お電話 でのお申込み・ご相談は 0120-15-1234 電話受付:
24時間
メール
24時間OK! メールでお問い合わせ

選べる3つの買取方法

ボタン 店舗買取

ご成約で即現金化!
お得な来店特典もあります!

ボタン 出張買取

ご自宅に査定員がお伺いする、
外出不要の買取サービス!

ボタン 催事買取

各地域の催事会場で行われる、
期間限定の買取イベント!

Instagram Facebook Twitter Youtube
買取大吉 買取品目 金・貴金属 金・貴金属の記事一覧 「金継ぎ」によって見いだされる新たな意味

「金継ぎ」によって見いだされる新たな意味

972_金 継ぎ 意味

金継ぎは、室町時代から伝わる日本独自の修復技法です。漆は、損傷した陶磁器や漆器を修復するために使用されます。最大の特徴は、継ぎ目に金・銀・朱などの金粉を施し、傷を「景色」として鑑賞することです。傷跡を歴史として受け入れ、新たな調和を生み出す。まるでそこに新しい命を吹き込むようなものです。
よく考えてみると修復によって芸術的・審美的価値が高まるのは不思議です。安土桃山や室町時代の茶人たちは、その“継ぎ”の美しさを追求しました。茶の湯の世界では、金継ぎの流れるようなラインを「川の流れ」と呼び、侘びの美しさを見出したと言われています。この記事ではそんな幽玄なる金継ぎの世界を紹介します。

金継ぎの意味

デジタル大辞泉によると、金継ぎとは “割れたり欠けたりした陶磁器を漆で接着し、継ぎ目に金や銀、白金などの粉を蒔いて飾る、日本独自の修理法。修理後の継ぎ目を「景色」と称し、破損前と異なる趣を楽しむ。現代では漆の代わりに合成接着剤を使うこともある。別名、金繕い。” とのことです。

金継ぎの歴史

割れたり欠けたりした器を漆で修復するという知恵は古くから日本に存在しており、なんと縄文時代の土器にもそのような修復の痕跡が確認されています。一方で、割れた器を修復したものに「美しさ」を見出すようになったのは、室町時代に花開いた茶の湯に於いてです。茶の湯は安土桃山時代、織田信長が没頭し、豊臣秀吉も大いに奨励し政治的にも利用したため隆盛を極めます。信長や秀吉に仕えた茶の名人、千利休は茶の湯のなかでも特に「侘び茶」と呼ばれる茶道の形式を大成したことで知られます。天下人や貴族が政治的に開催した茶の湯が権威的で華やかなものであったのに対し、侘び茶は簡素・質素で静謐な“侘び”の美しさを、よしとしたものでした。侘びという美意識において、金継ぎされた器は、その儚さや、無常のなかに新たな景色を見出すという価値観が確立され、芸術的価値が認められました。現代において、持続可能性に注目が集まる中でも金継ぎは評価され、日本のみならず海外でもワークショップが開かれるなど、にわかに熱い注目を集めています。

金継ぎの方法

割れやヒビの接着

漆単体では接着力がないので、小麦粉を漆と水で練った接着剤で破片やヒビを接着します。乾燥には数週間を要します。

欠けの埋め

漆を厚塗りすると乾きが遅く、縮んで表面が平滑にならない為、刻苧漆(こくそうるし)と呼ばれる木の粉や繊維くずなどを漆に混ぜたパテ状のものを割れ目に塗り埋めていきます。さらに漆に砥粉(とのこ)と水を加えて練った錆漆を塗布し、乾燥したら削って平らにならします。

下地作り

金粉の発色をよくするため、酸化鉄を混ぜた赤褐色の漆である弁柄漆(べんがらうるし)を割れ目に塗っていきます。

金粉撒き

金などの金属粉を撒いて磨き、修繕個所を美しく仕上げます。金粉以外にも銀粉やプラチナ粉などを用いる場合もあります。

なお、現在は本漆ではなく、新うるしと呼ばれる植物性樹脂や合成樹脂による簡易金継ぎキットも販売されていて、より手軽に金継ぎを楽しむことができます。

“継ぎ”の名品

青磁茶碗 銘馬蝗絆(めいばこうはん)

最高品質の青磁器として名高い、宋の時代の龍泉窯(りゅうせんよう)の茶碗です。平重盛が贈与されたもので、後に足利義政が所有することになります。その時、茶碗にひび割れあったため、中国に送られ、この器に代わるものを注文しましたが、時代は流れ明代となった中国に宋磁ほどの優品はもはやありませんでした。そのためこの茶碗は鎹(かすがい:太いホチキスの針のようなコの字状の金具)でひび留めされて返送されてきます。打たれた鎹が蝗(いなご)のように見えることから馬蝗絆と呼ばれることになりました。金で継がれてはいませんが、宋青磁のえも言わえぬ凛々しい色あい、佇まいもさることながら、鎹で継がれた独特の風貌から、「欠損した器に新たな美を見出す」という金継ぎにつながる美意識が芽生えた象徴的な名品であり、馬蝗絆は“継がれた”器で美的価値を見出された、最初の作品かもしれません。

赤楽茶碗 銘 雪峰(せっぽう)

江戸初期に活躍した芸術家、本阿弥 光悦(ほんあみ こうえつ)の作品です。刀剣を扱う名家に生まれながら、漆芸、陶芸、茶の湯、書など多岐にわたる分野で芸術作品を残しました。雪峰は赤い楽焼「赤楽」の茶碗を金継ぎした名作です。焼成中に窯割れしてしまった、いわば失敗した赤楽茶碗に金継ぎを施し、新たな“景色”を器に与えました。雪峰の名の通り、赤褐色の地に濁った白釉がかかった様が雪化粧をした山峰を彷彿させ、そこに金の筋が走ることで丸く柔らかい風情の椀にシャープなアクセントを添えています。

まとめ

金継ぎについてお話ししました。割れた陶磁器を繋ぎ合わせるという知恵は日本に古くから存在していました。室町時代ころの茶の湯において、割れた破片を“継いだ”茶器に美しさが見いだされるようになり、金継ぎは器に新たな景色をもたらすとして、大いにもてはやされました。現代においてもSDGsのような持続可能性を重視する考え方に合致している注目されており、芸術家だけでなく、一般の人もワークショップやキットを利用して気軽に金継ぎを楽しむことができます。さらに金継ぎは日本にとどまらず海外においても人気で日本の文化としても高く評価されています。

金・貴金属に関連するその他のコラム記事

お役立ちコラム人気記事

タグ一覧

カテゴリー一覧

買取品目のコラム
ブランドのコラム

買取品目

TOPへ