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外れた銀歯は買取可能?いくらで売れる?
外れた銀歯は買取可能ですが、金歯ほど高価ではありません。
銀歯の買取参考価格は、素材や成分、重さ、市場相場などによって決まります。1グラムあたり数百円程度で買い取られますが、相場の変動や買取店の方針によって価格は変わります。
銀歯の買取を検討する際は、複数の買取店で査定を受けるのがおすすめです。
銀歯の素材と成分
銀歯の正式名称は「金銀パラジウム合金」です。その名の通り、金、銀、パラジウムを主成分とする合金で作られています。
一般的な銀歯の成分比率は、金が12%、銀が50%、パラジウムが20%、その他の金属(銅など)が18%程度です。この比率は、歯科用金属の日本工業規格(JIS)によって定められています。
銀歯に含まれる金は耐食性と延性を向上させて銀は合金の主成分として強度を高める役割があります。パラジウムの役割は形を保つ硬度と腐食を防ぐ耐食性です。この組成で銀歯は強度と耐久性を兼ね備えた歯科材料となっています。
銀歯の素材や成分が高騰している
近年は銀歯の主要成分である金、銀、パラジウムの価格が高騰しています。特にパラジウムは、自動車の排ガス浄化触媒や電子部品などの産業用途での需要増加により、価格が大きく上昇しています。2021年には1オンス(約31.1グラム)あたり約3,000ドルを超える史上最高値を記録しました。
金や銀の価格も、世界経済の不確実性や投資需要の増加により上昇傾向にあります。これらの貴金属価格の上昇は、銀歯の買取参考価格にも影響を与えています。
ただし、銀歯に含まれる貴金属の量は限られているため、1本あたりの買取参考価格が劇的に上がるわけではありません。それでも、以前と比べると銀歯の買取価値は確実に上昇しているといえるでしょう。
金歯よりは価値はない
銀歯は金歯と比較すると、買取価値は低くなります。その理由は含有される貴金属の量と純度の違いです。
金歯は通常、金の含有率が75%以上(18金相当)と高く、残りの成分も主に貴金属で構成されています。一方、銀歯(金銀パラジウム合金)は金の含有率が12%程度と低く、主成分は銀です。
金は銀やパラジウムと比べて市場価値が高いため、同じ重さでも金歯の方が高価になります。例えば、1グラムの金歯が数千円で買い取られるのに対し、1グラムの銀歯は数百円程度の買取参考価格が一般的です。
ただし、銀歯にも貴金属が含まれているため、決して価値がないわけではありません。特に複数本まとめて売却する場合は、それなりの金額になる可能性があります。
銀歯の買取参考価格の決まり方や買取相場
銀歯の買取参考価格は主に重量や素材の純度、貴金属相場そして買取店の方針によって決まります。銀歯の重さが大きいほど買取参考価格は高く、金と銀、パラジウムの含有率が高いほど価値は上がります。
買取参考価格が変動する要因は金、銀、パラジウムの市場価格です。ただ、各店舗の経費や利益率も影響するので市場価格のみで断定するものではありません。
2024年7月現在、銀歯の買取価格相場は1グラムあたり300~800円程度です。これはあくまで目安であり、実際の買取参考価格は先に挙げた要因によって大きく変わります。また、買取店によっては重量ではなく1本単位で価格を設定するところもあります。その場合は1本あたり100~500円程度で買い取ってもらえるでしょう。
外れた銀歯は1本からでも買取可能?どんな状態でも売れる?
