目次
【純度別】ゴールドアクセサリーの変色度合い
金には、含有量を示す「純度」という指標があります。まずは、よく販売されている純度ごとの金の特徴と、変色のしやすさについて解説します。
24金(24K)
24金は純度が99.9%と最も高く、世間から「純金」と呼ばれることが多い貴金属です。以下のような特徴があります。
変色しにくさ | ◎ |
---|---|
強度 | △ |
価格帯 | 最も高い |
金以外の金属がほぼ入っていないため、変色しにくくなっています。長期間の使用も見込めますが、柔らかい性質のため傷つきやすいという欠点があります。お手入れするときは、力強く拭かないようにしましょう。
22金(22K)
純度91.7%のものは、22金と呼ばれています。24金よりも低いですが、ほとんど変わらない輝きを放ちます。
変色しにくさ | ○ |
---|---|
強度 | △ |
価格帯 | 高い |
銀や銅などの金属が混ざっているため24金よりもやや強度があり、アクセサリーへの加工がしやすくなっています。
変色もしにくいですが、汗や皮脂の汚れで変色する可能性があります。使用後は柔らかい布で拭いておきましょう。
18金(18K)
18金には75%の純度があります。ジュエリー商品として使用されることが多い、最もポピュラーな貴金属です。
変色しにくさ | ○ |
---|---|
強度 | ○ |
価格帯 | やや高い |
銀・銅・パラジウムなどの金属がおよそ25%ほど配合されており、配合する金属の割合によってイエロー、ピンク、ホワイトなど、金の色を変えることができます。
22金よりも強度は高いですが、混ぜている金属が空気中の酸素や水分に反応しやすいため、変色しやすくなっています。
14金(14K)
14金は純度が58%、金以外の金属が約42%配合されている、強度の高い貴金属です。
変色しにくさ | △ |
---|---|
強度 | ○ |
価格帯 | 安い |
14金は、18金のようにカラーが豊富にあり、純度が低い分、比較的安い価格で購入できます。主にジュエリー商品として使用されており、若い世代はもちろん、海外でも人気が高いです。
ただ、銀や銅などが多く含まれているため、18金よりも変色しやすいです。長く使うためには定期的なお手入れが必要となります。
10金(10K)
10金は純度が41.7%と、金の含有量がほかの金属の配合量よりも低いです。
変色しにくさ | △ |
---|---|
強度 | ◎ |
価格帯 | 最も安い |
お手頃な価格で購入でき、ジュエリーのほかに、腕時計、メガネのフレームなど幅広く使用されています。
他の貴金属よりも強度が高く傷つきにくいのが魅力的ですが、変色に加え、錆びが発生しやすいのが難点です。長く使用したい方は、こまめにメンテナンスを行いましょう。
ゴールドアクセサリーの黒ずみ・変色の原因
黒ずみや変色には以下のような原因があります。気づきにくいところではありますが、日常の生活範囲内で起こりうるものです。純度が18金以下のアクセサリーは、特に気をつけましょう。
汗や皮脂汚れの酸化
普段の生活で身に着けていると、汗や皮脂などの汚れがアクセサリーに付着します。これらは黒ずみになる原因のもととなっており、皮脂や汗による汚れが酸化した結果、次第に黒ずんでしまうのです。
24金や22金のような純度が高いものは錆びに強いため、柔らかい布で黒ずみを拭き取れば、すぐに元の状態に戻る可能性はあります。しかし、18金・14金・10金のように純度が低いものは錆びやすいため、定期的にお手入れを行いましょう。
銀の硫化
18金以下の純度の低い金は、銀や銅などの金属が多く含まれています。特に銀の割合が多い場合は、空気中の硫黄成分と結びついて硫化する場合があります。いわゆる「硫化銀」です。この化学反応によって、変色や黒ずみを引き起こしているのです。
硫化銀による汚れは、重曹や歯磨き粉など、ご自宅でのお手入れで落とすことができます。
