定時の注意点について詳しく解説します。
ペン先の素材を確認する
万年筆のペン先を「ニブ」と呼びます。
このニブに使用されている素材によって、買取価格が変わるのはもちろん、耐久性や書き心地にも違いが出ます。
低価格帯の万年筆では、チタンやステンレスなどの金属が使われていることが多いですが、高級万年筆になると、14金や18金といった金が使用されていることが一般的です。
特に購入時の価格が1万円を超えるような高級万年筆であれば、ニブに金が使われている可能性が高く、地金として買取に出すことも可能です。
たとえ古くて使用感があったとしても、素材としての価値が認められることがありますので、まずは一度査定に出してみるのがおすすめです。
ペン先の重さを確認する
金製のペン先は、その重さによっても買取価格が異なります。
万年筆のペン先はデザインや装飾によって異なりますが、一般的には0.2〜0.5g程度が目安とされています。
正確な重量を測定するには万年筆のペン先を外す必要がありますが、むやみに分解するのは避けたほうが良いでしょう。ペン先は非常に繊細なパーツであり、強い力を加えると簡単に変形してしまうリスクがあります。
そのため、売却を検討する際には、専門的な知識と技術を持つ買取業者に査定を依頼することをおすすめします。
金の相場を確認する
先述したように、金製のペン先は18金や14金で作られています。
これらの買取相場を把握することが重要です。金の価値は、世界経済や為替レートなどの影響を受けて日々変動しているため、同じ純度や重さの金製品であっても売却タイミングによって価格が異なります。
金の買取相場は、新聞やテレビの経済ニュース、金融機関のウェブサイト、貴金属専門の情報サイト、買取業者の公式サイトなどで確認できます。
定期的に相場をチェックし、その動向を把握しておくことが高額買取に繋がります。
【計算方法】ペン先が18金の万年筆の買取価格
18金製品の買取額は、以下のシンプルな計算式で算出することができます。
「18金部分の重さ × 18金の買取相場 = 買取額」
例えば、2025年5月15日現在の18金(スクラップ)の一般的な買取相場は、1gあたり11,247円です。このとき、お手持ちの万年筆のニブ(18金)の重さが0.5gであれば、以下のように計算することができます。
0.5g × 11,247円 = 5,623円
このように、小さなペン先ひとつでも、お小遣い程度の金額になる可能性があります。
万年筆本体の買取相場
万年筆本体の買取相場は、定価を基に目安を出すことができます。
ただし、ブランドやモデル、製造年代、商品の状態、付属品の有無なども買取価格に大きく影響するため、一概に決定することはできません。以下では、定価による買取相場の目安と高価買取のポイントをまとめました。
定価による買取相場の目安 | ・定価が1万円以上:新品価格の約4分の1程度
・定価が数千円程度:新品価格の約10分の1程度 |
高価買取のポイント | ・高級ブランドの製品や限定モデル、希少なヴィンテージ品
・保存状態が良く使用感が少ない「美品」 ・ギャランティーカードや専用ケースなどの付属品が揃っている |
また、市場の需要と供給のバランスや、買取業者の査定基準によって、買取価格は日々変動するため、正確な価格を知るには査定を受けることが大切です。
分解しないほうが高く売れやすい
万年筆は、分解せずに本体そのままの状態で売却したほうが、高値が付く可能性があります。
ペン先だけを売却する場合、金の地金として扱われることがあります。その際、消費税や手数料が差し引かれるため、手元に残る金額が少なくなってしまいます。
一方で、万年筆本体として査定に出せば、モデルや状態によっては数万円の価値が付くこともあります。そのため、可能な限り分解せず、完品に近い状態で売却することをおすすめします。
ブランド物の万年筆も高く売れる
万年筆は、ブランド品になると高値で取引されることが多くなります。
ここでは、世界的に有名な筆記具メーカーから、日本国内で人気のブランドまで、それぞれの特徴や代表的な万年筆のシリーズについて詳しくご紹介します。
モンブラン
モンブランは、1906年にドイツで創業された高級筆記具ブランドで、質の高い万年筆を世界中に提供しています。
代表作「マイスターシュテュック」は金のペン先と洗練されたデザインが特徴で、三島由紀夫や松本清張にも愛された逸品です。1924年の発売以来、芸術品とも称される品質で今なお人気を集めています。
このほか、現代的な「スターウォーカー」や、女性に人気の「ミューズエディション」など、さまざまな魅力的なシリーズを展開しています。
ウォーターマン
ウォーターマンは1883年に創業し、世界で初めて万年筆を製造したことから「万年筆の元祖」として知られる老舗筆記具メーカーです。
毛細管現象を応用したインク供給機構をはじめ、クリップ付きキャップや交換可能なインクカートリッジの開発など、現代の万年筆の基礎を築いてきました。
「カレン」や「エキスパート」などの人気シリーズをはじめ、上位モデルも豊富に展開されており、自分に合った一本を選びやすい点も魅力です。
技術とデザインの融合を理念に掲げ、書くことの喜びを提供するウォーターマンの筆記具は、今もなお世界中の愛好家に高く評価されています。
ペリカン
ペリカンは1838年に創業(筆記用具の製造は1929年開始)した高級万年筆ブランドで、現在はスイスに本社を構えています。
同社の特徴的な点は、ペン先から直接インクを吸い上げる独自の「ピストン吸入式」を採用していることです。この革新的な技術は今もなお受け継がれ、業界をリードし続けています。
代表シリーズ「スーベレーン」は、バランスの取れた設計と滑らかな書き心地が魅力で、特に「M800」は高い人気を誇ります。このほかにも、芸術性に富んだ「トレド」や、シンプルで機能的な「クラシック」など、多彩なモデルが展開されています。