外れた銀歯は、基本的に1本からでも買取可能です。多くの買取店では、少量の銀歯でも受け付けています。ただし、状態によっては買取できない場合もあります。変形していたり、純度が不明だったりする場合でも、まずは買取店へ相談するのが安全です。以下、具体的なケースごとに買取の可能性を解説します。
銀歯が1本だけの場合
銀歯が1本だけの場合でも、多くの買取店で買取可能です。銀歯の買取は通常、重量で価格が決まるため、1本でも価値があります。ただし、1本だけの場合は買取参考価格が低くなる可能性があります。
買取店によっては、最低買取金額を設定している場合があります。例えば、500円以上の買取でないと取引に応じないといった具合です。1本の銀歯がこの最低金額に満たない場合、買取を断られるかもしれません。
また、1本だけの場合は送料や手数料が買取金額を上回ってしまう可能性もあります。そのため、複数本まとめて売却するか、他の貴金属製品と一緒に売却しましょう。
とはいえ、1本だけでも買い取ってくれる店舗は存在するので、複数の買取店に問い合わせてみるのもよいでしょう。
銀歯が変形している場合
銀歯が変形している場合でも、多くの買取店で買取可能です。買取店は銀歯を素材として評価するため、形状が崩れていても問題ありません。むしろ、変形した銀歯は精錬しやすいため、買取店によっては歓迎されることもあります。
ただし、大きく変形して欠けている場合、重量が減少し買取参考価格が下がるかもしれません。また、異物が混入していると除去作業が必要になるため、その点も買取参考価格に考慮されます。極端に変形している場合、素材の判別が難しくなり買取は難しいです。
変形した銀歯を売却する際は、できるだけ元の形状がわかる状態で持ち込みましょう。また、歯科医院での治療記録があれば、それも一緒に提示するとスムーズに査定が進みます。
銀歯の純度が不明な場合
純度が不明確だと買取店によって対応が異なります。買取店は安全性を見込んで最も低い純度の銀歯として査定しますが、注意したいのは正確な純度測定を目的とした分析費用の請求です。また、純度が不明確だと買取リスクが高いと判断されて買取を断ることもあります。
純度不明の銀歯を売却する際は、複数の買取店で査定を受けて最も有利な条件を提示した店舗を選ぶことが重要です。また、歯科医院での治療記録や使用した材料の情報を提示しましょう。分析費用が必要な場合は、買取参考価格との兼ね合いを考慮して判断することが求められます。純度が不明でも、専門の買取店であれば適切な査定を行ってくれる可能性が高いです。
歯医者は銀歯を返してくれる?
歯医者が銀歯を返してくれるかどうかは状況によります。形を保っている銀歯は返してもらえる可能性はありますが、古い銀歯や破損した銀歯は返してもらえません。銀歯を返してもらいたい場合は治療前に歯医者に伝えておきましょう。
形を保っている場合は返してもらえる
銀歯が形を保っている場合、多くの歯医者は患者の要望に応じて返却してくれます。特に新しい治療法への変更やサイズ調整、歯周病予防を目的とした交換は返却される可能性が高いです。
基本的に銀歯の返却を希望する場合は、必ず事前に歯医者に伝えておきましょう。治療中や治療後に急に返却を求めても、対応してもらえません。
また、返却された銀歯を売却する際は、感染リスクの観点から適切な消毒処理が必要です。多くの買取店では、歯科医院で適切に処理された銀歯のみを受け付けています。
古い銀歯は返してもらえない
古い銀歯や長期間使用された銀歯は危険性や専門的な処理が必要な場合は返却されません。
・歯周病などの病原菌による感染リスクがある
長期間口腔内にあった銀歯は、細菌やウイルスが付着している可能性が高く、感染リスクがあると返却できません。
・廃棄物処理の効率化
古い銀歯を専門の業者に委託して廃棄処理しければなりません。その際の費用が高額になるのでまとめて処理したい歯医者が多いです。
・法的規制による理由
一部の地域では、使用済みの歯科材料の返却が法律で禁止されています。
・医院の方針
感染管理や医療の安全性の観点から、古い銀歯の返却を行わない方針の歯医者もいます。
ただし、古い銀歯でも患者が強く返却を希望する場合、適切な消毒処理を行った上で返却に応じてくれます。その場合、患者による消毒処理費用は自己負担です。
また、古い銀歯を返却してもらえた場合でも、買取店によっては受け取りを拒否されるので、買取を検討する際は、事前に買取店の方針を確認しましょう。
外れた銀歯を買取できないケースとその理由
外れた銀歯であっても買取できないケースはあります。主な理由として感染性廃棄物に分類される場合、買取できる金属部分が少ない場合、金銀パラジウム合金と異なる場合などです。これらのケースでは、銀歯の買取が法律や衛生上の理由で制限されています。ここでは具体的な理由について解説します。