割り金のサビ
金は錆びに強い性質がある金属ですが、純度が18金以下であれば錆が出る可能性があります。これらに含まれている銀や銅などの「割り金」と呼ばれる金属は、空気中の酸素と結びつきやすく、放置しておくと次第に錆びてしまいます。
最悪、奥まで浸食したら完全に拭き取れない可能性があるため、定期的にお手入れを行いましょう。
ゴールドアクセサリーの黒ずみ・変色のお手入れ方法
それでは、黒ずみ・変色のお手入れの仕方についてご紹介します。どの方法もご家庭でできますので、ぜひ参考にしてみてください。
中性洗剤でのお手入れ
黒ずみは、中性洗剤によってほとんど落とすことが可能です。手順は以下のような方法でやってみましょう。
手順 |
---|
①40℃程度のぬるま湯に中性洗剤を溶かす 食器用・衣類用のどちらでも大丈夫です。40℃程度暖めたうえで溶かしましょう。 |
②アクセサリーを着け置きする アクセサリーを入れ、3分から10分ほど着け置きします。付着した汚れが浮き、アクセサリーから徐々に剥がれていきます。 |
③ぬるま湯ですすぐ ぬるま湯でしっかりすすぎましょう。落ちなかった汚れは、毛先の柔らかいブラシで軽くブラッシングし、汚れを落としてください。 ※24金や22金は傷つきやすいため、ブラッシングは控えてください。代わりに、指の腹で優しくこすりましょう。 |
④やわらかい布で水気を拭き取る もう一度、ぬるま湯ですすぎ、柔らかい布で水分をしっかり拭き取りましょう。拭き取った後は自然乾燥させ、保管してください。 |
洗うことに気を取られて、アクセサリーを排水溝に落とさないよう注意しましょう。茶こしに入れてからすすぐと安全です。
重曹でのお手入れ
重曹は弱アルカリ性の「炭酸水素ナトリウム」であり、錆びのような酸性の汚れに対して効果があります。以下の手順を行ってみましょう。
手順 |
---|
①耐熱性のある容器にアルミホイルを敷く 深みのある耐熱タッパー、もしくは耐熱皿を用意しましょう。 |
②容器に重曹を入れ、お湯を注ぐ 小さじ一杯の重曹を入れ、熱湯を注ぎます。アクセサリーが十分ひたる程度が目安です。 |
③容器にアクセサリーを入れる ゴールドアクセサリーを入れ、5分程度待ちましょう。錆びや変色部分が落ちていきます。 |
④ぬるま湯でそそぎ、水分を拭き取る ぬるま湯でしっかりそそぎ、柔らかい布で水分を拭き取りましょう。 |
水分を拭き取ったら、自然乾燥をさせたうえで保管場所に置いておきましょう。
重曹には肌へのダメージが少ないという特徴があります。手荒れが気になる方におすすめです。
お酢でのお手入れ
酢は食卓以外にも、掃除や洗浄に役立ちます。酢に含まれている酢酸は、酸化した金属から酸素を切り離す「還元効果」があり、錆びや変色に効果的です。変色や錆びを確認したら、以下のような手順で洗浄してみましょう。
手順 |
---|
①沸騰させたお湯に酢を入れる お湯1リットルに対し、酢100g程度を入れてください。入れたら、よくかき混ぜましょう。 |
②アクセサリーを入れる アクセサリーを入れ、5分程度おいておきましょう。 丸めたアルミホイルを一緒に入れると、錆びが落ちやすくなります。 |
③よくすすぎ、水分を拭き取る アクセサリーを水でよくすすぎ、柔らかい布を使って拭き取りましょう。 |
洗剤や重曹の使用に抵抗のある方は、この方法がおすすめです。
専用クリーナーでのお手入れ
ゴールドアクセサリーには、専用の液体クリーナーが通販サイトや市販で売られています。洗浄でも落ちなかった細かな汚れも、液体に1分間浸して水にそそぐ、または軽くブラッシングしてぬるま湯にそそぐという方法で綺麗になるという優れものです。
洗剤や重曹よりも値段が高いですが、時間をかけずにお手入れしたい方におすすめです。
修理専門店に依頼する
ご家庭で洗浄を行うのが不安であれば、修理専門店に持ち込むのが最も安全です。特にゴールドアクセサリーにダイヤモンドなど高価な宝石があしらったものは、洗浄したとしても宝石が傷つく恐れがあります。安易な判断はせず、専門店へクリーニングを依頼しましょう。