シェーファー
シェーファーは、1913年にアメリカ・アイオワ州の小さな万年筆店として創業し、レバー式インク充填システムの開発により筆記具メーカーとして大きく成長しました。
その卓越した品質は、歴代のアメリカ大統領にも愛用されるほどで、国際会議などの正式な場でも署名用として使用されるなど、世界的な信頼を得ています。
パーカー
パーカーは1888年に創業されたイギリスの筆記具メーカーで、英国王室御用達としても知られる名門ブランドです。
インク漏れを防ぐカーブさせたペン芯の開発により、万年筆の実用性を大きく向上させました。矢羽をモチーフにした「矢羽クリップ」は、革新を追求するブランド精神を象徴しています。
美しいデザインに加え、滑らかな書き心地と優れた耐久性を兼ね備えており、多くの大人に長く愛用されています。
パイロット
パイロットは、1918年に設立された株式会社並木製作所を起源とする企業です。
現在では、日本を代表する文具メーカーの1つとして、高品質な万年筆を数多く生み出すヒットブランドとして知られています。
インクやペン先も自社で製造しており、特に「カスタムシリーズ」は、好みに合わせてペン先を選べる点が人気です。また、日本人の筆圧に合った設計、摩耗に強いペンポイントを採用しており、長く使えるのも特徴です。
代表的なモデルには、14金ペン先を11種類から選べる「カスタム74」や、手頃な価格で初心者にも人気の「kakuno(カクノ)」などがあります。
セーラー
セーラーは1911年創業の老舗筆記具メーカーで、100年以上にわたり日本人の筆記に寄り添ってきた国産ブランドです。
国内生産にこだわり、柔らかく滑らかな書き味や高い品質、そしてリーズナブルな価格帯でも安心して使える点が魅力です。
特に、世界で唯一の21金ペン先を採用していることでも知られています。代表モデルには、季節をテーマにした「四季織」や、21金ペン先を用いた「プロフィット21」などがあります。
プラチナ
プラチナは、1919年に創業し、100年以上の歴史を誇る筆記用具の老舗メーカーです。
同社は、世界初のカートリッジ式万年筆を実用化し、さらに2年間使わなくてもインクが乾かない「スリップシール機構」を開発するなど、技術力の高さでも知られています。
また、プラチナの大きな特徴は、職人の伝統技術を大切にしている点です。
手作りのセルロイド万年筆の生産や、伝統工芸の蒔絵技法(まきえぎほう)を施した「出雲シリーズ」などがその代表例です。これらは、日本の職人技を感じさせる美しいデザインが魅力となっています。
万年筆のペン先が金かどうかは刻印で判断する
万年筆のペン先には、素材を示す刻印が施されていることがあります。
例えば、「14金」や「18金」は金を使用していることを示し、刻印として「K14」「585」や「K18」「750」が見られます。一方、「22KGP」や「18KGP」と刻印されている場合は、金メッキを意味します。
さらに、ブランドロゴも刻印されることがあります。
モンブランの「マイスターシュテュック」には、標高4810メートルのモンブラン山を示す刻印が確認できます。このように、ペン先の刻印は素材やブランドを特定する重要な情報となります。
ペン先が金の万年筆を高く売るためのポイント
金のペン先を持つ万年筆を高く売るためには、次の4つのポイントを押さえておくことが大切です。
・付属品をそろえておく
・丁寧にお手入れしておく
・なるべく早めに売る
・複数本をまとめて売る
ここでは、これらのポイントをひとつひとつ詳しく解説していきます。
付属品をそろえておく
ペン先が金の万年筆は、有名ブランドの場合、付属品の有無が買取価格に大きな影響を与えます。
特に、再販時にプレゼント需要が高まるため、付属品が揃っていると評価が高くなります。
例えば、「箱・ケース」「保証書(ギャランティカード)」「インク」などの付属品があると、買取価格が上がる可能性があります。できるだけ付属品を揃えて買取に出すことをおすすめします。
お手入れをしておく
万年筆を売却する際、定期的なお手入れが重要です。
高級ブランドの万年筆は再販を目的に買取されることも多いため、状態が良いと高額査定につながります。お手入れ方法は以下の通りです。
1.使用後は柔らかい布でインクを拭き取り、完全に乾燥させてからキャップを閉じて保管
2.2〜3ヶ月に1度は水で洗浄し、インクの詰まりを防止
ただし、高級万年筆は分解に専用の工具が必要な場合もあります。素人が分解すると破損のリスクがあるため、専門知識を持つクリーニング業者に依頼することをおすすめします。
なるべく早めに売る
万年筆は、できるだけ早い段階で売却するのがおすすめです。
ブランドやモデルによっては時間が経過しても高価買取が可能なケースもありますが、基本的には販売から日が浅いほど、買取価格が高くなる傾向にあります。
迷っている場合でも、まずは早めに査定だけでも依頼しておくと安心です。査定は無料の業者も多いため、売却の判断材料として活用すると良いでしょう。
まとめて売る
万年筆を複数本お持ちの場合は、まとめて査定に出すことで「セット価格」として査定額が上乗せされる可能性があります。
買取業者によっては、まとめ売りに対して特別な査定額を提示してくれることもあるため、できるだけ多くの万年筆を一度に査定依頼するのがおすすめです。
特にブランドや状態が良いものが含まれていれば、さらに高価買取が期待できるでしょう。
まとめ
今回は万年筆のペン先に使用される金やその買取相場について解説しました。
高級万年筆やブランド品には、ペン先に14金や18金などの金が使用されていることが多く、査定に出せば高額で売却できる可能性があります。
しかし、保存状態や付属品も買取額に影響するため、将来売却する予定がなくても、日頃からしっかりとメンテナンスを行っておくことが大切です。