感染性廃棄物に分類されるから
銀歯が感染性廃棄物に分類される場合、法律上は買取できません。
・血液や唾液が付着している
感染リスクが高いため、適切な消毒処理が必要です。
・長期間口腔内にあった
細菌やウイルスが付着している可能性が高く、医療廃棄物として処理すべきです。
・歯科医院での処理が不十分
適切な消毒処理が行われていないと、買取店で受け取りを拒否されます。
感染性廃棄物として分類される銀歯は、法律に基づいて適切に処理しないと、買取店は対応できません。銀歯を売却する際は、事前に歯科医院で消毒処理を行い、証明書を取得しましょう。
買取できる金属部分が少ないから
銀歯の買取参考価格が決まる要素は含有される貴金属の量ですが、金属部分が少ない場合は買取が難しくなります。例えば、重量が非常に軽い場合や一部が欠けて金属部分が少ない場合、さらに異物が混入している場合です。
買取できる金属部分が少ない銀歯を売却する際は、複数の買取店で査定を受け、最も有利な条件を提示した店舗を選びましょう。また、銀歯の状態を事前に確認し、可能であれば異物を除去することをおすすめします。
金銀パラジウムの銀歯ではないから
銀歯が金銀パラジウム合金でない場合は買取が難しくなります。他の合金が使用されている場合や純度が低い場合、または偽造品である場合、買取が拒否される可能性があります。
金銀パラジウム合金でない銀歯を売却しようとする場合は、歯科医院での治療記録を確認と使用された材料の情報を入手しましょう。さらに、専門の買取店で素材分析を依頼し、正確な成分を確認することも必要です。
また、金銀パラジウム合金以外の材料でも買い取ってくれる店舗を探すことも有効です。正確な情報を提供できれば適切な査定を受けられる可能性もあります。
外れた銀歯を高価買取してもらうコツ
外れた銀歯を高価買取してもらうためには、銀歯の買取参考価格がある店舗や、手数料が安い店舗、買取相場が高いタイミングに売りましょう。以下で、それぞれのコツについて解説します。
銀歯の買取参考価格がある店舗で売る
銀歯の買取参考価格が豊富な店舗を選ぶと高価買取を実現しやすくなります。基本的に実績のある店舗は適切な査定と正確な判断、適切な価格を提示できる傾向です。
また、専門知識が豊富で、銀歯の成分や市場価値について詳しい知識を持っています。信頼性も高く長年の実績があるため安心して取引できますし、精錬所や卸売業者とのネットワークがあり、より高い価格で売却できる可能性が高まります。
実績のある店舗を見つけるには、口コミやレビューを確認し、買取参考価格と取扱量を調べることが効果的です。同時に、専門的な資格や認定の有無もチェックしましょう。実績のある店舗で売却すれば適正価格で買取してくれる可能性が高いです。
手数料が安い店舗で売る
より高価買取を実現するためには手数料が安い店舗を利用しましょう。なぜなら買取参考価格から手数料が差し引かれて、実質的な売却額が算出されるからです。手数料の内訳と計算方法、無料査定の有無、出張買取の追加費用、買取金額の振込手数料に注意して店舗を選びましょう。
手数料が安い店舗を見つけるには複数の店舗の手数料を比較し、オンライン買取サービスを利用するのが無難です。オンラインサービスは店舗運営費が低いため、手数料も低くなる傾向にあります。
また、キャンペーン期間中の買取を利用することもおすすめです。手数料の低さだけでなく、買取参考価格や信頼性なども総合的に判断して店舗を選びましょう。
他のものと同時査定をする
銀歯を他の貴金属製品と一緒に査定してもらうと、より高い買取参考価格を引き出せます。まとめて買い取る際の優遇価格が適用されたり、買取査定の作業効率が上がったり、価格交渉もしやすくなるからです。また、買取店によっては最低買取金額を上げてもらいやすくなるのも利点です。
同時査定に適したアイテムは、金歯や他の歯科用金属、金、プラチナ、シルバーのジュエリー、貴金属製の装飾品や食器などがあります。同時査定の際は、事前に全てのアイテムをきれいに清掃し、購入時期や素材などの情報を整理しておくとよいでしょう。
銀歯の買取価格相場が高いタイミングに売る
銀歯の買取参考価格は金、銀、パラジウムの相場に大きく影響されます。貴金属相場が高騰しているタイミングで売却すれば、高く買い取ってもらえるかもしれません。なので、金や銀、パラジウムなどの貴金属相場や世界経済の動向、政治情勢のニュースは定期的にチェックしましょう。年末年始やゴールデンウィークなど季節性も考慮し、期間限定の高価買取やキャンペーンを活用するとより高く売れます。