汚れ具合によって異なりますが、クリーニング代はおよそ1,500円から3,000円程度の相場となります。
【毎日できる】黒ずみや変色を防ぐお手入れ方法
洗浄せずに黒ずみや変色から防ぐ一番の方法は、やはり「汚れをこまめに拭き取る」ことです。身に着けたものをそのまま保管箱に入れてしまう前に、アクセサリーやメガネ用の柔らかな布を利用して、優しく磨きましょう。
金の美しさを持続させるためにも、ご自宅に帰ったタイミングや寝る前など、ゴールドアクセサリーを磨くことを毎日行いましょう。
ゴールドアクセサリーを綺麗に保管する方法
ゴールドアクセサリーを長く使用するためには、洗浄だけでなく綺麗に保管することも大切です。ここでは、その方法についてご紹介します。
アクセサリーケースに保管する
ゴールドアクセサリーを空気中の酸素に触れたままにすると、次第に変色してしまいます。それを防ぐためには、ケースへの収納が不可欠です。
アクセサリーには、フタで開閉できる専用のケースがあります。複数のアクセサリーをすっきりと収納ができ、傷つける心配も少ないです。小物入れよりもデザイン性は高く、お気に入りがひと目で分かりやすい仕様になっています。慌てて外出の準備をするときにも、すぐ見つけられるでしょう。
個別包装して保管する
アクセサリーケースがない場合は、ジッパー付きのポリ袋を用意しましょう。アクセサリー専用のポリ袋は複数枚をセットで販売しており、100均でも展開しています。
ひとつひとつ収納することができるため、他のアクセサリーにぶつけて傷つける心配もなく、空気との接触による酸化も抑えられる便利アイテムです。
高温多湿・直射日光を避けて保管する
ゴールドアクセサリーに宝石などがあしらわれているものは、直射日光に要注意です。日光に含まれる紫外線は宝石にも作用しており、色褪せや変質の原因となります。
さらに、湿気が多いかつ温度が高い部屋では、酸化などの化学反応が促進されます。そのような場所にアクセサリーを保管すると、黒ずみや錆びが発生しやすくなり、劣化が早まる恐れがあります。
大切なアクセサリーを長く使用するためにも、保管場所には注意しましょう。
ゴールドアクセサリー取り扱い時の注意点
ゴールドアクセサリーは間違ったお手入れや身に着け方をすると、変色や黒ずみだけでなく傷をつける恐れもあります。取り扱いには気をつけましょう。
研磨剤でお手入れしない
洗浄に慣れていない方は、研磨剤でお手入れするのは控えましょう。研磨剤の細かい粒子によってアクセサリーを傷つけてしまい、かえって汚れが広がる原因となります。せっかくの美しい輝きが薄れてしまうので要注意です。
同様に、研磨剤が含まれている洗剤や歯磨き粉などの使用も避けましょう。
水に濡れないようにする
純金である24金であれば、水に強いため「濡れても問題なし」といわれていますが、それよりも純度の低いものは水に濡れないようにしましょう。なぜなら、含まれている銀や銅などの金属は水に弱いからです。
洗浄したときなどに水分を含んだままにしておくと、酸化を促し、変色や錆びが発生してしまいます。しっかり拭き取り、乾燥させましょう。
温泉・海水浴時に取り外す
温泉には硫黄成分があり、金に含まれている銀が硫黄に反応し、錆びやくすみが発生しやすくなります。また、サウナに入ると火傷するリスクも高まり、危険です。
海水浴においても海水の塩分と金に含まれた銅と結びついて塩化し、次第に黒ずみが発生してしまいます。特にピンクゴールドは銅を多く含んでいるため、錆びや変色による劣化が早いです。
金といっても、22金以下は強度を高めるために銀や銅などが含まれているため、このような場所に訪れるときはできる限り外しておきましょう。
スポーツ時にも取り外す
野球やサッカー、テニスなど、激しい運動には汗がつきものです。ゴールドアクセサリーにおいて、汗の汚れは黒ずみのもととなります。運動後に何もしなければ、汗による酸化で次第に黒くなってしまうのです。乾いた布で拭き取ることを心掛けてください。