また、貴金属相場のグラフは定期的にチェックし、経済ニュースや市場分析レポートを参考にするのも有効です。相場情報は買取店のウェブサイトで確認できますが、相場は常に変動するため、タイミングを見極めるのは難しいです。そのため、定期的に長期的なトレンドを見ながら、自分にとって適切なタイミングを判断しましょう。
外れた銀歯の買取で注意するべきこと
外れた銀歯を買取に出す際は、歯医者に銀歯を返してほしい旨を早く伝えることと、付着物除去にかかる手数料です。これらの点に注意すると、スムーズな買取プロセスを実現し、トラブルを回避できます。以下で注意点について解説します。
歯医者に銀歯を返してほしい旨を早めに伝えておく
銀歯を買取に出す際には、歯医者に銀歯を返してほしい旨を早めに伝えておきましょう。事前に伝えることで、歯医者が適切な消毒処理と保管を行ってくれます。また、必要な書類や同意書の準備もできます。さらに、返却のタイミングを治療計画に組み込まれてスムーズな進行になるので、銀歯が誤って廃棄されるようなことはありません。
銀歯の返却を希望する場合は、治療の初回相談時や銀歯の交換や除去が決まった時点、次回の治療予約を取る際に伝えるのが理想的です。早めに伝えることで、歯医者からスムーズに返却してもらえるでしょう。返却された銀歯の取り扱いや保管方法については、歯医者からアドバイスをもらえます。
付着物除去に手数料がかかる場合がある
銀歯を買取に出す際、付着物の除去に手数料が必要です。付着物には歯石、セメント、歯の組織などが含まれますが、これらは買取参考価格に影響を与えるため除去が必要です。専門的な除去作業が必要と判断された場合、買取店から手数料を請求されるかもしれません。請求される場合は、手数料を買取参考価格から差し引かれます。
付着物除去の手数料を最小限に抑えるためには、歯医者から適切に処理してもらい、可能な範囲で軽い洗浄を行いましょう。付着物の少ない状態で買取に出すことが望ましいです。買取店によって対応や手数料は異なるため、事前に確認することが大切です。また、手数料と買取参考価格のバランスを考慮した総合的な判断が求められます。
銀歯のメリットとデメリット
銀歯は耐久性や費用面でのメリットがある一方で、見た目や金属アレルギーなどのデメリットもあります。ここでは、銀歯のメリットとデメリット、そして金歯やセラミックとの違いについて解説します。
銀歯のメリット
金銀パラジウム合金は強度が高く、長期間使用できるため、耐久性に優れています。コスト面では他の歯科材料と比較して比較的安価で、加工もしやすく、歯医者が扱いやすいため精密な治療が可能です。噛み合わせの調整も使用後に微調整が可能です。
さらに、温度変化を感じやすいことで虫歯の早期発見につながり、銀の抗菌作用により細菌の繁殖を抑制します。使用後も貴金属として別の治療など再利用もしやすいです。
これらの理由から、銀歯は長年にわたって歯科治療で使用されてきました。特に奥歯の治療や大きな虫歯の修復に最適で、コストパフォーマンスが高く、健康保険適用の治療でも使用されています。
銀歯のデメリット
金属色が目立つため、見た目において審美性に欠けます。また、含有金属によっては金属アレルギーを引き起こすのでアレルギーに体質の方は注意が必要です。時間の経過とともに黒ずみが濃くなり、熱いものと冷たいものに過敏になり食事しづらくなります。銀歯は金属特有の風味が強く、金属製の食器を使用する際に電気的刺激を感じるかもしれません。
これらの理由から、前歯や見える部分の治療では審美性の観点から他の材料を選択することが多いです。また、金属アレルギーの心配がある場合は、事前にパッチテストを行うと安心です。
MRI検査に悪影響という噂もありますが、現代の銀歯は磁気に反応しない素材になりましたので、強い磁場によって発熱や位置ずれが生じることはありません。
金歯やセラミックとの違い
金歯は銀歯よりも耐久性が高く腐食に強いですが費用は高めです。セラミックは天然歯に近く見た目も自然ですが、費用は高くなり強度は銀歯より劣ります。以下の表で、それぞれの特徴をまとめました。
特徴 | 銀歯 | 金歯 | セラミック |
---|---|---|---|
見た目 | 金属色 | 金色 | 天然歯に近い |
強度 | 高い | 非常に高い | 中程度 |
耐久性 | 高い | 非常に高い | 中程度 |
費用 | 低い | 高い | 非常に高い |
アレルギー | あり | 少ない | なし |
まとめ
銀歯は基本的に買取可能ですが、状態や純度によって価格が大きく変わります。高価買取を実現するなら複数の買取店で査定を受けて、まとめて売却するのがおすすめです。また、感染性廃棄物に該当する場合は買取できないなど、注意点は把握しておきましょう。