また、純金のような柔らかい素材で作られたアクセサリーは、ボールなどの用具に当たってしまうと、傷がついたりデザインそのものが歪む恐れがあります。スポーツを始める前に外しておきましょう。
【あると便利】ゴールドアクセサリーのお手入れグッズ
ここでは、ゴールドアクセサリーのお手入れに役立つアイテムをご紹介します。どれも安価で手に入り、用意しておくと作業の短縮にもつながります。
アクセサリー専用クロス
ゴールドアクセサリーのお手入れには欠かせないグッズです。柔らかい素材でできており、アクセサリーを傷つけずに拭くことができます。身に着けたあとはクロスで拭くよう習慣化しましょう。ただし、24金や22金のような柔らかな素材は、磨きすぎると変形する恐れもあるため、加減には気をつけてください。
専用クロスは、ジュエリーショップや通販サイトなどで購入可能です。
歯ブラシ
細かな汚れを取り除くときに便利なのが、毛先の柔らかい歯ブラシです。専用クロスでも行き届かない汚れを落とし、アクセサリーをさらに輝かせることができます。力加減には注意し、優しく磨きましょう。ヘッドの小さいものがおすすめです。
ただし、22金や24金のアクセサリーでは、優しく磨いても傷がつく恐れがあります。使用するのは、18金以下にしておきましょう。
中性洗剤
中性洗剤もアクセサリーのお手入れに欠かせないアイテムです。ぬるま湯に薄めて使用し、3分から10分ほど着け置きすることで黒ずみや皮脂の汚れを落とすことができます。着けたあとは水でしっかりそそぎ、柔らかい布で水分を拭き取りましょう。
なお、使用する中性洗剤は、スーパーやドラッグストアにある食器用洗剤で問題ありません。こまめに洗浄しましょう。
アンモニア水
アンモニア水は、中性洗剤よりも強力な洗浄力があります。使用する際は水で6倍薄めた状態にして、アクセサリーを着け置きしましょう。
しかし、アンモニア水は腐食性があるため、長時間着け置きすると劣化する恐れがあります。適度に様子を見ながら行いましょう。汚れが落ちたら、臭いが消えるまでしっかり水でそそいでください。
汚れに対して強力ですが、扱い方がとても難しい薬品です。汚れがどうしても落ちないときの最終手段として使用しましょう。
茶こし
洗面台などでアクセサリーを洗浄するときに便利なのが、茶こしです。これは茶葉をこすときに使用する道具で、普段は急須の中に入っていることが多いです。
中和洗剤などでアクセサリーを洗浄した後、手にもったまますすぐと、うっかり排水溝へ流される危険があります。しかし、茶こしに乗せておけば水に流すだけで済むため、作業を効率よく行うことができます。
洗浄用の道具として、用意しておきましょう。
ゴールドアクセサリーの黒ずみ・変色は売却前にお手入れするべき
買取業者などにゴールドアクセサリーの売却を検討している方は、黒ずみや変色などの汚れをできる限り落とすことをおすすめします。汚れが付着したまま買取に出すと低く評価され、買取価格が本来の半分、という事態に陥ってしまうからです。買取前には必ず、簡単なお手入れを実施しましょう。
ただし、間違ったやり方で洗浄してしまうと、アクセサリーを傷つける恐れもあります。不安であれば無理にお手入れはせず、買取業者や専門業者に相談しましょう。経験豊富な査定士であれば、適切に評価してくれるでしょう。
なお、「買取大吉」ではゴールドアクセサリーに関する商品の買取実績が多数ございます。無料査定を行っていますので、お近くの店舗へぜひご相談ください。
まとめ
ゴールドアクセサリーは純度の高さによって、銀や銅などの金属が含まれています。そのような金属が空気中の酸素や硫黄、塩素に結びつくことで、黒ずみや変色などを発生させるのです。今一度、ご自身が購入したアクセサリーの純度を確認し、今回、ご紹介した洗浄方法で長く使用できるようにしましょう。丁寧な対応が、金を美しくする秘訣です。